台湾総統選の14日迄後わずかとなりましたが、民進党・蔡氏が猛追し、馬氏の支持率が39.5%、蔡氏36.5%で、その差は3ポイントに縮まり大接戦となっている様ですね。
2012年秋に、胡錦濤氏から習近平氏に政権が渡る中国共産党は、2012年に台湾を併合する目標を掲げているのだそうですが、馬政権を陰から支えることで政権の傀儡化を進め、無血統合を達成しようとしているのですね。
中国の台湾併合は、目標の2012年に達成されるのか? - 遊爺雑記帳
中国のお得意の札束攻勢は、台湾の財界はもとより、マスコミや大学などにも及んでいるのだそうですが、民進党の地盤の南部の野菜の輸入を増やし支持基盤を崩していることは、報道も少なくなく諸兄がご承知の通りです。
今回の総統選で、民進党・蔡氏は、「台湾経済と中台関係の安定のため、超党派の大連合政府を作る」とし、中国との経済連携も唱えています。もちろん、「一つの中国」は認めず、台湾を「主権独立国家」だとし、馬氏再選なら「台湾の主権」が奪われ、将来は統一の危機にさらされると「台湾人意識」に訴えてもいます。
接戦の状況に、中国は、約100万人とされる大陸在住の台商とその家族の帰国・投票を促す(中国当局の関係者が個別に接触し無言の圧力をかけている)ことまでしているのだそうで、馬政権誕生に貸しを造るべく注力しています。
台湾の方々が、このような圧力のもと、どのような決断をくだされるのか、結果が注目されます。
結果が日本や東アジアの安全保障にも影響があることは、申し上げるまでもないことですね。
Amazon.co.jp: 暴かれた中国の極秘戦略―2012年台湾乗っ取り、そして日本は…?: 袁 紅冰, 黄牛
# 冒頭の画像は、左から馬英九総統(国民党主席)、民進党の蔡英文主席、親民党の宋楚瑜主席
この花は、大文字草 撮影=六甲高山植物園
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台湾総統選14日 馬氏、大接戦に危機感 猛追の蔡氏、失策攻撃 (1/9 読売朝刊)
14日投開票の台湾総統選挙は、国民党の馬英九総統(61)と野党・民進党の蔡英文主席(55)が激しい接戦を繰り広げながら8日、ラストサンデーを迎えた。馬陣営は財界の大物が支援に乗り出す一方、人気の高い夫人も動員して逃げ切りに必死だ。小差を追う蔡陣営は、馬政権の失策に対する攻撃を強め、浮動票の取り込みに躍起となっている。(台北 源一秀、台中 比嘉清太)
台湾紙・中国時報が3日発表した世論調査では、馬氏の支持率が39.5%、蔡氏36.5%。その差は3ポイントに縮まった。もう一人の候補、親民党の宋楚鍮主席(69)は5.8%だ。
危機感を抱いた馬陣営は今年に入り、社会福祉活動に熱心で、庶民人気の高い馬氏の夫人、周美青さん(59)を広告塔として前面に押し出し始めた。8日午後」には、台中で5万人以上の支持者を集めたパレードに参加。握手をせがむ女性の買い物客らにもみくちゃにされた。
周さんの起用は、男女対決の構図を薄める戦略。メディア調査では、民進党支持者の8.7%が「周さんが好きだから、馬氏に投票する」と答えた。
■争点は「対中」「民生」
最終盤に入り争点は「対中関係」と「民生」に絞られている。対中融和策を掲げ、中台関係改善を実現した馬氏に対し、蔡陣営は台湾を「主権独立国家」だとし、関係の再構築を訴える。
「活力ある経済、清廉な政府、中台平和の道を歩む方針は変えない」。馬氏は8日、台北のキャンペーン隊列に加わり、自らの実績を強くアピールした。
支持率が伸び悩む馬陣営に対し、中国でビジネスを展開する台湾の大企業経営者も相次ぎ応援に乗り出している。
「台湾の安定は中台の『92年合意』があってこそだ。これがなければ台湾経済は悲惨なことになる」。海運大手の長栄グループの張栄発総裁は3日、記者会見を開き、こう強調した。
92年合意とは中台双方が1992年、中台が「一つの中国」は認めるが、その解釈は双方がそれぞれ行う━━で一致したとされるもの。民進党は合意の存在すら否定するが、馬氏は合意を認めることで、中国と劇的な関係改善を成し遂げた。遠東グループの徐旭東理事長や東元グループの黄茂雄会長ら大物企業家も張総裁に同調した。
■「大連合政府」構想
蔡氏は8日、台南、台中、台北などの集会会場を精力的に回り、「貧富の差が拡大し、都市と農村の格差が深刻化した」と強調し、「台湾経済と中台関係の安定のため、超党派の大連合政府を作る」と訴えた。
馬政権下では、リーマン・ショックなどの影響もあり、貧富の格差拡大や高失業率が問題化し、若年層、低中所得層には不満が強い。蔡陣営は「馬氏続投への不安」をあおることで、支持層を広げる狙いだ。
また、「一つの中国」を認める馬氏再選なら「台湾の主権」が奪われ、将来は統一の危機にさらされると「台湾人意識」に訴えてもいる。蔡氏は台中での演説で、「92年合意を利用して人民を脅迫している」と政撃の舌鋒を強めている。
■中台関係の変化も
焦点の中台関係は、馬氏当選なら現在の安定が維持されるとの見方が強い。ただ、これまでは経済に限定されていた交流の軸を、中国側が統一問題を含む政治分野へ移す可能性がある。
蔡氏当選ならば、一時的な交流停滞は避けられないと見る向きが多い。当局筋は、中国側が馬政権時には自粛していた台湾と外交関係を持つ国(現在23か国)の争奪戦を再開させると予測する。
台湾の総統直接選挙は今回で5回目。民進党は2000年に政権交代を実現させたが、陳水扁政権の2期8年間、中台関係は停滞し、08年に国民党に政権を奪還された。
中国、水面下で国民党支援
馬英九総統の再選を望む中国の胡錦濤政権は、約100万人とされる大陸在住の台商(台湾人ビジネスマン)とその家族に標的を絞り、14日の投票日に合わせての帰省と投票を促すなど、水面下で国民党への支援に出ている。
北京の旅行会社は8日、総統選前後の日程で台湾に行く中国人団体観光客の募集を停止したことを明らかにした。担当者は「総統選挙が原因だ。投票で帰省する台商の乗客を優先する」と説明。当局の意向を受けて、各地で同様の「規制」が取られているという。
台商のうち国民党支持者は6割以上とみられる。台商の全国団体では、中国各地を7地区に分け責任者を指名し航空券の手配を行っている。中国当局は選挙前の期間に100便前後を増便予定で、航空券の価格を4~6割値引きするなど台商の「優先」搭乗に協力している。広東省の台商関係者は「帰省準備作業は順調だ」と述べ、20万人が帰省すると予想。接戦が予想される総統選で国民党にとって「台商票」の重要性は増している。
台商関係者によると、中国当局の関係者が個別に接触し、選挙情勢や帰省状況を尋ねるなどして、「無言の圧力をかけてくることも多い」という。民進党支持の台商は「民進党支持と分かると、当局は商談を持ちかけて取り込もうとする。一度でも断れば、嫌がらせを受ける」と打ち明ける。
中国では、今秋の第18回共産党大会で、胡錦濤総書記から習近平国家副主席への政権移行が予定されており、その前に台湾独立志向の強い民進党が政権を奪還することを恐れている。だが、かつての総統選で投票直前に威嚇する姿勢をみせて台湾住民の強い反発を買った経緯があり、胡政権は、「選挙に介入しない」と表明し、総統選に直接言及することは控えている。 (北京 関泰晴)
14日投開票の台湾総統選挙は、国民党の馬英九総統(61)と野党・民進党の蔡英文主席(55)が激しい接戦を繰り広げながら8日、ラストサンデーを迎えた。馬陣営は財界の大物が支援に乗り出す一方、人気の高い夫人も動員して逃げ切りに必死だ。小差を追う蔡陣営は、馬政権の失策に対する攻撃を強め、浮動票の取り込みに躍起となっている。(台北 源一秀、台中 比嘉清太)
台湾紙・中国時報が3日発表した世論調査では、馬氏の支持率が39.5%、蔡氏36.5%。その差は3ポイントに縮まった。もう一人の候補、親民党の宋楚鍮主席(69)は5.8%だ。
危機感を抱いた馬陣営は今年に入り、社会福祉活動に熱心で、庶民人気の高い馬氏の夫人、周美青さん(59)を広告塔として前面に押し出し始めた。8日午後」には、台中で5万人以上の支持者を集めたパレードに参加。握手をせがむ女性の買い物客らにもみくちゃにされた。
周さんの起用は、男女対決の構図を薄める戦略。メディア調査では、民進党支持者の8.7%が「周さんが好きだから、馬氏に投票する」と答えた。
■争点は「対中」「民生」
最終盤に入り争点は「対中関係」と「民生」に絞られている。対中融和策を掲げ、中台関係改善を実現した馬氏に対し、蔡陣営は台湾を「主権独立国家」だとし、関係の再構築を訴える。
「活力ある経済、清廉な政府、中台平和の道を歩む方針は変えない」。馬氏は8日、台北のキャンペーン隊列に加わり、自らの実績を強くアピールした。
支持率が伸び悩む馬陣営に対し、中国でビジネスを展開する台湾の大企業経営者も相次ぎ応援に乗り出している。
「台湾の安定は中台の『92年合意』があってこそだ。これがなければ台湾経済は悲惨なことになる」。海運大手の長栄グループの張栄発総裁は3日、記者会見を開き、こう強調した。
92年合意とは中台双方が1992年、中台が「一つの中国」は認めるが、その解釈は双方がそれぞれ行う━━で一致したとされるもの。民進党は合意の存在すら否定するが、馬氏は合意を認めることで、中国と劇的な関係改善を成し遂げた。遠東グループの徐旭東理事長や東元グループの黄茂雄会長ら大物企業家も張総裁に同調した。
■「大連合政府」構想
蔡氏は8日、台南、台中、台北などの集会会場を精力的に回り、「貧富の差が拡大し、都市と農村の格差が深刻化した」と強調し、「台湾経済と中台関係の安定のため、超党派の大連合政府を作る」と訴えた。
馬政権下では、リーマン・ショックなどの影響もあり、貧富の格差拡大や高失業率が問題化し、若年層、低中所得層には不満が強い。蔡陣営は「馬氏続投への不安」をあおることで、支持層を広げる狙いだ。
また、「一つの中国」を認める馬氏再選なら「台湾の主権」が奪われ、将来は統一の危機にさらされると「台湾人意識」に訴えてもいる。蔡氏は台中での演説で、「92年合意を利用して人民を脅迫している」と政撃の舌鋒を強めている。
■中台関係の変化も
焦点の中台関係は、馬氏当選なら現在の安定が維持されるとの見方が強い。ただ、これまでは経済に限定されていた交流の軸を、中国側が統一問題を含む政治分野へ移す可能性がある。
蔡氏当選ならば、一時的な交流停滞は避けられないと見る向きが多い。当局筋は、中国側が馬政権時には自粛していた台湾と外交関係を持つ国(現在23か国)の争奪戦を再開させると予測する。
台湾の総統直接選挙は今回で5回目。民進党は2000年に政権交代を実現させたが、陳水扁政権の2期8年間、中台関係は停滞し、08年に国民党に政権を奪還された。
中国、水面下で国民党支援
馬英九総統の再選を望む中国の胡錦濤政権は、約100万人とされる大陸在住の台商(台湾人ビジネスマン)とその家族に標的を絞り、14日の投票日に合わせての帰省と投票を促すなど、水面下で国民党への支援に出ている。
北京の旅行会社は8日、総統選前後の日程で台湾に行く中国人団体観光客の募集を停止したことを明らかにした。担当者は「総統選挙が原因だ。投票で帰省する台商の乗客を優先する」と説明。当局の意向を受けて、各地で同様の「規制」が取られているという。
台商のうち国民党支持者は6割以上とみられる。台商の全国団体では、中国各地を7地区に分け責任者を指名し航空券の手配を行っている。中国当局は選挙前の期間に100便前後を増便予定で、航空券の価格を4~6割値引きするなど台商の「優先」搭乗に協力している。広東省の台商関係者は「帰省準備作業は順調だ」と述べ、20万人が帰省すると予想。接戦が予想される総統選で国民党にとって「台商票」の重要性は増している。
台商関係者によると、中国当局の関係者が個別に接触し、選挙情勢や帰省状況を尋ねるなどして、「無言の圧力をかけてくることも多い」という。民進党支持の台商は「民進党支持と分かると、当局は商談を持ちかけて取り込もうとする。一度でも断れば、嫌がらせを受ける」と打ち明ける。
中国では、今秋の第18回共産党大会で、胡錦濤総書記から習近平国家副主席への政権移行が予定されており、その前に台湾独立志向の強い民進党が政権を奪還することを恐れている。だが、かつての総統選で投票直前に威嚇する姿勢をみせて台湾住民の強い反発を買った経緯があり、胡政権は、「選挙に介入しない」と表明し、総統選に直接言及することは控えている。 (北京 関泰晴)
2012年秋に、胡錦濤氏から習近平氏に政権が渡る中国共産党は、2012年に台湾を併合する目標を掲げているのだそうですが、馬政権を陰から支えることで政権の傀儡化を進め、無血統合を達成しようとしているのですね。
中国の台湾併合は、目標の2012年に達成されるのか? - 遊爺雑記帳
中国のお得意の札束攻勢は、台湾の財界はもとより、マスコミや大学などにも及んでいるのだそうですが、民進党の地盤の南部の野菜の輸入を増やし支持基盤を崩していることは、報道も少なくなく諸兄がご承知の通りです。
今回の総統選で、民進党・蔡氏は、「台湾経済と中台関係の安定のため、超党派の大連合政府を作る」とし、中国との経済連携も唱えています。もちろん、「一つの中国」は認めず、台湾を「主権独立国家」だとし、馬氏再選なら「台湾の主権」が奪われ、将来は統一の危機にさらされると「台湾人意識」に訴えてもいます。
接戦の状況に、中国は、約100万人とされる大陸在住の台商とその家族の帰国・投票を促す(中国当局の関係者が個別に接触し無言の圧力をかけている)ことまでしているのだそうで、馬政権誕生に貸しを造るべく注力しています。
台湾の方々が、このような圧力のもと、どのような決断をくだされるのか、結果が注目されます。
結果が日本や東アジアの安全保障にも影響があることは、申し上げるまでもないことですね。
Amazon.co.jp: 暴かれた中国の極秘戦略―2012年台湾乗っ取り、そして日本は…?: 袁 紅冰, 黄牛
# 冒頭の画像は、左から馬英九総統(国民党主席)、民進党の蔡英文主席、親民党の宋楚瑜主席
この花は、大文字草 撮影=六甲高山植物園
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