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日本政府は、基幹道路整備など日本が実施している複数のアフリカ開発事業で、中国に参入を呼びかける方針に転換したのだそうです。
北朝鮮の核・ミサイル開発阻止に向けて中国の協力を引き出す狙いと、日中関係改善の基調を安定軌道に乗せたいとの思惑があるのだと。更に、アフリカ諸国が望む早期完成を実現するには、日本だけでは資金や労働力の確保に限界があるとの事情もあるのだそうです。
習近平の「一帯一路」構想は、中国国内経済がバブル崩壊期を迎え、成長が低迷し政府の財政投資で息を繋いでいるている近年の状況の中、国外の開発市場の需要を取り込もうとすると同時に、援助を通じて覇権を拡大しようとするものであることは、諸兄がご承知の通りです。
片や日本も、少子高齢化で人口減が止まらない状況にあり、TPPで成長するアジア太平洋諸国の市場と繋がろうとしています。
その点でもライバル関係にある日中。競い合う面が強いのですが、「一帯一路」の資金源の「AIIB」と、日米が主導する「ADB(アジア開発銀行)」とは、協力関係も持っています。
今回のアフリカでの日本が勧めている開発支援を、中国との協力関係を持ち進めるのは、3つの理由・目的があるのですね。
一つは、北朝鮮の核とミサイルの開発推進に、兵糧攻めを国連で主導して制止しようとしている日米が、中国に北の管理を促していますが、その関係を強化することが目的なのだと。二つ目は、日中関係改善。そして、三つ目が、日本だけの力では、アジア諸国がもとめる早期完成がおぼつかないのも中国との協調に転じた理由。三番目の理由は重要で、インドネシアの高速鉄道での中国との競争で、納期と価格で逆転されたことがありました。
納期は重要な受注条件ですが、日本単独では、資金や労働力の確保に限界がるとなれば、中国にまるごと受注をさらわれるより、共同受注した方が賢いということにはなりますね。
訪中した媚中の二階氏は、「一帯一路」への全面協力かの様な擦り寄り用ですが、「一帯一路」は、中国の覇権拡大の目的があることは頭に入れて、警戒してゆかねばなりません。
ポスト習近平は習近平となった新チャイナセブン体制の中国。付き合い方をどうするかは、2018年の重要外交課題のひとつですね。
# 冒頭の画像は、11月にベトナムで会談した安倍首相と習近平主席
日中首脳会談、習近平はなぜ笑顔だったのか | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
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この花の名前は、イモカタバミ
↓よろしかったら、お願いします。
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北朝鮮の核・ミサイル開発阻止に向けて中国の協力を引き出す狙いと、日中関係改善の基調を安定軌道に乗せたいとの思惑があるのだと。更に、アフリカ諸国が望む早期完成を実現するには、日本だけでは資金や労働力の確保に限界があるとの事情もあるのだそうです。
アフリ力支援 日中協力 日本事業に参入提案 (12/31 読売朝刊 一面)
政府が、基幹道路整備など日本が実施している複数のアフリカ開発事業で、中国に参入を呼びかける方針であることがわかった。外務省幹部によると、日本が資金支援するアフリカの事業で中国に協力を提案するのは初めて。習近平国家主席は、アジアからアフリカにまたがる巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げており、同構想への協調姿勢を示すことで、北朝鮮の核・ミサイル開発阻止に向けた中国の努力を引き出したい考えだ。
日中協力を検討している主な事業は①西アフリカ諸国を基幹道路で結ぶ「成長の齢」計画②ケニアの道路や橋の整備③カメルーンとコンゴ共和国を結ぶ道路「国際回廊」の整備④ルワンダの道路改良整備1の四つ。「成長の環」は、ブルキナファソとコートジボワール、ガーナ、トーゴの3か国を南北につなぐ約32OOキロ・メートルの道路に加え、ナイジェリアからコートジボワールまで5か国を東西に貫く約1000キロ・メートルの道路を一体整備する構想。比較的経済規模の大きいナイジェリアと各国を結び、新たな経済圏を作り出すことが期待されている。日本政府は約315億円の円借款や無償資金協力を決めており、1月にも具体的な整備計画を発表する。
ケニアの交通網整備は、東部の国際貿易拠点モンバサ港の開発支援の一環だ。日本は同港の開発を独占してきたが、港と周辺地域を結ぶ事業費計約590億円の道路・橋整備計画については、中国と役割分担したい考え。③と④は日本が一部で資金を融資し、中国企業に参入を促す。
人口の爆発的増加が見込まれるアフリカは「最後の巨大市場」とされ、中国を含む各国は支援竸争を繰り広げている。日本はこれまで、支援事業の受注を日本企業に限定するなどし、中国に対し積極的に応札を呼びかけることは避けてきた。
方針転換の背景には、経済連携の強化をテコに、北朝鮮問題で中国に踏み込んだ対応を求める狙いがある。国連安全保障理事会は制裁決議で、北朝鮮への石油精製品の輸出を制限したが、北朝鮮は公海上などで船から船へと積み荷を移し替える手法で石油精製品などを密輸入しており、中国の船の関与も指摘されている。
政府が、基幹道路整備など日本が実施している複数のアフリカ開発事業で、中国に参入を呼びかける方針であることがわかった。外務省幹部によると、日本が資金支援するアフリカの事業で中国に協力を提案するのは初めて。習近平国家主席は、アジアからアフリカにまたがる巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げており、同構想への協調姿勢を示すことで、北朝鮮の核・ミサイル開発阻止に向けた中国の努力を引き出したい考えだ。
日中協力を検討している主な事業は①西アフリカ諸国を基幹道路で結ぶ「成長の齢」計画②ケニアの道路や橋の整備③カメルーンとコンゴ共和国を結ぶ道路「国際回廊」の整備④ルワンダの道路改良整備1の四つ。「成長の環」は、ブルキナファソとコートジボワール、ガーナ、トーゴの3か国を南北につなぐ約32OOキロ・メートルの道路に加え、ナイジェリアからコートジボワールまで5か国を東西に貫く約1000キロ・メートルの道路を一体整備する構想。比較的経済規模の大きいナイジェリアと各国を結び、新たな経済圏を作り出すことが期待されている。日本政府は約315億円の円借款や無償資金協力を決めており、1月にも具体的な整備計画を発表する。
ケニアの交通網整備は、東部の国際貿易拠点モンバサ港の開発支援の一環だ。日本は同港の開発を独占してきたが、港と周辺地域を結ぶ事業費計約590億円の道路・橋整備計画については、中国と役割分担したい考え。③と④は日本が一部で資金を融資し、中国企業に参入を促す。
人口の爆発的増加が見込まれるアフリカは「最後の巨大市場」とされ、中国を含む各国は支援竸争を繰り広げている。日本はこれまで、支援事業の受注を日本企業に限定するなどし、中国に対し積極的に応札を呼びかけることは避けてきた。
方針転換の背景には、経済連携の強化をテコに、北朝鮮問題で中国に踏み込んだ対応を求める狙いがある。国連安全保障理事会は制裁決議で、北朝鮮への石油精製品の輸出を制限したが、北朝鮮は公海上などで船から船へと積み荷を移し替える手法で石油精製品などを密輸入しており、中国の船の関与も指摘されている。
アフリカ支援 日中首脳往来 目指す 「一帯一路」に協調姿勢 覇権的動きには警戒感 (12/31 読売朝刊)
日本政府は、アフリカの開発支援で中国との協力にかじを切る方針を固めた。北朝鮮の核・ミサイル開発阻止に向けて中国の協力を引き出す狙いだけでなく、日中関係改善の基調を安定軌道に乗せたいとの思惑もある。
2018年は、日中平和友好条約締結40周年にあたる。17年11月には安倍首相と習近平(シージンピン)国家主席、李克強(リークォーチャン)首相が立て続けに会談するなど、日中関係は改善の兆しが見える。日本政府は、アフリカ支援の方針を軌道修正することで中国との友好ムードを高め、18年中の安倍首相の訪中と、それに続く習氏の来日へとつなげたい考えだ。
日中関係の改善は、18年9月の自民党総裁選で3選を目指す首相にとって、格好のアピール材料となる可能性がある。尖閣諸島周辺の領海では中国公船の侵入がやまず、中国による南シナ海の軍事拠点化を巡っても立場に隔たりがあるなど懸案は残るが、外務省幹部は「習氏肝いりの一帯一路に関わるアフリカでの協力は、日中首脳会談の成果に最適だ」と指摘する。アフリカ諸国が望む早期完成を実現するには、日本だけでは資金や労働力の確保に限界があるとの事情もある。
国連安全保障理事会の常任理事国入りを狙う日本は、「アフリカ開発会議(TICAD)」を主導するなどして独自支援に力を入れてきた。「一帯一路」に関連し、アフリカ支援で中国との協力にかじを切ることには、政府内に慎重論もある。中国はアフリカ北東部のジブチで初の海外軍事拠点を築くなど、インド洋以西でも覇権的な動きを強めており、これに力を貸すことになりかねないためだ。
日本がケニアとモンバサ港の開発で合意した背景には「中国がケニアの港まで取り込むのを、防ぐ狙いもあった」(政府関係者)とされる。このため日本政府は、モンバサ経済特区の開発で中国の協力をあおぐ場合でも、「港湾に関わらせると、我が物顔で中国船を入港させかねない」として、周辺道路の建設などにとどめる方向だ。
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アフリカ開発会議(TICAD)
日本政府主導でアフリカの開発や支援について話し合う国際会議。1993年に始まり、3~5年ごとに6回開催された。次回は2019年に横浜市で開催される。TICADは Tokyo International Conference on African Development の略。
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日本政府は、アフリカの開発支援で中国との協力にかじを切る方針を固めた。北朝鮮の核・ミサイル開発阻止に向けて中国の協力を引き出す狙いだけでなく、日中関係改善の基調を安定軌道に乗せたいとの思惑もある。
2018年は、日中平和友好条約締結40周年にあたる。17年11月には安倍首相と習近平(シージンピン)国家主席、李克強(リークォーチャン)首相が立て続けに会談するなど、日中関係は改善の兆しが見える。日本政府は、アフリカ支援の方針を軌道修正することで中国との友好ムードを高め、18年中の安倍首相の訪中と、それに続く習氏の来日へとつなげたい考えだ。
日中関係の改善は、18年9月の自民党総裁選で3選を目指す首相にとって、格好のアピール材料となる可能性がある。尖閣諸島周辺の領海では中国公船の侵入がやまず、中国による南シナ海の軍事拠点化を巡っても立場に隔たりがあるなど懸案は残るが、外務省幹部は「習氏肝いりの一帯一路に関わるアフリカでの協力は、日中首脳会談の成果に最適だ」と指摘する。アフリカ諸国が望む早期完成を実現するには、日本だけでは資金や労働力の確保に限界があるとの事情もある。
国連安全保障理事会の常任理事国入りを狙う日本は、「アフリカ開発会議(TICAD)」を主導するなどして独自支援に力を入れてきた。「一帯一路」に関連し、アフリカ支援で中国との協力にかじを切ることには、政府内に慎重論もある。中国はアフリカ北東部のジブチで初の海外軍事拠点を築くなど、インド洋以西でも覇権的な動きを強めており、これに力を貸すことになりかねないためだ。
日本がケニアとモンバサ港の開発で合意した背景には「中国がケニアの港まで取り込むのを、防ぐ狙いもあった」(政府関係者)とされる。このため日本政府は、モンバサ経済特区の開発で中国の協力をあおぐ場合でも、「港湾に関わらせると、我が物顔で中国船を入港させかねない」として、周辺道路の建設などにとどめる方向だ。
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アフリカ開発会議(TICAD)
日本政府主導でアフリカの開発や支援について話し合う国際会議。1993年に始まり、3~5年ごとに6回開催された。次回は2019年に横浜市で開催される。TICADは Tokyo International Conference on African Development の略。
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習近平の「一帯一路」構想は、中国国内経済がバブル崩壊期を迎え、成長が低迷し政府の財政投資で息を繋いでいるている近年の状況の中、国外の開発市場の需要を取り込もうとすると同時に、援助を通じて覇権を拡大しようとするものであることは、諸兄がご承知の通りです。
片や日本も、少子高齢化で人口減が止まらない状況にあり、TPPで成長するアジア太平洋諸国の市場と繋がろうとしています。
その点でもライバル関係にある日中。競い合う面が強いのですが、「一帯一路」の資金源の「AIIB」と、日米が主導する「ADB(アジア開発銀行)」とは、協力関係も持っています。
今回のアフリカでの日本が勧めている開発支援を、中国との協力関係を持ち進めるのは、3つの理由・目的があるのですね。
一つは、北朝鮮の核とミサイルの開発推進に、兵糧攻めを国連で主導して制止しようとしている日米が、中国に北の管理を促していますが、その関係を強化することが目的なのだと。二つ目は、日中関係改善。そして、三つ目が、日本だけの力では、アジア諸国がもとめる早期完成がおぼつかないのも中国との協調に転じた理由。三番目の理由は重要で、インドネシアの高速鉄道での中国との競争で、納期と価格で逆転されたことがありました。
納期は重要な受注条件ですが、日本単独では、資金や労働力の確保に限界がるとなれば、中国にまるごと受注をさらわれるより、共同受注した方が賢いということにはなりますね。
訪中した媚中の二階氏は、「一帯一路」への全面協力かの様な擦り寄り用ですが、「一帯一路」は、中国の覇権拡大の目的があることは頭に入れて、警戒してゆかねばなりません。
ポスト習近平は習近平となった新チャイナセブン体制の中国。付き合い方をどうするかは、2018年の重要外交課題のひとつですね。
# 冒頭の画像は、11月にベトナムで会談した安倍首相と習近平主席
日中首脳会談、習近平はなぜ笑顔だったのか | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
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この花の名前は、イモカタバミ
↓よろしかったら、お願いします。
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