遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米軍のCBIRF(特殊兵器事態対処部隊)撤収の訳

2011-04-29 00:06:48 | 東日本大震災
 米国は、放射線などで汚染されたところで活動できる少数精鋭の集団である「CBIRF(特殊兵器事態対処部隊)」を、横田基地に待機させていました。原子炉の冷却に失敗し、放射能物質が広がったときに活動する為に、米国が日本への支援の一環として派遣してくれたものです。
 約一月の待機をへてここで撤収するのは、オバマ政権が、世界に対して日本の原発有事への不安を和らげる動きに出はじめているからなのだとのことです。
 
原発対応の米専門部隊、出番なく撤収する理由  編集委員 秋田浩之 :日本経済新聞

 在日米軍の横田基地に待機している米軍の専門部隊が、まもなく米本土に引き揚げる。その名はCBIRF。放射線の汚染に対処できる「虎の子」の部隊だ。福島第1原子力発電所の事故を受け、4月初めに米国から急派され、出番を待っていた。にもかかわらず、ほぼ1カ月で引き揚げるのはなぜか。そこからは米国の日本への視線の変化がうかがえる。
<中略>

 
4月初め、ゲーツ国防長官はそれでも約150人の派遣に踏み切った。それには理由があった。
 内情に通じた日米関係筋は解説する。「原発危機が長びく雲行きになったため、日本への支援態勢を強めることにした。さらに、CBIRFに経験を積ませる良い機会になるとの思いもあった」

<中略>

 
ところが米軍は一転して、今月中にも部隊を米本土に撤収させる方向という。CBIRFは自衛隊と共同訓練をしたが、まだ福島原発の付近では活動していない。危機の解決のめどがついていないにもかかわらず、出番がないまま部隊を引き揚げるという。
 「日本が原発危機を克服しつつあることを印象づけたい。ワシントンはそう考えたのだろう」。オバマ政権に通じた米国防総省の元幹部はこう説明する。原発が爆発するという最悪の事態は当面、避けられる。米政権はCBIRFを引き揚げることで、こんな印象を国際社会に広めようとしているというわけだ。
 確かに、ここにきて米側は日本の原発有事への不安を和らげる動きに出はじめている。今月下旬にはクリントン国務長官が来日し、日本への全面協力を改めて確約した。その直前には、米国人に出していた東京、横浜などへの渡航延期勧告を解除した。CBIRF撤収もこの流れに沿った動きなのだ。
 日米関係筋は「CBIRFの日本への派遣や撤収はすべて米政府の判断だ。日本政府が働きかけたわけではない」と言い切る。裏返せば、CBIRFの動きは米政府がどこまで危機を深刻に受け止めているのかを示すバロメーターといえる。

■「日本は原発危機を克服しつつある」と国際社会に印象づける狙いも

 では、なぜ今になって国際社会を安心させるようなシグナルを発するのか。ひとつは先月22日から日米実務者による原発対応の協議機関が発足し、日米協力の歯車が回り始めたことが大きい。それまでは米側に十分な情報が入っていなかったこともあり、米政府はいら立ちと危機感を募らせていた。CBIRFの派遣もそんな不安の表れだった。
 もうひとつ、このまま
各国で日本への不信感が広がれば、米国のアジア政策にも影を落としかねない
との判断もある。
 「
中国の軍拡はこれからも続く。ロシアの動きも微妙だ。こうした情勢変化に対応するためにも、同盟国である日本に早く立ち直ってほしい」。米政府内からはこんな声が漏れ始めている。

 CBIRFは、じつは放射性物資で汚染された場所に派遣されるのは、今回が初めてなのだそうで、部隊に経験を積ませたいという目的もあったのだそうですね。原発の深刻な情報がつぎつぎと明らかになり、長期化がはっきりしてくるなか、オバマ政権としては国内の世論を安心させるためにも、あらゆる手段を動員して危機に当たっているとの姿勢を見せる必要があったという派遣理由は、納得しやすい理由です。
 
 FDAと農務省が、福島、茨城、栃木、群馬各県で生産あるいは製造された牛乳製品と野菜に対し検査した結果、どの種目でも放射能の危険は探知されていないという報告を発表したりもしていますね。
 中露の覇権拡大の動きが強まる中で、日本の国力や信頼の低下によるアジアでの勢力バランスの崩れを懸念する、米国の国益によるものでもありますが、各種のひとかどならぬ支援には、感謝しています。

 ただ、FDAの報告で、世界保健機構(WHO)などが「日本で産出される食料の一部は人間による消費に不適切な水準まで放射能の汚染される見通しが強い」との予測を打ち出したことを指摘して、今後日本の食品の輸出が大幅に減る展望を強調している様に、現実は厳しい状況が続いています。
 長期化している福島第一原発の安定化が解決手段であり、解決により世界が注目する原子力安全管理の技術開発にもつながるものでもあり、一日も早く達成されることを願うばかりです。
 解決への工程が示されましたが、障害の壁は高く、現場での作業の進捗に負うところが大きいのですが、作業の人出不足、作業にあたる方々の環境にもっともっと注力が必要と考えます。




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