米国政界は、11月の大統領選に向けまっしぐらといった様相。そこへ、黒人への人種差別騒動の拡大。
そして、「ブラック・ライブス・マター」(黒人の命も大切だ)運動は当初の警察改革から人種差別完全撤廃へ、さらには南北戦争で奴隷制維持のために戦った将軍たちの銅像や記念碑の撤去要求へと、すそ野を広げた。
当初は黒人やリベラル派の白人が運動の中心だったが、その後、非合法な破壊行動に出る白人アナーキストたちの動きが目立ってきた。
トランプ大統領は、こうした動きに「極左ファシズムだ」「左翼文化革命だ」と非難。
いまや、抗議デモを過激化させているのは、黒人ではない。
米各地で繰り広げられている集会やデモに紛れ込み破壊活動を行っている連中はいったい誰なのか。
米国在住のジャーナリスト、高濱賛氏が解説しておられます。
米連邦捜査局(FBI)によると、極右、極左が入り乱れて破壊活動を扇動させており、右も左も共通しているのは米社会を混乱に陥れようとするアナーキストだという点だと、高濱氏。
米国務省が出した重大な見解と高濱氏が紹介しておられるのは以下。
・ロシア軍諜報機関(GRU)が関与している『ロシア帝国主義運動』(Russian Imperial Movement=RIM)が米国の白人至上主義者たちを育成している。
・米政府はRIMを『特別グローバルテロリスト』(Specially Designated Global Terrorist=SDG)に指定した。
非営利機関「ソウファン・センター」がまとめた「特別リポート:ロシア帝国主義運動の内実」によれば、米政府は、RIMに関係するロシア人や団体、企業関係者の米国渡航禁止、米国内にある資産凍結などの措置をすでにとっていると。
RIMの本部は、セントピーターズバーグにある。
RIMは米白人至上主義アナーキスト集団に強い影響力をもっている。
6月26日、ロシアは2019年、アフガニスタンの反政府勢力タリバンと関係のある武装勢力に対し、米軍を主力とする有志連合の兵士殺害に懸賞金(報奨金)を提供する秘密工作を行っていたことが明るみに出たのだそうです。
この情報は今年3月下旬に米国家安全保障会議(NSC)に提出され、トランプ大統領にも報告された。
NSCでは、ロシア政府に抗議することや制裁措置を強化することなどが論議されたが、トランプ氏は一切、何の決定も出さなかったと高濱氏。
ロシアが米国をはじめ西欧民主主義国家を標的に秘密工作をしているのはここ2、3年のことではないと。
米国家安全保障と国際法の専門サイト、「ジャスト・セキュリティ」によれば、「ロシアによる米国はじめ西欧民主主義国家社会に対する混乱工作は、ここ数年活発化している」 「事実関係が判明しても口先うまく関係否認する優れた能力により、ロシアは平然と対米秘密工作を続けている」と。
「その手口は、『愛国的なハッカー』によるサイバー攻撃、インターネットの掲示板やチャットなどによるフェイクニュース発信、正体不明の小数独裁政治家たちが管理する不法な金融オペレーション、そして情報機関による秘密工作だ」
更に、「トランプ大統領はこれらロシアによる秘密工作を裏づける証拠があるにもかかわらず、何ら行動をとらないどころか、その事実すら認めようとしていない」とも。
そして、「国を守るために戦っている米兵を守るという大統領として最も重要な職務の重さを全く理解していない」と。
ニューヨーク・タイムズをはじめ主要メディアが連日のようにロシア軍による秘密工作について報じているのにたまりかねたトランプ大統領は7月1日早朝7時9分、以下の様にツィートしたのだそうです。
「(メディアが引用している)極秘の情報源など実存しない。作り話だ。もし全く信用できないニューヨーク・タイムズが、情報源があると言うのであれば、明かせばいい。新たな偽情報だ!」
「サロン」の記事を書いたルシアン・トルスコット記者は、「ペンタゴンにも、情報機関にも、国務省にも、ホワイトハウスにも、トランプ氏の敵がいるということだ。トランプ氏はその名前を知りたがっているのだ!」と。
高濱氏が、民主、共和両党大統領に仕えた元外交官D氏に、「トランプ氏はなぜ、プーチン大統領に弱腰なんですか」と聞いてみたそうです。
D氏の答えは、「その答えは誰も分からないんじゃないか。今や、それこそが大きな政治問題だ。もっとも2016年の大統領選の時から常に疑問に思っていたことなのだが・・・」
人種差別のデモは、昼の部と夜の略奪の部があり、昼の部は正当な民主主義の権利の主張のデモ。
夜の部の背景は、米国内の混乱を煽る中国の「世論戦」の一部かと素人推測していましたが、ロシアつながりとは。ロシア疑惑は落着したのかと思っていましたが、まだくすぶり続けているのですね。
大統領選最中の米国。ただでさえいろいろあるのに、武漢肺炎感染の拡大と、人種差別に端をはっした国内暴動。目が離せませんね。
この花の名前は、アメリカシャクナゲ
↓よろしかったら、お願いします。
そして、「ブラック・ライブス・マター」(黒人の命も大切だ)運動は当初の警察改革から人種差別完全撤廃へ、さらには南北戦争で奴隷制維持のために戦った将軍たちの銅像や記念碑の撤去要求へと、すそ野を広げた。
当初は黒人やリベラル派の白人が運動の中心だったが、その後、非合法な破壊行動に出る白人アナーキストたちの動きが目立ってきた。
トランプ大統領は、こうした動きに「極左ファシズムだ」「左翼文化革命だ」と非難。
いまや、抗議デモを過激化させているのは、黒人ではない。
米各地で繰り広げられている集会やデモに紛れ込み破壊活動を行っている連中はいったい誰なのか。
米国在住のジャーナリスト、高濱賛氏が解説しておられます。
人種差別撤廃運動に乗じ暴動起こす扇動者の正体 ロシアの関与明確でも嘘と決めつけるトランプ大統領 | JBpress(Japan Business Press) 2020.7.8(水) 高濱 賛
マウントラシュモア演説ショー不発
7月4日の米独立記念日。
本来なら米大統領は全国民の対し、「心を一つにして合衆国誕生を祝おうではないか」と呼びかける日だ。
ところがドナルド・トランプ大統領は、サウスダコタ州のマウントラシュモア国立公園*1で行った演説で、国民の団結を呼びかけるどころが、分裂する国論の溝をさらに広げてしまった。
*1=ジョージ・ワシントン初代、トーマス・ジェファーソン第3代、エイブラハム・リンカーン第6代、セオドア・ルーズベルト第26代各大統領の顔が岩山に刻まれている。著名な彫刻家、ガトソン・ボーグラムの作。4人の大統領を選んだのは「米史上で最も重要な仕事をした大統領」だからだという。
「ブラック・ライブス・マター」(黒人の命も大切だ)運動は当初の警察改革から人種差別完全撤廃へ、さらには南北戦争で奴隷制維持のために戦った将軍たちの銅像や記念碑の撤去要求へと、すそ野を広げた。
当初は黒人やリベラル派の白人が運動の中心だったが、その後、非合法な破壊行動に出る白人アナーキストたちの動きが目立ってきた。
トランプ大統領は、こうした動きに「極左ファシズムだ」「左翼文化革命だ」と非難した。過激な破壊活動を武力で鎮圧することをちらつかせ、対決姿勢を露わにした。
<中略>
「ロシア帝国主義運動」の存在明るみに
「ブラック・ライブズ・マター」運動に乗じて、南部の将軍だけでなく、当時奴隷を所有していたジョージ・ワシントン初代大統領の記念碑から、奴隷を膝まづかせているリンカーン第16代大統領の銅像まで引きずり降ろそうとする動きが目立っている。
抗議デモを過激化させているのは、黒人ではない。
米各地で繰り広げられている集会やデモに紛れ込み破壊活動を行っている連中はいったい誰なのか。
米連邦捜査局(FBI)によると、極右、極左が入り乱れて破壊活動を扇動させており、右も左も共通しているのは米社会を混乱に陥れようとするアナーキストだという点だ。
トランプ氏はその連中を「極左ファシスト」と断定している。
かっての中国の文化大革命のことが頭にあるのか、「左翼文化革命だ」とまで言い切っている。
果たして極左ファシストの仕業なのか
米国務省がさる4月、以下のような重大な見解を出していることが明らかになっている。
「ロシア軍諜報機関(GRU)が関与している『ロシア帝国主義運動』(Russian Imperial Movement=RIM)が米国の白人至上主義者たちを育成していることが判明した」
「米政府はRIMを『特別グローバルテロリスト』(Specially Designated Global Terrorist=SDG)に指定した」
非営利機関「ソウファン・センター」がまとめた「特別リポート:ロシア帝国主義運動の内実」(Inside the Russian Imperial Movement: Practical Inplications of U.S. Sanctions)が国務省の決定の経緯について詳細に記録している。
米国務省はさる4月にRIMを米国の国家安全を脅かす「特別グローバルテロリスト」(Specially Designated Global Terrorist=SDG)に指定した。
これまでに国務省からSDGTに指定されたテロリスト集団には、IS(イスラム国)、アルカイダなどがある。
これを受けて、米政府は、RIMに関係するロシア人や団体、企業関係者の米国渡航禁止、米国内にある資産凍結などの措置をすでにとっている。
「ソウファン・センター」報告書によれば、RIMの本部は、セントピーターズバーグにある。
RIMは米白人至上主義アナーキスト集団「ザ・ベース」(The Base)、「アトムワワアフェン・ディビジョン」(Atomwaffen Division=AWD)、「アンゾフ・バタリアン」(Anzov Battalion)などに強い影響力をもっているとされる。
セントピーターズバーグには米国籍のリナルド・ナザロ(別名ノーマン・スピアー)という人物が「常駐」し、米国から送り込まれてくるアナーキストと破壊活動戦略や具体的な戦術を教えるロシア軍諜報機関員との仲介役をやっているという。
(https://thesoufancenter.org/research/inside-the-russian-imperial-movement-practical-implications-of-u-s-sanctions/)
国務省は4月の段階でRIMを特別グローバルテロリストに指定しているにもかかわらず、トランプ大統領がこれに言及したことはない。
米兵殺害懸賞金、1人10万ドル
6月26日、ロシアは2019年、アフガニスタンの反政府勢力タリバンと関係のある武装勢力に対し、米軍を主力とする有志連合の兵士殺害に懸賞金(報奨金)*3を提供する秘密工作を行っていたことが明るみに出た。
*3=米情報機関が入手した情報では懸賞金は米兵1人当たり10万ドルがかけられていたという。
(https://www.nytimes.com/2020/07/01/world/asia/afghan-russia-bounty-middleman.html)
2019年、アフガニスタンでの戦闘で死亡した米兵は20人。このうち何人がアフガンの武力勢力に懸賞金の対象として殺害されたか不明だ。
ニューヨーク・タイムズが特報し、その後ワシントン・ポストやAP通信なども報じた。
ともにトランプ政権内部の情報機関や国家安全保障担当者(複数)がニュース源だ。
秘密工作をやっていたのはロシア軍の軍情報機関GRUに属する「29155部隊」とされる(それが前述のRIMとの関係などは明らかにされていない)。
この情報は今年3月下旬に米国家安全保障会議(NSC)に提出され、トランプ大統領にも報告された。
NSCでは、ロシア政府に抗議することや制裁措置を強化することなどが論議されたが、トランプ氏は一切、何の決定も出さなかったという。
その後、オンライン・メディアの「サロン」はより詳細な経緯を以下のように報じている。
一、米情報機関員とアフガニスタンに駐留する米軍特殊作戦部隊員は2019年1月、組織の上層部にロシア軍による秘密工作について警告を発していた。
一、この情報は2月にトランプ大統領に報告書として提出された。ジョン・ボルトン補佐官(国家安全保障担当=当時)はこのことについて同年3月に大統領に報告したことを同僚に明かしていた。
一、ところがトランプ氏はこの点についてウラジミール・プーチン大統領に話したことはなく、電話でも何事もなかったように振舞っていた。しかも、G7(先進国首脳会議)にプーチン氏を招聘する案を示していた。
一、トランプ氏は6月中旬から7月初旬の間にプーチン氏と3回電話会談をしていた。両者は2019年12月29日、今年3月30日、5月17日、6月1日と4回会談しているほか、4月9日、10日、12日の3回、秘密裏に電話で話し合っていた。
ところがトランプ氏はアフガニスタンにおけるロシア軍の秘密工作については一切言及していなかった。
(https://www.alternet.org/2020/07/trumps-a-traitor-and-the-russian-bounty-scandal-is-the-final-straw/)
サイバー攻撃、金融オペレーション
米兵殺害工作、社会混乱工作
ロシアが米国をはじめ西欧民主主義国家を標的に秘密工作をしているのはここ2、3年のことではない。
米国家安全保障と国際法の専門サイト、「ジャスト・セキュリティ」(Justsecurity.org)は、アフガニスタン駐留の米兵を狙うロシア軍の秘密工作は氷山の一角にすぎないとして、こう指摘している。
「ロシアによる米国はじめ西欧民主主義国家社会に対する混乱工作は、ここ数年活発化している」
「事実関係が判明しても口先うまく関係否認する優れた能力により、ロシアは平然と対米秘密工作を続けている」
「その手口は、『愛国的なハッカー』によるサイバー攻撃、インターネットの掲示板やチャットなどによるフェイクニュース発信、正体不明の小数独裁政治家たちが管理する不法な金融オペレーション、そして情報機関による秘密工作だ」
「トランプ大統領はこれらロシアによる秘密工作を裏づける証拠があるにもかかわらず、何ら行動をとらないどころか、その事実すら認めようとしていない」
「アフガニスタンでは米兵が懸賞金目当てに殺害されているのに、全軍最高司令官であるトランプ氏は米兵の命にはあまり関心がなさそうだ」
「国を守るために戦っている米兵を守るという大統領として最も重要な職務の重さを全く理解していない」
(https://www.justsecurity.org/71213/why-is-trump-turning-a-blind-eye-to-russias-covert-warfare/)
ニューヨーク・タイムズをはじめ主要メディアが連日のようにロシア軍による秘密工作について報じているのにたまりかねたトランプ大統領は7月1日早朝7時9分、こうツィートした。
「ロシアによる懸賞金の話は、新たなフィイク・ニュースが流している作り話だ。私と共和党にダメージを与えることを狙ったフィイク・ニュースにすぎない」
「(メディアが引用している)極秘の情報源など実存しない。作り話だ。もし全く信用できないニューヨーク・タイムズが、情報源があると言うのであれば、明かせばいい。新たな偽情報だ!」
一国の大統領がこれほど明確にメディアが「真実」として報じている内容をこれほど明解に否定しているにもかかわらず、米国民の大半(と思われる)が「事実」だと信じている現実。
それが今の米国だ。
前述の「サロン」の記事を書いたルシアン・トルスコット記者は、読者にこう語りかけている。
「米国民の皆さん、大統領がこれほど否定しているにもかかわらず、我々メディアが報じ続けるのはなぜか」
「それはペンタゴンにも、情報機関にも、国務省にも、ホワイトハウスにも、トランプ氏の敵がいるということだ。トランプ氏はその名前を知りたがっているのだ!」
筆者は民主、共和両党大統領に仕えた元外交官D氏にこう聞いてみた。
「トランプ氏はなぜ、プーチン大統領に弱腰なんですか」
D氏の答えを一字一句正確に書いておく。
「その答えは誰も分からないんじゃないか。今や、それこそが大きな政治問題だ。もっとも2016年の大統領選の時から常に疑問に思っていたことなのだが・・・」
「ひとたび、トランプ大統領とその政権が歴史のごみ箱に捨てられた瞬間から、トランプ政権内にいようと在野にいようと関係なく、米国中の外交専門家たちが先を争って、その疑問の解明に取り組むだろうね」
マウントラシュモア演説ショー不発
7月4日の米独立記念日。
本来なら米大統領は全国民の対し、「心を一つにして合衆国誕生を祝おうではないか」と呼びかける日だ。
ところがドナルド・トランプ大統領は、サウスダコタ州のマウントラシュモア国立公園*1で行った演説で、国民の団結を呼びかけるどころが、分裂する国論の溝をさらに広げてしまった。
*1=ジョージ・ワシントン初代、トーマス・ジェファーソン第3代、エイブラハム・リンカーン第6代、セオドア・ルーズベルト第26代各大統領の顔が岩山に刻まれている。著名な彫刻家、ガトソン・ボーグラムの作。4人の大統領を選んだのは「米史上で最も重要な仕事をした大統領」だからだという。
「ブラック・ライブス・マター」(黒人の命も大切だ)運動は当初の警察改革から人種差別完全撤廃へ、さらには南北戦争で奴隷制維持のために戦った将軍たちの銅像や記念碑の撤去要求へと、すそ野を広げた。
当初は黒人やリベラル派の白人が運動の中心だったが、その後、非合法な破壊行動に出る白人アナーキストたちの動きが目立ってきた。
トランプ大統領は、こうした動きに「極左ファシズムだ」「左翼文化革命だ」と非難した。過激な破壊活動を武力で鎮圧することをちらつかせ、対決姿勢を露わにした。
<中略>
「ロシア帝国主義運動」の存在明るみに
「ブラック・ライブズ・マター」運動に乗じて、南部の将軍だけでなく、当時奴隷を所有していたジョージ・ワシントン初代大統領の記念碑から、奴隷を膝まづかせているリンカーン第16代大統領の銅像まで引きずり降ろそうとする動きが目立っている。
抗議デモを過激化させているのは、黒人ではない。
米各地で繰り広げられている集会やデモに紛れ込み破壊活動を行っている連中はいったい誰なのか。
米連邦捜査局(FBI)によると、極右、極左が入り乱れて破壊活動を扇動させており、右も左も共通しているのは米社会を混乱に陥れようとするアナーキストだという点だ。
トランプ氏はその連中を「極左ファシスト」と断定している。
かっての中国の文化大革命のことが頭にあるのか、「左翼文化革命だ」とまで言い切っている。
果たして極左ファシストの仕業なのか
米国務省がさる4月、以下のような重大な見解を出していることが明らかになっている。
「ロシア軍諜報機関(GRU)が関与している『ロシア帝国主義運動』(Russian Imperial Movement=RIM)が米国の白人至上主義者たちを育成していることが判明した」
「米政府はRIMを『特別グローバルテロリスト』(Specially Designated Global Terrorist=SDG)に指定した」
非営利機関「ソウファン・センター」がまとめた「特別リポート:ロシア帝国主義運動の内実」(Inside the Russian Imperial Movement: Practical Inplications of U.S. Sanctions)が国務省の決定の経緯について詳細に記録している。
米国務省はさる4月にRIMを米国の国家安全を脅かす「特別グローバルテロリスト」(Specially Designated Global Terrorist=SDG)に指定した。
これまでに国務省からSDGTに指定されたテロリスト集団には、IS(イスラム国)、アルカイダなどがある。
これを受けて、米政府は、RIMに関係するロシア人や団体、企業関係者の米国渡航禁止、米国内にある資産凍結などの措置をすでにとっている。
「ソウファン・センター」報告書によれば、RIMの本部は、セントピーターズバーグにある。
RIMは米白人至上主義アナーキスト集団「ザ・ベース」(The Base)、「アトムワワアフェン・ディビジョン」(Atomwaffen Division=AWD)、「アンゾフ・バタリアン」(Anzov Battalion)などに強い影響力をもっているとされる。
セントピーターズバーグには米国籍のリナルド・ナザロ(別名ノーマン・スピアー)という人物が「常駐」し、米国から送り込まれてくるアナーキストと破壊活動戦略や具体的な戦術を教えるロシア軍諜報機関員との仲介役をやっているという。
(https://thesoufancenter.org/research/inside-the-russian-imperial-movement-practical-implications-of-u-s-sanctions/)
国務省は4月の段階でRIMを特別グローバルテロリストに指定しているにもかかわらず、トランプ大統領がこれに言及したことはない。
米兵殺害懸賞金、1人10万ドル
6月26日、ロシアは2019年、アフガニスタンの反政府勢力タリバンと関係のある武装勢力に対し、米軍を主力とする有志連合の兵士殺害に懸賞金(報奨金)*3を提供する秘密工作を行っていたことが明るみに出た。
*3=米情報機関が入手した情報では懸賞金は米兵1人当たり10万ドルがかけられていたという。
(https://www.nytimes.com/2020/07/01/world/asia/afghan-russia-bounty-middleman.html)
2019年、アフガニスタンでの戦闘で死亡した米兵は20人。このうち何人がアフガンの武力勢力に懸賞金の対象として殺害されたか不明だ。
ニューヨーク・タイムズが特報し、その後ワシントン・ポストやAP通信なども報じた。
ともにトランプ政権内部の情報機関や国家安全保障担当者(複数)がニュース源だ。
秘密工作をやっていたのはロシア軍の軍情報機関GRUに属する「29155部隊」とされる(それが前述のRIMとの関係などは明らかにされていない)。
この情報は今年3月下旬に米国家安全保障会議(NSC)に提出され、トランプ大統領にも報告された。
NSCでは、ロシア政府に抗議することや制裁措置を強化することなどが論議されたが、トランプ氏は一切、何の決定も出さなかったという。
その後、オンライン・メディアの「サロン」はより詳細な経緯を以下のように報じている。
一、米情報機関員とアフガニスタンに駐留する米軍特殊作戦部隊員は2019年1月、組織の上層部にロシア軍による秘密工作について警告を発していた。
一、この情報は2月にトランプ大統領に報告書として提出された。ジョン・ボルトン補佐官(国家安全保障担当=当時)はこのことについて同年3月に大統領に報告したことを同僚に明かしていた。
一、ところがトランプ氏はこの点についてウラジミール・プーチン大統領に話したことはなく、電話でも何事もなかったように振舞っていた。しかも、G7(先進国首脳会議)にプーチン氏を招聘する案を示していた。
一、トランプ氏は6月中旬から7月初旬の間にプーチン氏と3回電話会談をしていた。両者は2019年12月29日、今年3月30日、5月17日、6月1日と4回会談しているほか、4月9日、10日、12日の3回、秘密裏に電話で話し合っていた。
ところがトランプ氏はアフガニスタンにおけるロシア軍の秘密工作については一切言及していなかった。
(https://www.alternet.org/2020/07/trumps-a-traitor-and-the-russian-bounty-scandal-is-the-final-straw/)
サイバー攻撃、金融オペレーション
米兵殺害工作、社会混乱工作
ロシアが米国をはじめ西欧民主主義国家を標的に秘密工作をしているのはここ2、3年のことではない。
米国家安全保障と国際法の専門サイト、「ジャスト・セキュリティ」(Justsecurity.org)は、アフガニスタン駐留の米兵を狙うロシア軍の秘密工作は氷山の一角にすぎないとして、こう指摘している。
「ロシアによる米国はじめ西欧民主主義国家社会に対する混乱工作は、ここ数年活発化している」
「事実関係が判明しても口先うまく関係否認する優れた能力により、ロシアは平然と対米秘密工作を続けている」
「その手口は、『愛国的なハッカー』によるサイバー攻撃、インターネットの掲示板やチャットなどによるフェイクニュース発信、正体不明の小数独裁政治家たちが管理する不法な金融オペレーション、そして情報機関による秘密工作だ」
「トランプ大統領はこれらロシアによる秘密工作を裏づける証拠があるにもかかわらず、何ら行動をとらないどころか、その事実すら認めようとしていない」
「アフガニスタンでは米兵が懸賞金目当てに殺害されているのに、全軍最高司令官であるトランプ氏は米兵の命にはあまり関心がなさそうだ」
「国を守るために戦っている米兵を守るという大統領として最も重要な職務の重さを全く理解していない」
(https://www.justsecurity.org/71213/why-is-trump-turning-a-blind-eye-to-russias-covert-warfare/)
ニューヨーク・タイムズをはじめ主要メディアが連日のようにロシア軍による秘密工作について報じているのにたまりかねたトランプ大統領は7月1日早朝7時9分、こうツィートした。
「ロシアによる懸賞金の話は、新たなフィイク・ニュースが流している作り話だ。私と共和党にダメージを与えることを狙ったフィイク・ニュースにすぎない」
「(メディアが引用している)極秘の情報源など実存しない。作り話だ。もし全く信用できないニューヨーク・タイムズが、情報源があると言うのであれば、明かせばいい。新たな偽情報だ!」
一国の大統領がこれほど明確にメディアが「真実」として報じている内容をこれほど明解に否定しているにもかかわらず、米国民の大半(と思われる)が「事実」だと信じている現実。
それが今の米国だ。
前述の「サロン」の記事を書いたルシアン・トルスコット記者は、読者にこう語りかけている。
「米国民の皆さん、大統領がこれほど否定しているにもかかわらず、我々メディアが報じ続けるのはなぜか」
「それはペンタゴンにも、情報機関にも、国務省にも、ホワイトハウスにも、トランプ氏の敵がいるということだ。トランプ氏はその名前を知りたがっているのだ!」
筆者は民主、共和両党大統領に仕えた元外交官D氏にこう聞いてみた。
「トランプ氏はなぜ、プーチン大統領に弱腰なんですか」
D氏の答えを一字一句正確に書いておく。
「その答えは誰も分からないんじゃないか。今や、それこそが大きな政治問題だ。もっとも2016年の大統領選の時から常に疑問に思っていたことなのだが・・・」
「ひとたび、トランプ大統領とその政権が歴史のごみ箱に捨てられた瞬間から、トランプ政権内にいようと在野にいようと関係なく、米国中の外交専門家たちが先を争って、その疑問の解明に取り組むだろうね」
米連邦捜査局(FBI)によると、極右、極左が入り乱れて破壊活動を扇動させており、右も左も共通しているのは米社会を混乱に陥れようとするアナーキストだという点だと、高濱氏。
米国務省が出した重大な見解と高濱氏が紹介しておられるのは以下。
・ロシア軍諜報機関(GRU)が関与している『ロシア帝国主義運動』(Russian Imperial Movement=RIM)が米国の白人至上主義者たちを育成している。
・米政府はRIMを『特別グローバルテロリスト』(Specially Designated Global Terrorist=SDG)に指定した。
非営利機関「ソウファン・センター」がまとめた「特別リポート:ロシア帝国主義運動の内実」によれば、米政府は、RIMに関係するロシア人や団体、企業関係者の米国渡航禁止、米国内にある資産凍結などの措置をすでにとっていると。
RIMの本部は、セントピーターズバーグにある。
RIMは米白人至上主義アナーキスト集団に強い影響力をもっている。
6月26日、ロシアは2019年、アフガニスタンの反政府勢力タリバンと関係のある武装勢力に対し、米軍を主力とする有志連合の兵士殺害に懸賞金(報奨金)を提供する秘密工作を行っていたことが明るみに出たのだそうです。
この情報は今年3月下旬に米国家安全保障会議(NSC)に提出され、トランプ大統領にも報告された。
NSCでは、ロシア政府に抗議することや制裁措置を強化することなどが論議されたが、トランプ氏は一切、何の決定も出さなかったと高濱氏。
ロシアが米国をはじめ西欧民主主義国家を標的に秘密工作をしているのはここ2、3年のことではないと。
米国家安全保障と国際法の専門サイト、「ジャスト・セキュリティ」によれば、「ロシアによる米国はじめ西欧民主主義国家社会に対する混乱工作は、ここ数年活発化している」 「事実関係が判明しても口先うまく関係否認する優れた能力により、ロシアは平然と対米秘密工作を続けている」と。
「その手口は、『愛国的なハッカー』によるサイバー攻撃、インターネットの掲示板やチャットなどによるフェイクニュース発信、正体不明の小数独裁政治家たちが管理する不法な金融オペレーション、そして情報機関による秘密工作だ」
更に、「トランプ大統領はこれらロシアによる秘密工作を裏づける証拠があるにもかかわらず、何ら行動をとらないどころか、その事実すら認めようとしていない」とも。
そして、「国を守るために戦っている米兵を守るという大統領として最も重要な職務の重さを全く理解していない」と。
ニューヨーク・タイムズをはじめ主要メディアが連日のようにロシア軍による秘密工作について報じているのにたまりかねたトランプ大統領は7月1日早朝7時9分、以下の様にツィートしたのだそうです。
「(メディアが引用している)極秘の情報源など実存しない。作り話だ。もし全く信用できないニューヨーク・タイムズが、情報源があると言うのであれば、明かせばいい。新たな偽情報だ!」
「サロン」の記事を書いたルシアン・トルスコット記者は、「ペンタゴンにも、情報機関にも、国務省にも、ホワイトハウスにも、トランプ氏の敵がいるということだ。トランプ氏はその名前を知りたがっているのだ!」と。
高濱氏が、民主、共和両党大統領に仕えた元外交官D氏に、「トランプ氏はなぜ、プーチン大統領に弱腰なんですか」と聞いてみたそうです。
D氏の答えは、「その答えは誰も分からないんじゃないか。今や、それこそが大きな政治問題だ。もっとも2016年の大統領選の時から常に疑問に思っていたことなのだが・・・」
人種差別のデモは、昼の部と夜の略奪の部があり、昼の部は正当な民主主義の権利の主張のデモ。
夜の部の背景は、米国内の混乱を煽る中国の「世論戦」の一部かと素人推測していましたが、ロシアつながりとは。ロシア疑惑は落着したのかと思っていましたが、まだくすぶり続けているのですね。
大統領選最中の米国。ただでさえいろいろあるのに、武漢肺炎感染の拡大と、人種差別に端をはっした国内暴動。目が離せませんね。
この花の名前は、アメリカシャクナゲ
↓よろしかったら、お願いします。