今、中国のSNS上で、今回の全国人民代表大会(全人代)で退任する李克強首相に関する動画や映像がたくさん出回っていて、しかもその内容は、好意的なものが殆どだと、峯村氏。
一部日本メディアが指摘する、「習近平 VS 李克強」といった権力闘争観が不正確で、習近平を批判したのではなく、自国の行く末を案じて部下たちを激励してねぎらった言葉だったと!
注目を集めているのが、全人代開幕前の 2日に、李克強氏が自ら率いた国務院弁公室の政府幹部ら約800人を前に訴えた最後の演説。
「人がしている事は天がしっかり見ている 蒼天には目があるからだ(中国語で『蒼天有眼』)」
一部では、このセリフが「習近平国家主席を批判する隠語」といった分析がなされている。しかし、この見方には同意しないと、峯村氏。
李克強氏が使った「蒼天有眼」は、一般的に「悪い結果を予期していたのに、天のおかげで良い結果になった」という意味で使われている。「習氏を批判」という論調は当てはまらないと。
真意について、部下として李克強氏に仕えたことのある中国政府関係者は、
「特定の人物を批判したのではなく、わが国の行く末を案じて部下たちを激励してねぎらった言葉だ。本人は引退することを喜んでおり、余生は学問に没頭したいようだ」
と語ったと。
この言葉を裏付けるようなシーンが、李克強氏の最後の仕事となる演説をした 5日の全人代開幕式で垣間見られたと峯村氏。
式が終わると、習氏はすっと立ち上がり、隣にいた李克強氏と固く握手を交わしていた。政策や路線の違いはあったにしても、新型コロナや米中貿易戦争などの難題に対処した同志へのねぎらいだったのだろうと。
一部日本メディアが指摘する、「習近平 VS 李克強」といった権力闘争観が不正確であったことが改めて裏付けられた象徴的なシーンともいえると、峯村氏。
では、李克強氏は何を案じているのか。前述の中国政府関係者は、
「経済成長が鈍化して失業率が上がるなか、後任がしっかりと対処できるかどうか心配しているのだと思う」と。
後任の李強氏は、早くから党幹部のための育成教育を受け経済学の博士号を持つ李克強氏と比べると、経験や能力は明らかに見劣りしていると、峯村氏。
鄧小平の流れを継ぐ李克強氏と、習近平の部下だったという縁での登用の李強氏の違い?
まして、セロコロナ政策で疲弊しきった中国の立て直しといった難局に直面。
「白紙デモ」といった、「天安門事件」の再来を招きかねない人民に溜まる不満。
「3期目」の習政権のかじ取りに対して、「蒼天」がどのような判断を下すのか。そう遠くない時期に結論が出るかもしれないと、峯村氏。
それは、天安門事件の再発なのか、人民の矛先をそらす「台湾侵攻」なのか、排除した共青団派の民間企業の発展力を活かす改革開放経済への方向修正なのか。
改革開放経済で今日のGDP世界第 2位への発展をもたらした、鄧小平の流れを継ぐ共青団派の復活は無いのか?
どのような結論にいたるのでしょう?
# 冒頭の画像は、握手した習近平と李克強
この花の名前は、フッキソウ
↓よろしかったら、お願いします。
遊爺さんの写真素材 - PIXTA
一部日本メディアが指摘する、「習近平 VS 李克強」といった権力闘争観が不正確で、習近平を批判したのではなく、自国の行く末を案じて部下たちを激励してねぎらった言葉だったと!
【ニュース裏表 峯村健司】波紋を呼ぶ李克強首相の最後の演説 政府幹部を前に「蒼天有眼」 習近平国家主席への批判ではなく「わが国の行く末を案じて部下たちを激励」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト キヤノングローバル戦略研究所主任研究員、青山学院大学客員教授・峯村健司 2023.3/11
今、中国のSNS上で、今回の全国人民代表大会(全人代)で退任する李克強首相に関する動画や映像がたくさん出回っている。農村で村人たちの訴えに耳を傾ける写真や流暢(りゅうちょう)な英語で演説する映像など、好意的なものがほとんどだ。
まもなく退く幹部がここまで話題になるのは極めて珍しい。中でも注目を集めているのが、全人代開幕前の2日に、李克強氏が自ら率いた国務院弁公室の政府幹部ら約800人を前に訴えた最後の演説だ。
「人がしている事は天がしっかり見ている 蒼天には目があるからだ(中国語で『蒼天有眼』)」
国営メディアは放送していないが、参加者がスマホで撮影した複数の動画が拡散されている。筆者は参加した人物から演説を撮影した映像を入手して分析した。一部では、このセリフが「習近平国家主席を批判する隠語」といった分析がなされている。
しかし、筆者はこの見方には同意しない。
確かに、李克強氏が使った「蒼天有眼」は日本語で「お天道様が見ている」に近い意味がある。ただ、一般的に「悪い結果を予期していたのに、天のおかげで良い結果になった」という意味で使われている。「習氏を批判」という論調は当てはまらないだろう。その真意について、部下として李克強氏に仕えたことのある中国政府関係者に尋ねた。
「特定の人物を批判したのではなく、わが国の行く末を案じて部下たちを激励してねぎらった言葉だ。本人は引退することを喜んでおり、余生は学問に没頭したいようだ」
この言葉を裏付けるようなシーンが、李克強氏の最後の仕事となる演説をした5日の全人代開幕式で垣間見られた。式が終わると、習氏はすっと立ち上がり、隣にいた李克強氏と固く握手を交わしていた。政策や路線の違いはあったにしても、新型コロナや米中貿易戦争などの難題に対処した同志へのねぎらいだったのだろう。
一部日本メディアが指摘する、「習近平vs李克強」といった権力闘争観が不正確であったことが改めて裏付けられた象徴的なシーンともいえる。
では、李克強氏は何を案じているのだろうか。先の中国政府関係者は続ける。
「経済成長が鈍化して失業率が上がるなか、後任がしっかりと対処できるかどうか心配しているのだと思う」
後任の李強氏は、早くから党幹部のための育成教育を受け経済学の博士号を持つ李克強氏と比べると、経験や能力は明らかに見劣りしている。他の幹部にも経済通は見当たらない。「3期目」の習政権のかじ取りに対して、「蒼天」がどのような判断を下すのか。そう遠くない時期に結論が出るかもしれない。
今、中国のSNS上で、今回の全国人民代表大会(全人代)で退任する李克強首相に関する動画や映像がたくさん出回っている。農村で村人たちの訴えに耳を傾ける写真や流暢(りゅうちょう)な英語で演説する映像など、好意的なものがほとんどだ。
まもなく退く幹部がここまで話題になるのは極めて珍しい。中でも注目を集めているのが、全人代開幕前の2日に、李克強氏が自ら率いた国務院弁公室の政府幹部ら約800人を前に訴えた最後の演説だ。
「人がしている事は天がしっかり見ている 蒼天には目があるからだ(中国語で『蒼天有眼』)」
国営メディアは放送していないが、参加者がスマホで撮影した複数の動画が拡散されている。筆者は参加した人物から演説を撮影した映像を入手して分析した。一部では、このセリフが「習近平国家主席を批判する隠語」といった分析がなされている。
しかし、筆者はこの見方には同意しない。
確かに、李克強氏が使った「蒼天有眼」は日本語で「お天道様が見ている」に近い意味がある。ただ、一般的に「悪い結果を予期していたのに、天のおかげで良い結果になった」という意味で使われている。「習氏を批判」という論調は当てはまらないだろう。その真意について、部下として李克強氏に仕えたことのある中国政府関係者に尋ねた。
「特定の人物を批判したのではなく、わが国の行く末を案じて部下たちを激励してねぎらった言葉だ。本人は引退することを喜んでおり、余生は学問に没頭したいようだ」
この言葉を裏付けるようなシーンが、李克強氏の最後の仕事となる演説をした5日の全人代開幕式で垣間見られた。式が終わると、習氏はすっと立ち上がり、隣にいた李克強氏と固く握手を交わしていた。政策や路線の違いはあったにしても、新型コロナや米中貿易戦争などの難題に対処した同志へのねぎらいだったのだろう。
一部日本メディアが指摘する、「習近平vs李克強」といった権力闘争観が不正確であったことが改めて裏付けられた象徴的なシーンともいえる。
では、李克強氏は何を案じているのだろうか。先の中国政府関係者は続ける。
「経済成長が鈍化して失業率が上がるなか、後任がしっかりと対処できるかどうか心配しているのだと思う」
後任の李強氏は、早くから党幹部のための育成教育を受け経済学の博士号を持つ李克強氏と比べると、経験や能力は明らかに見劣りしている。他の幹部にも経済通は見当たらない。「3期目」の習政権のかじ取りに対して、「蒼天」がどのような判断を下すのか。そう遠くない時期に結論が出るかもしれない。
注目を集めているのが、全人代開幕前の 2日に、李克強氏が自ら率いた国務院弁公室の政府幹部ら約800人を前に訴えた最後の演説。
「人がしている事は天がしっかり見ている 蒼天には目があるからだ(中国語で『蒼天有眼』)」
一部では、このセリフが「習近平国家主席を批判する隠語」といった分析がなされている。しかし、この見方には同意しないと、峯村氏。
李克強氏が使った「蒼天有眼」は、一般的に「悪い結果を予期していたのに、天のおかげで良い結果になった」という意味で使われている。「習氏を批判」という論調は当てはまらないと。
真意について、部下として李克強氏に仕えたことのある中国政府関係者は、
「特定の人物を批判したのではなく、わが国の行く末を案じて部下たちを激励してねぎらった言葉だ。本人は引退することを喜んでおり、余生は学問に没頭したいようだ」
と語ったと。
この言葉を裏付けるようなシーンが、李克強氏の最後の仕事となる演説をした 5日の全人代開幕式で垣間見られたと峯村氏。
式が終わると、習氏はすっと立ち上がり、隣にいた李克強氏と固く握手を交わしていた。政策や路線の違いはあったにしても、新型コロナや米中貿易戦争などの難題に対処した同志へのねぎらいだったのだろうと。
一部日本メディアが指摘する、「習近平 VS 李克強」といった権力闘争観が不正確であったことが改めて裏付けられた象徴的なシーンともいえると、峯村氏。
では、李克強氏は何を案じているのか。前述の中国政府関係者は、
「経済成長が鈍化して失業率が上がるなか、後任がしっかりと対処できるかどうか心配しているのだと思う」と。
後任の李強氏は、早くから党幹部のための育成教育を受け経済学の博士号を持つ李克強氏と比べると、経験や能力は明らかに見劣りしていると、峯村氏。
鄧小平の流れを継ぐ李克強氏と、習近平の部下だったという縁での登用の李強氏の違い?
まして、セロコロナ政策で疲弊しきった中国の立て直しといった難局に直面。
「白紙デモ」といった、「天安門事件」の再来を招きかねない人民に溜まる不満。
「3期目」の習政権のかじ取りに対して、「蒼天」がどのような判断を下すのか。そう遠くない時期に結論が出るかもしれないと、峯村氏。
それは、天安門事件の再発なのか、人民の矛先をそらす「台湾侵攻」なのか、排除した共青団派の民間企業の発展力を活かす改革開放経済への方向修正なのか。
改革開放経済で今日のGDP世界第 2位への発展をもたらした、鄧小平の流れを継ぐ共青団派の復活は無いのか?
どのような結論にいたるのでしょう?
# 冒頭の画像は、握手した習近平と李克強
この花の名前は、フッキソウ
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