米国大統領選で、もしトランプ前大統領が勝利したら米国と世界はどうなるか、「もしトラ」という話題が熱を帯びて語られるようになっている。
日本国内の議論は、米国内の反トランプ勢力によるトランプ批判に影響され、悲観論に傾きすぎているところがあるように思えると、坂元一哉大阪大名誉教授。
ユニークな、しかし変幻自在なトランプ氏をよく見抜いておられる見解!
たとえばトランプ氏は、ウクライナ戦争について「私が大統領なら24時間以内に終わらせる」と述べているが、この発言についても日本の多くは悲観的に解釈すると、坂元名誉教授。
バイデン政権のウクライナ支援に否定的なトランプ氏が、ロシアのプーチン、ウクライナのゼレンスキー両大統領にかけあって、ともかく交渉で戦争を終わらせ、ウクライナからなるべく早く手を引きたいと考えているのだろうと受け取られている。
ウクライナは結局、見捨てられ、不利な条件での平和を受け入れざるを得なくなる―という悲観論を生んでいると。
たしかにトランプ氏は、バイデン政権のウクライナ支援に反対しているが、それは「交渉の達人」である自分ならもっとうまくやるという自信からくるものだろうと、坂元名誉教授。
交渉の結果、あからさまにロシアに有利、ウクライナに不利な条件でしか戦争を終わらせることができなかったら、「米国を再び偉大にする」と約束する彼の力を信じる支持者の失望は大きいと、坂元名誉教授。
トランプ氏としては、「こんな平和ならバイデンでも得られた」とか「バイデン政権のやり方を続けていた方がよかったかもしれない」という評価になるのは、政権運営との兼ね合いで何としても避けたいところ。
誰が見てもロシアに大きく有利な平和しか実現しそうにないとなれば、トランプ氏は「24時間以内」と豪語したことを忘れて、「交渉の達人」を自称する自分のメンツにかけ、また、「米国を再び偉大に」という自分の政治スローガンを守るために、本腰を入れ、時間をかけて和平交渉に取り組むだろうと、坂元名誉教授。
ロシアをあまり勝たせない形で戦争を終わらせるために必要ならば、トランプ氏はバイデン政権以上に思い切ったウクライナ支援も厭(いと)わない姿勢を見せるかもしれないと。
一方、「私たちにとってはどちらがいいですか。バイデンかトランプか」。ロシア国営テレビのパヴェル・ザルビン記者が、ウラジーミル・プーチン氏にこう質問しました。
プーチン大統領は、バイデンと即答。「彼の方が経験豊富で、予測可能で、古いタイプの政治家だ」と。
プーチン氏がバイデン氏を後押し……表向きと実際とは違う BBCロシア編集長 - BBCニュース
くせもの度ではトランプ氏にひけをとらないプーチン。勿論本意は不明ですが、バイデン氏は組し易いと見下されている?
# 冒頭の画像は、プーチン大統領
この花の名前は、キクザキリョウキンカ
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日本国内の議論は、米国内の反トランプ勢力によるトランプ批判に影響され、悲観論に傾きすぎているところがあるように思えると、坂元一哉大阪大名誉教授。
ユニークな、しかし変幻自在なトランプ氏をよく見抜いておられる見解!
「トランプ大統領」は本当にウクライナから手を引くか 大阪大名誉教授・坂元一哉 - 産経ニュース 2024/3/17
米国大統領選で、もしトランプ前大統領が勝利したら米国と世界はどうなるか、「もしトラ」という話題が熱を帯びて語られるようになっている。
他国のリーダーのこととはいえ、日本の唯一の同盟国である米国、そして日本もその一員である「西側」陣営の事実上のリーダーを選ぶ選挙だから、議論に熱が入るのは当然かもしれない。ただ、日本国内の議論は、米国内の反トランプ勢力によるトランプ批判に影響され、悲観論に傾きすぎているところがあるように思える。
たとえばトランプ氏は、ウクライナ戦争について「私が大統領なら24時間以内に終わらせる」と述べているが、この発言についても日本の多くは悲観的に解釈する。
バイデン政権のウクライナ支援に否定的なトランプ氏が、ロシアのプーチン、ウクライナのゼレンスキー両大統領にかけあって、ともかく交渉で戦争を終わらせ、ウクライナからなるべく早く手を引きたいと考えているのだろうと受け取られているのだ。この前提に立って考えた結果、ウクライナは結局、見捨てられ、不利な条件での平和を受け入れざるを得なくなる―という悲観論を生んでいるのである。
ただ、ことはそう単純ではない。たしかにトランプ氏は、バイデン政権のウクライナ支援に反対しているが、それは「交渉の達人」である自分ならもっとうまくやるという自信からくるものだろう。
もしトランプ氏が大統領となり、交渉した結果、あからさまにロシアに有利、ウクライナに不利な条件でしか戦争を終わらせることができなかったら、「米国を再び偉大にする」と約束する彼の力を信じる支持者の失望は大きい。
トランプ氏としては、「こんな平和ならバイデンでも得られた」とか「バイデン政権のやり方を続けていた方がよかったかもしれない」という評価になるのは、政権運営との兼ね合いで何としても避けたいところだろう。
だから、短い時間では誰が見てもロシアに大きく有利な平和しか実現しそうにないとなれば、トランプ氏は「24時間以内」と豪語したことを忘れて、「交渉の達人」を自称する自分のメンツにかけ、また、「米国を再び偉大に」という自分の政治スローガンを守るために、本腰を入れ、時間をかけて和平交渉に取り組むだろう。
ロシアをあまり勝たせない形で戦争を終わらせるために必要ならば、トランプ氏はバイデン政権以上に思い切ったウクライナ支援も厭(いと)わない姿勢を見せるかもしれない。
そうなれば、ウクライナが思いのほか有利な条件で平和を得る可能性もある。
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坂元一哉(さかもと・かずや)
昭和31年生まれ。阪大教授など歴任。専門は日米関係史。
米国大統領選で、もしトランプ前大統領が勝利したら米国と世界はどうなるか、「もしトラ」という話題が熱を帯びて語られるようになっている。
他国のリーダーのこととはいえ、日本の唯一の同盟国である米国、そして日本もその一員である「西側」陣営の事実上のリーダーを選ぶ選挙だから、議論に熱が入るのは当然かもしれない。ただ、日本国内の議論は、米国内の反トランプ勢力によるトランプ批判に影響され、悲観論に傾きすぎているところがあるように思える。
たとえばトランプ氏は、ウクライナ戦争について「私が大統領なら24時間以内に終わらせる」と述べているが、この発言についても日本の多くは悲観的に解釈する。
バイデン政権のウクライナ支援に否定的なトランプ氏が、ロシアのプーチン、ウクライナのゼレンスキー両大統領にかけあって、ともかく交渉で戦争を終わらせ、ウクライナからなるべく早く手を引きたいと考えているのだろうと受け取られているのだ。この前提に立って考えた結果、ウクライナは結局、見捨てられ、不利な条件での平和を受け入れざるを得なくなる―という悲観論を生んでいるのである。
ただ、ことはそう単純ではない。たしかにトランプ氏は、バイデン政権のウクライナ支援に反対しているが、それは「交渉の達人」である自分ならもっとうまくやるという自信からくるものだろう。
もしトランプ氏が大統領となり、交渉した結果、あからさまにロシアに有利、ウクライナに不利な条件でしか戦争を終わらせることができなかったら、「米国を再び偉大にする」と約束する彼の力を信じる支持者の失望は大きい。
トランプ氏としては、「こんな平和ならバイデンでも得られた」とか「バイデン政権のやり方を続けていた方がよかったかもしれない」という評価になるのは、政権運営との兼ね合いで何としても避けたいところだろう。
だから、短い時間では誰が見てもロシアに大きく有利な平和しか実現しそうにないとなれば、トランプ氏は「24時間以内」と豪語したことを忘れて、「交渉の達人」を自称する自分のメンツにかけ、また、「米国を再び偉大に」という自分の政治スローガンを守るために、本腰を入れ、時間をかけて和平交渉に取り組むだろう。
ロシアをあまり勝たせない形で戦争を終わらせるために必要ならば、トランプ氏はバイデン政権以上に思い切ったウクライナ支援も厭(いと)わない姿勢を見せるかもしれない。
そうなれば、ウクライナが思いのほか有利な条件で平和を得る可能性もある。
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坂元一哉(さかもと・かずや)
昭和31年生まれ。阪大教授など歴任。専門は日米関係史。
たとえばトランプ氏は、ウクライナ戦争について「私が大統領なら24時間以内に終わらせる」と述べているが、この発言についても日本の多くは悲観的に解釈すると、坂元名誉教授。
バイデン政権のウクライナ支援に否定的なトランプ氏が、ロシアのプーチン、ウクライナのゼレンスキー両大統領にかけあって、ともかく交渉で戦争を終わらせ、ウクライナからなるべく早く手を引きたいと考えているのだろうと受け取られている。
ウクライナは結局、見捨てられ、不利な条件での平和を受け入れざるを得なくなる―という悲観論を生んでいると。
たしかにトランプ氏は、バイデン政権のウクライナ支援に反対しているが、それは「交渉の達人」である自分ならもっとうまくやるという自信からくるものだろうと、坂元名誉教授。
交渉の結果、あからさまにロシアに有利、ウクライナに不利な条件でしか戦争を終わらせることができなかったら、「米国を再び偉大にする」と約束する彼の力を信じる支持者の失望は大きいと、坂元名誉教授。
トランプ氏としては、「こんな平和ならバイデンでも得られた」とか「バイデン政権のやり方を続けていた方がよかったかもしれない」という評価になるのは、政権運営との兼ね合いで何としても避けたいところ。
誰が見てもロシアに大きく有利な平和しか実現しそうにないとなれば、トランプ氏は「24時間以内」と豪語したことを忘れて、「交渉の達人」を自称する自分のメンツにかけ、また、「米国を再び偉大に」という自分の政治スローガンを守るために、本腰を入れ、時間をかけて和平交渉に取り組むだろうと、坂元名誉教授。
ロシアをあまり勝たせない形で戦争を終わらせるために必要ならば、トランプ氏はバイデン政権以上に思い切ったウクライナ支援も厭(いと)わない姿勢を見せるかもしれないと。
一方、「私たちにとってはどちらがいいですか。バイデンかトランプか」。ロシア国営テレビのパヴェル・ザルビン記者が、ウラジーミル・プーチン氏にこう質問しました。
プーチン大統領は、バイデンと即答。「彼の方が経験豊富で、予測可能で、古いタイプの政治家だ」と。
プーチン氏がバイデン氏を後押し……表向きと実際とは違う BBCロシア編集長 - BBCニュース
くせもの度ではトランプ氏にひけをとらないプーチン。勿論本意は不明ですが、バイデン氏は組し易いと見下されている?
# 冒頭の画像は、プーチン大統領
この花の名前は、キクザキリョウキンカ
↓よろしかったら、お願いします。