遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国の覇権拡大に備えるASEANの国々

2011-04-13 00:14:30 | EEZ 全般
 中国が防衛白書で「国家の海洋権益保護」を名目に海軍力を増強することを宣言したことは、諸兄がご承知の通りです。更に、防衛白書では触れていなかった空母の建造を、国営新華社通信系のネットニュース「新華網」が初めて報道し、軍拡姿勢の広報を進めています。
 南シナ海で領有権の争いをもつベトナム、フィリピンは、中国のこの姿勢に対応すべく、国防予算を増額したり、米国との連携を強めているそうです。ASEAN + 米国で中国の覇権拡大に備える動きは昨年から強まってきていましたが、中国の推進姿勢に対し、各国も一段と備えを強めているのですね。
 
ASEAN“米接近鮮明” 中国の海洋権益拡大に対抗 (4/12 産経)

 【シンガポール=青木伸行】中国が海洋進出、権益拡大の狙いを、国防白書などを通じいっそう鮮明にする中、南シナ海でスプラトリー(中国名・南沙)諸島などの領有権を争う東南アジア諸国には、軍事力を強化する動き
が出ている。中国の活動活発化は、軍事面における米国への依存度を高める作用をもたらしている。
 目立った動きが見られるのは、南沙諸島リード・バンク海域で3月2日、石油探査船が中国の哨戒艇2隻に妨害を受けたフィリピン。オバン軍参謀長は、南沙諸島における軍事力の強化策として(1)フィリピンが実効支配するパガサ島の滑走路を約70万ドルをかけ改修(2)9島に防空レーダーを設置(3)高速巡視船を調達-などを明らかにしている。予算総額は約1億8千万ドル(約152億円)。
 フィリピン政府はまた、同海域近くでの石油探査を終え、開発を本格化させる方針で、領有権を主張する中国側は反発している。
 中国の海洋権益拡大の動きは、こうした緊張関係を“再燃”させ、フィリピンの軍事専門家の間には「中国の動向は、アキノ政権に米国との戦略的関係を再活性化させ、中国寄りともいえたアロヨ前政権のスタンスとは異なる重要な変更をもたらそうとしている」との分析もみられる。
 一方、ベトナムのフン・クアン・タイン国防相は1月、2011年の国防費は前年より大幅に増え、約26億ドル(約2200億円)と言及している。
 「2009年国防白書」によると、08年の国防費は7兆ドン(当時の換算で約1300億円)。ここ数年、潜水艦能力の増強などで予算が急増していることがわかる。
 その背景として、東南アジア軍事筋は「中国の脅威という要因が大きく、空母配備計画も多分に意識したものだ」と指摘する。
 ベトナムはすでに、カムラン湾を各国に“開港”するとし、米空母が寄港している。軍事上の米国との連携強化と中国への牽制(けんせい)である。米国がカムラン湾やダナンなどを“拠点化”できれば「南シナ海を制する」(同筋)との見方は強い。
 また、先月上旬には、駐米ベトナム大使がハワイで、ウィラード米太平洋軍司令官と会い「両国は中国の領有権主張、航行の自由を妨げる試みに共同で対処すべきだ」と伝えたという。

 日中間では、東シナ海のガス田開発、尖閣諸島の領有で中国の覇権拡大の脅威にさらされていることや、南シナ海、インド洋のシーレーンの安全にもその脅威は及んでいることは衆知の事実ですね。
 日本の民主党政権下の防衛白書では、東シナ海の脅威に備える配備の変更はしましたが、北海道の陸上軍備を削減し転用するもので、防衛予算は削減の方向です。
 その削減しようとしている自衛隊に、救助=国民の安全を取り戻すことを大きく依存する有事・東日本大震災が発生しました。「トモダチ作戦」では、米軍の膨大な支援も受けました。
 
 政府が国民の安全を保証する努めは必須です。国民の生命や資産を護ること、領土・主権を護ることです。
 ASEANの国々は、このあたりまえのことを実行しているのです。
 中国、ロシア、韓国に主権の侵害、領土の不法奪取の動きを許している民主党政権。大震災という有事に遭遇していますが、近隣諸国の昨年来の動きへの備えも強化することを願っています。




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北海道の陸上自衛隊 多すぎませんか。 (tetoris)
2011-04-24 21:12:29
 この手の話しで気になるのは、北海道配備の陸上自衛隊の人員装備が全体のバランスから堵出していることだ。

 旧ソ連時代に、北海道に大規模戦車隊が進入することを仮定した配備となっている。しかし、ソ連崩壊とともに、この危惧は無くなっている。20年間以上、予算配分を含め人員装備等を再配分しなかったのは、旧防衛庁および自民党政権の問題である。おれは、一重に怠慢と権益保護の何者でもない。これに、陸自と北海道は甘えていた。

 さらに、中国共産党人民軍の脅威が叫ばれて久しい。しかし、未だに大規模部隊を南西に展開する手段を持っていない。旧陸軍は、兵力をアジア大陸に進展させた。この反省から、陸自の各方面隊は、担当地区を守備することが義務ズけられている。結成以来、部隊の大規模な移動が許されていない。。

 陸自、海自、航空自の兵力配分は、戦後の警察予備隊の結成し自衛隊へと強化した段階で定まった比率と大きく変わっていない。国内治安を主目的とした配分で、60年近く放置されてきた。技術の進歩、近隣国の国勢の変化に対応した処置が行われいない。

 今回の防衛大綱で、この点の対策が講じられようとしている。だが、中共の軍備拡大は予想を超える速さで進められている。既に、南シナ海では、制海を掌握しつつある。空母の就役で決定的となるだろう。台湾以南のバジー海峡から、インド洋に出るマラッカ海峡までの地域は、日本のシーレーンである。シーレーンを脅かされることは、貿易を持って国を支える海洋国にとって、致命的である。彼らの言う第一列島線内の制海を手に入れた後は、日本に隷属的同盟関係を持つように要求してくるだろう。

 米国との同盟では、日本は不沈空母としての役割を担わせられた。国内では沖縄普天間問題となっている。これに対し、中共は、最前線要塞(核弾頭搭載弾道ミサイル基地)およびエネルギー基地(原発施設)としての役割を果たすことを要求すえうだろう。大陸側から地図をみると、日本の役割は想定できる。モンゴル自治区やチベット、ウィグル自治区のように支配は進むだろう。正しく、一昨年、民主党の小沢さんが多くの国会議員を連れて、”日本自治区”の野戦隊長としての”訪朝”している。首相選挙中の尖閣諸島問題は、この誤ったメッセージに中共軍部が反応したものと思われる。

 当面、南シナ海のシーレーン防衛と東シナ海のEEZ防衛が国防の要となるだろう。さらに、装備の進む各種ミサイルに対する対応、先進化する戦闘機に対する対応も急がれる。中国との隷属的同盟関係締結を回避するのであれば、自衛隊の組織改革は急務である。、

 自国国内での攻防戦を仮定した組織は必要だろうか。さらに、このような仮定は必要なのだろうか。先の世界大戦でも、沖縄を除いた国土では武装米兵と対峙していない。上陸時点こそ、国として全面降伏を決断する時である。これが、海洋国家としての戦闘だろう。やはり、過剰な陸自は海外へ進出する為の軍備として考るべきである。
 軍縮を主張してはいない。むしろ、海自、航空自の戦力の少なさを危惧しているのである。早急に、バランスを取るべきである。変な規制で自衛隊を縛るのではなく、この点を、政治家、官僚は現役自衛官の意見を聞きながら調整して欲しい。しっかりとしたシビリアンコントロールをして欲しい。

 尖閣諸島問題で海上保安庁の重要性を国民は知った。国境防衛の重要性を知ったと思う。しかし、海洋国のシーレーン防衛は国境防衛と同等であることまでは理解していないようだ。これらを哨戒するのは沿岸警備を担当する海上保安庁の役目である。これら海域の沿岸警備組織と密接に連絡を取り合い、自衛艦隊による直接的シーレーン防衛が必要となる事態を避けてほしい。ヘリコプター搭載大型巡視船の複数隻の建造により、その運用に期待したい。
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