遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

クリントン候補のアジア外交政策に日米同盟の言及なし

2007-10-21 14:47:45 | EEZ 全般
 米民主党の次期大統領候補は、クリントン氏が支持率を前月比7%伸ばして50%に達し、オバマ氏は6%減の18%になってしまい差が開いてきている状況です。(10/17 読売朝刊 FOXテレビの世論調査)
 米の外交専門誌(フォーリン・アフェアーズ)は、次期大統領選に出馬を表明している有力候補者から、共和、民主各党3氏を選び大統領に当選した場合の外交政策についての論文を掲載したのですが、共和党候補が日米同盟の重視を述べているのに対し、クリントン氏は日米の同盟については言及せず、対中関係が最も重要と述べています。
 
クリントン氏外交構想 「対中関係 最も重要」 日米同盟に言及なし (10/17 読売朝刊)

【ワシントン=五十嵐文】次期米大統領選で民主党の最有力候補と目されるヒラリー・クリントン上院議員(59)は15日、外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」に、大統領に当選した場合の外交政策を発表し、アジア外交については、中国を基軸とする方針を鮮明に打ち出した。

■「親中」とは一線
 クリントン氏は、「米中両国が共に成し遂げられること、成し遂げるべきことは多い」と指摘。対中貿易赤字や中国での人権の状況について「全く賛成しかねる」と批判するなど、単なる「親中」とは慎重に一線を画したものの、対中関係が「今世紀において、世界で最も重要な 2国間関係となる」と位置づけた。

<中略>
 
 その一方、気候変動問題などに取り組むため、日米中 3か国による共同計画を検討していくことや、オーストラリア、インド、日本、米国 4か国の枠組みでの対テロ協力の強化などにふれたが、日米同盟については指摘しなかった。

■共和は日本重視
 共和党では、同党最有力候補と目されるルドルフ・ジュリアーニ前ニューヨーク市長(63)か゜先に発表した外交政策で、日本について「アジア安定の基礎」と指摘。同党のジョン・マケイン上院議員(71)も15日、同じ外交誌で日本の国連安全保障理事会常任理事国入りを支持すると表明しており、クリントン氏の違いは際だっている。
 クリントン氏のブレーンには、夫のクリントン政権時代からの中国重視派も少なくない。今回アジア外交の力点を中国に移す可能性を示唆したことで、クリントン前大統領が1998年、日本を素通りして訪中したことに象徴される「ジャパン・バッシング」の再来を懸念する声が改めて日米関係者からでている。


 日本の頭越し外交を中国とした前クリントン政権でしたが、ヒラリー・クリントン候補も中国重視で、ブッシュ外交から決別して「同盟の再構築」を図るとのことですが、欧州各国や中東ではいざしらず、アジアての外交に日米の 2国間のあり方について触れないということは、日本の経済力の衰退、政治家の低レベルな国内抗争に見切りをつけたとも言えるかも知れません。
 経済でも、軍事力の拡大でも、中国を重視することは当然なのですが、自由主義陣営のアジアの重要なパートナーであった日本に言及しないのは、夫と同じで中国に遠慮しているのでしょう。
 クリントン氏の姿勢に、強く反論できかねるスネの傷が残念で、悔しくもあります。

 インド洋での国際協力での海上阻止行動や給油活動の離脱は、米国にとどまらず、各国からの信頼を欠くものですし、日米安保条約に大きな影響を及ぼす、普天間基地移管の遅れや移転・駐留(おもいやり予算)費用負担の混迷などは、両国の間でその関係を深める状況とは言えません。
 にもかかわらず、共和党各候補が日本を重視するのは、これまでの両国の信頼関係があるからです。

 共和党の候補が大統領に選ばれることが、100%ないとは言えないのですが、イラク、アフガン、イランなど中東での伸びきってしまった戦線拡大とその頓挫への倦厭感は、政権の交代の流れを推し進めます。
 日本にとってせめてもの期待の星のオバマ氏も一時はクリントン氏に迫る勢いがあったのですが...。
 
 中国重視(日本軽視)のクリントン大統領が誕生し、日米同盟にかげりを産むことは、近年の中国の戦略にはまることになります。
 日本の今後のあり方を、冷静に(ポストクリントンまで待つ?)、中長期のスパンで考えて行かねばなりません。日本にとっても、米国一辺倒で甘えてすがりつく体制から、独り立ちして豪州などとの連携を深める良い機会ととらえればいいのかもしれません。
 そうなると、普通の独立国が備え持つ国防の体制や、国際協力での活動への参加が、今以上に必要となりますね。



 

↓ よろしかったら、お願いします。


たかられる大国・日本―中国とアメリカ、その驚くべき“寄生”の手口


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日中ガス田協議は平行線のまま | トップ | 米国からキューバへ医学留学 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ヒラリー氏反対・・・ (容子)
2007-10-22 09:08:11
遊爺さま

私もこのニュース見ましたが、本当に腹が立ちます。
以前ヒラリー氏の夫の大統領時代も日本に刑税でも厳しく祖かもあの中国訪問で9日間も費やしたのに、日本には寄らないで帰国した事を忘れる事でできません。

もし、米国の大統領にヒラリー氏がなったら、日本も米国の忠実な同盟国からもっと自由に外交を行ったら戸思います.EU関係をもっと大切にし、インド、かの関係もより一層結び付きを強めたいと思うのですが・・・
返信する
Re: ヒラリー氏反対・・・ (遊爺)
2007-10-27 12:21:34
容子さん、こんにちは。

> 私もこのニュース見ましたが、本当に腹が立ちます。

 長年の同盟関係を軽視していますね。
 中国は「2006年国防白書」で日米の分断を唱えています。その戦略にはまることは避けるようにしなくてはなりませんが、日本が乳離れする良いきっかけになるかも知れませんね。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

EEZ 全般」カテゴリの最新記事