遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

東電福島第一の「処理水」 海洋放出決定へ

2020-10-18 01:23:56 | 東日本大震災
 東京電力福島第一原子力発電所の敷地内に保管されているトリチウムを含んだ「処理水」は、タンクの建設用敷地の限界が迫っており、その処分方法について、海洋放出か、水蒸気放出かの選択検討が進められていました。
 政府は海に放出する方針を固めたのだそうで、月内にも正式に判断し、実施は2年後になる見通し。
 トリチウムを国の基準値の40分の1まで海水で薄め、原発敷地内から福島沖に流す。放出は約30年にわたる見通し。
 健康被害は想定されていない。しかし、漁業団体は風評被害のおそれがあるとして強く反対しており、政府は漁業関係者の支援に乗り出す方針だと。

 福島第一「処理水」の海洋放出、月内にも決定へ…実施は2年後 : 読売新聞オンライン
 
福島第一処理水 海洋放出 決断先送り限界 (10/17 読売朝刊 スキャナー)

保管タンク2年後満杯 廃炉作業の足かせ懸念

政府が、東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質を含んだ
処理水を海洋放出することになったのは、廃炉作業の停滞が福島の復興を遅らせかねないとの危機感があるからだ。原発事故から間もなく10年。政府・東電には、風評被害対策など地元や関係者に寄り添った丁寧な説明が求められる。 (政治部藤原健作、経済部川口尚樹)

検討7年
梶山経済産業相は16日の閣議後の記者会見で、「水量が日々増加していることを踏まえれば、いつまでも方針の決定を先送りできない」と述べ、処理水の取り扱いをどうするかの決定に時間がかかっている現状に焦りをみせた。
汚染水は、事故のあった原発建屋内に流れ込む雨水や地下水などで、今なお 1日平均140トン増えている。
東電の試算では、このままなら処理水は2022年9月には保管可能量の約137万トンに達する見込みだ。
東電によると、タンクの増設は可能だが、
原発敷地内で使える土地がどんどん狭まる来年から着手する、事故で溶け落ちた核燃料を取り出す困難な作業を妨げる可能性が高く、廃炉作業の足かせになりかねない
政府内で処分方法の検討が始まってからすでに7年がたつが、
状況は逼迫(ひっぱく)している

危機感
菅首相は自民党総裁選への出馬を表明した9月2日の記者会見で、「次の政権で解決しなきゃならない」と述べ、処理水の問題への危機感を示した。首相就任後の組閣で梶山氏を再任したのは、処理水への対応を継続させる狙いもあった。
首相は9月26日、福島第一原発を視察後、処理水の問題に言及し、「できるだけ早く、政府として責任をもって処分方針を決めたい」と記者団に語った。首相周辺は16日、「海洋放出にはメリットもデメリットもある。最後は首相の戦略的な判断だ」と語った。

対応手厚く
もっとも、海洋放出の決定は一筋縄ではいかない。
 
原発事故で、漁業者は長らく風評被害に苫しむ。韓国や中国など19か国・地域は今も輸入停止や検査証明書の提出などの輸入規制を続ける。特に、韓国は、福島など8県の全水産物の輸入停止を続ける
政府は、今後予想されるさらなる風評被害に手厚く対応する考えだ。
海洋放出前の放射性物質の濃度や、海流などを踏まえた海洋での拡散想定などを公開し、安全性をアピールする。さらに、
水揚げした鮮魚などについて、第三者機関の分析で安全性にお墨付きを与えることも検討する。
海洋放出は30年程度と長期にわたる。政府・東電は、「想定しない被害も生じることを前提に、継続的に対応していく」(関係者)としている。

トリチウム濃度「飲用」レベルに

 放射性物質の
トリチウムを含んだ処理水の海洋放出は、国内外の原発で広く行われる処分方法だ。トリチウムは現在の技術で除去できないため、政府と東京電力は海水で薄めた後に放出する。放出に必要な設備については、原子力規制委員会の審査を受けてから工事に着手し、放出の実施までは2年かかるという。
トリチウムは水素と化学的な性質が似ており、分離しにくい。国際的には、海洋放出のほか、蒸発させて大気に放出する方法(水蒸気放出)があるが、海岸沿いに立地する国内原発は、海に放出している。
政府の有識者会議は今年2月の報告書で「海洋」と「水蒸気」の2案を示した上で、「より確実に放出できる」と海洋放出を推した。
汚染水にはトリチウムだけでなく、数十種類の放射性物質が含まれており、多核種除去設備(ALPS)などを使って大半の放射性物質を除去している。
しかし、
処理水の一部には、排出基準以上の放射性物質が残っているため、東電は放出前に再びALPSなどで処理水を浄化する。トリチウムについては、処理水の濃度を世界保健機関(WHO)の飲料水堪準を下回る値になるまで海水で薄める。
東電は今後、放出に必要な設備の設計と工事を行う。希釈するために海水をくみ上げるポンプや処理水と混ぜて放出する設備を準備する。規制委は、審査を通じて地震や津波への耐久性などが備わっているかどうかを調べる。
東電は放出後、海中の放射性物質の濃度を継続的に監視し、異常事態が生じた場合は放出を速やかに中止する。
トリチウムは原発で作られるだけでなく、自然環境でも発生し、雨や海水などにも含まれる。水道水を通じて我々の体内にも入ることがある。経済産業省資源エネルギー庁は「特定の臓器などに蓄積されることはないとみられる」とする。
                                  (科学部 天沢正裕)

 汚染水は、事故のあった原発建屋内に流れ込む雨水や地下水などで、今なお 1日平均140トン増えていて、東電の試算では、このままなら処理水は2022年9月には保管可能量の約137万トンに達する見込みなのですね。
 東電によると、タンクの増設は可能だが、原発敷地内で使える土地がどんどん狭まる。来年から着手する、事故で溶け落ちた核燃料を取り出す困難な作業を妨げる可能性が高く、廃炉作業の足かせになりかねないのだと。
 政府内で処分方法の検討が始まってからすでに7年がたつが、状況は逼迫しており、決断が迫られていたことは、諸兄がご承知のとおりです。

 菅首相は自民党総裁選への出馬を表明した9月2日の記者会見で、処理水の問題への危機感を示し、処理水への対応を継続させる狙いもあり、就任後の組閣で梶山氏を再任したのだそうです。

 トリチウムは現在の技術で除去できないため、世界各国でトリチウムを含んだ処理水の海洋放出は、広く行われる処分方法。
 処理水の一部には、排出基準以上の放射性物質が残っているため、東電は放出前に再びALPSなどで処理水を浄化。トリチウムについては、処理水の濃度を世界保健機関(WHO)の飲料水堪準を下回る値になるまで海水で薄めたのちに放出するとのこと。
 
 課題は、風評被害で長く苦しんでいる漁業関係者への対策。
 国は周辺の自治体や農林水産業関係者などへの意見聴取を4月から始めていたのだそうです。15日には、全国漁業協同組合連合会が梶山経済産業相と会談して「海洋放出に断固反対する」などと要請し、処分方法を慎重に決めるよう求めていたと。

 特に、韓国は、福島など8県の全水産物の輸入停止を続けています。
 福島第一のトリチウム水にイチャモンをつける韓国は、その6倍以上のトリチウムを日本海に放出(改訂) – アゴラ

 政府は、今後予想されるさらなる風評被害に手厚く対応する考えだそうです。
 海洋放出前の放射性物質の濃度や、海流などを踏まえた海洋での拡散想定などを公開し、安全性をアピールする。さらに、水揚げした鮮魚などについて、第三者機関の分析で安全性にお墨付きを与えることも検討すると。

 懸案のトリチウムを含んだ処理水の対策に、ようやく方向の結論が出たことはなによりです。
 事故後の農産物については、福島産等と表示して販売する量販店がありました。応援して優先的に消費を促進するのが主旨でした。勿論、応援しました。スーパーの棚も、最初に空になっていたのを思い出します。
 海洋放出が始まったら、是非福島産等などの表示をし、積極的な支援が出来る様にしていただきたい。


 # 冒頭の画像は、処理水のタンクが敷地いっぱいに広がる福島第一原発(2月、読売機から)




  この花の名前は、トロアオイ


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写真素材のピクスタ


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