遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

日米豪が南シナ海で共同訓練

2011-07-09 00:12:34 | EEZ 全般
 中国の海洋への覇権拡大が、南シナ海、東シナ海、インド洋、西太平洋へと進められていることは、アジア各国、米、豪などが危機感を共有するところとなっています。
 南シナ海については、ベトナムが主導する ASEAN + 米国での対抗が、中国の二国間交渉路線への札束攻勢で綱引きとなっていることは、諸兄がご承知の通りです。
 東シナ海では、EEZ境界のガス田開発での協議云々の話から、民主党政権に交代して以後は尖閣の領有権を巡る中国の一方的攻勢が急拡大してきています。
 日米同盟の修復、日豪同盟の強化、日米豪の連携強化とASEANとの連携が望まれていましたが、日米豪の共同訓練が南シナ海で初開催されることになったのだそうです。突然の朗報で、一寸びっくりです。
 

日米豪、南シナ海で訓練 あす艦艇参加中国を牽制 (7/8 朝日朝刊)

 
日本、米国、オーストラリア3国がブルネイ沖の南シナ海で、海上自衛隊と米豪海軍による共同訓練を9日に実施することで合意したことが7日、明らかになった。日米豪による南シナ海での訓練実施は初めて
 南シナ海では領有権を主張する中国と東南アジア諸国との問で緊張が高まっており、共同訓練は中国を牽制する狙いがある。
 8日に発表する。政府関係者によると、海上自衛隊の護衛艦「しまかぜ」が国際観艦式などに参加するため4日からブルネイを訪問中で、米・豪海軍も訪れている。3国は9日にブルネイ近海で「しまかぜ」と米・豪海軍の艦艇による共同訓練を実施することで合意し、訓練内容を最終調整中だ。日米豪の共同訓練は2007年から始まったが、これまでは九州西方や沖縄近海などで実施してきた。
 6月の日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)では、中国の海洋進出を念頭に、共通戦略目標として航行の自由や海洋の安全保障の維持を明記した。日米豪3国の防衛協力強化も盛り込み、さっそく共同訓練で具体化した格好だ。防衛省幹部は「自衛隊は東シナ海で中国海軍の進出を警戒・監視しているが、南シナ海でも『航行の自由』を重視する米軍と共同歩調をとる」と話す。

 東シナ海でEEZ境界の攻防であったものが、日本の領土・尖閣への中国の一方的攻勢を強めさせたのは、鳩による日米同盟に亀裂を生じさせたことがきっかけでした。勿論、日米同盟の弱体化は中国の長期戦略でもあります。余談ですが、北朝鮮も中国を真似てか、日米離反戦術をあからさまに展開しますね。
 
 東シナ海における中国による戦線の計画的拡大は、南シナ海で先行展開されており、中国の戦略・戦術を知ることが出来ますね。漁船が来て、監視船が同行する理由づけを生じさせ、やがては軍が占有していく手口ですね。
 南シナ海では、日本と異なってベトナムが戦火を交えるほど孤軍奮闘していましたが、ここへきて多国間レベルでの交渉と包囲網形成に戦術を転換しようとしています。

 南シナ海の平和は、東シナ海にもつながるもので、そのためにはベトナムが推進する多国間交渉による国際世論形成が最善策でしょう。
 米国は、日本での「トモダチ作戦」終了後、ベトナム、シンガポール、フィリピン、オーストラリアの各国との共同訓練を連続実施してきました。
 引き続いての南シナ海での日米豪共同訓練は、アジアの諸国にも安堵感をもたらすことでしょう。ブルネイは、日本のLNG輸入量の第5位で、1割を占め、今回の大震災での日本の電力逼迫に際し、韓国向けのなかから日本向けの増量を捻出していただいた国ですし、当然ブルネイと日本の間の航路の安全補償は確保されねばならないものです。
 
 日米豪にインドも加われば、東シナ海、南シナ海、インド洋とつながるシーレーンの安全が確保されることに繋がります。「真珠の首飾り」作戦でインドに攻勢をかけインド洋の制空海権の確保を目指す中国は、パキスタンへの支援を強化していますね。

 中国も当然反攻の手を繰り出してくるのでしょうが、日米豪 + インド + ASEAN の連携が強まっていくことを期待します。

 海自もインドとの連携をPRしている様ですね。
 

海自護衛艦2隻 インド寄港公開 (7/8 朝日朝刊)

 
海賊対策のため、ソマリア沖・アデン湾へ向かう海上自衛隊の護衛艦2隻が7日、補給のため、インド南部コチ港に入港し、その様子が日本メディアに公開された。
 寄港したのは護衛艦「さみだれ」と「うみぎり」。2009年3月に始まつた護衛艦派遣の第9次隊にあたり、現場海域で活動中の8次隊と交代し、日本を含む各国の民間船舶の護衛にあたる。高速機関銃のほか、速射砲、魚雷、艦載ヘリコプターなどを装備している。「うみぎり」の佐藤正博艦長は「危険が伴う任務だが、隊員はやりがいを感じている」と話した。 (コチ=武石英史郎)



  # 冒頭の写真の、172の番号の護衛艦が「しまかぜ」





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海が日本の将来を決める
続 中国の海洋戦略





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