遊爺雑記帳

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習近平 モディ首相をおもてなし

2015-05-15 23:51:48 | EEZ 全般
 日米首脳会談で両国の同盟関係の絆が強化されたことが世界に示されました。中国の孤立化を防ごうと、習近平はプーチン大統領を手懐けようとロシアを訪問していましたが、今度は、モディ首相の訪中で、経済交流を餌にしておもてなしをしたようですね。
 首相就任後の外遊で、ブータンを間に入れ先進国では一番最初の訪問先に日本を訪問し、安全保障では米国との関係を修復し訪米したモディ氏。しっかりおみやげを手に入れた様子ですね。
 

中印「経済協力を強化」 首脳会談 習主席 異例の厚遇 日米けん制 (5/15 読売朝刊)

 【ニューデリー=石田浩之、北京=竹腰雅彦】インドのモディ首相は14日、中国陝西省西安を訪問し、同国の習近平シージンピン国家主席と首脳会談を行った。中国中央テレビによると、両首脳は、中国が設立を主導する新たな国際金融機関「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)などを通じた経済協力の一層の強化などで一致した。日米が「中国封じ込め」を念頭にインドへの接近を強める中、習氏はモディ氏への異例の厚遇で良好な中印関係を演出し、日米をけん制した
形だ。

 中国中央テレビによると、習氏は首脳会談で、「両国の共同発展を促進したい。世界と地域で協力を強め、国際秩序をより公正で合理的な方向に発展させたい」と呼びかけた。モディ氏は「印中関係の発展には巨大な潜在力があり、関係を新たに歴史的なレベルまで引き上げたい」と応じた。
 陝西省は習氏の本籍地。ここを首脳会談の場所に選んだのは、習氏が昨年9月、モディ氏の故郷グジャラート州に招待されたことへの答礼だ。中国最高指導者が外国要人の地方訪問に同行するのは異例。中国メディアは「両首脳の『ふるさと外交』は中印関係の新たな立脚点になる」と持ち上げた。
 中国が、かつての陸と海のシルクロードを中心に巨大経済圏の構築を目指す「一帯一路」構想を推進する上で、インドとの関係強化は欠かせない。同国は、「一帯一路」を資金面で支えるAIIBに参加することに加え、中印など新興5か国(BRICS)の枠組みで運営する「新開発銀行」の初代総裁も出すことになっている。中国政府関係者は、西安での首脳会談は、「世界最大の発展途上国である両国が、かつてのシルクロードの起点・西安で関係強化を図る象徴的な意味がある」と指摘する。

 
インドも、最優先課題は経済の再生だ。モディ氏が掲げる「メイク・イン・インディア(インドでものづくり)」には、中国の投資が不可欠だ。米国に接近して中国を刺激することで、中国から一層の経済協力を引き出したいのが本音だ。中国はインドの最大の貿易相手国だが、2013年度の対中貿易赤字は約360億ドル(約4兆3200億円)に上る。インドは中国企業専用の工業団地開設などを通じて製造業を誘致し、貿易赤字削減と国内の製造業振興も図りたい
考えだ。
 ただ、
モディ氏は一方で、インド洋進出を図る中国に対抗するため、米国重視の姿勢も鮮明にしてきた
。今年1月、インドの軍事パレードに当たる「共和国記念日」式典に、米大統領として初めてオバマ大統領を招き、軍事協力強化を打ち出した。
 
中印両国は元々、カシミール地方の領有権問題や安全保障で摩擦を抱えている
。今回の会談では、そうした問題は脇に置かれた。
 モディ氏の訪中は3日間の日程で、15日に北京で李克強リークォーチャン首相と会談、習氏の母校・清華大学で講演する。16日には上海でビジネスフォーラムなどに参加する。

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[Q]中印の関係は…警戒とけん制 強まる
 Q 中印の関係は。
  中印両国は1950年代から国境を巡って争い、62年には紛争に発展して関係が冷え込んだが、80年代以降は経済協力が進んだ。その後、
中国が、インドを取り囲むように「真珠の首飾り」と呼ばれる港湾整備を進めてインド洋進出を狙う構えをみせ、インドが警戒を強めている


 Q 最近の動きは。
  
インドは、親中路線からの転換を図るスリランカに接近したり、海上交通の要衝としてインド洋を重視する日米との連携強化を図ったり
している。4月には、フランス製戦闘機36機の購入を決めるなど、軍備増強も急いでいる。
 一方、
中国は習近平(シージンピン)国家主席が4月、インドと対立関係にあるパキスタンを初めて訪問。中国の新疆ウイグル自治区カシュガルと、パキスタン南部のグワダル港を結ぶ「中国・パキスタン経済回廊」に沿った道路・鉄道整備を進めることで合意したほか、パキスタンの海軍力増強にも協力するなど、インド側をけん制ている。

 「習氏はモディ氏への異例の厚遇で良好な中印関係を演出し、日米をけん制した」つもりかもしれませんが、両国の国境紛争は五月雨式に続いていますし、中国の海洋覇権拡大戦略により、「真珠の首飾り」作戦をインド洋で展開しています。更に、インドが対立するパキスタンを支援しています。それでいて、良好な中印関係とは誰が観ても思いません。自分の都合のよい様にしか考えられない中国のDNAなのですね。
 敵国の敵国は味方と言われますが、パキスタンを支援する中国は、インドにとっては、敵国の味方をする中国は、敵国でしかありません。
 現実に「真珠の首飾り」の締め付け解除に作戦を展開したり、国境紛争で戦っているのが、両国の姿ですね。

 賢明なモディ氏は、国益を優先し、中国からいただけるものはいただこうという戦術なのですね。将来は人口が逆転する両国。
 経済成長の伸びが減速する中国を追い越すのはインドだと、自負しておられることでしょうし、世界もそんな目で見ているのではないでしょうか。

 国際ルールを無視し、自国で勝手に「領海法」を創って、力で現状変更を進めているのが中国です。中華の国の中共が決めたことを世界が従わねばならないルールとして、東シナ海、南シナ海で覇権を拡大していることは、諸兄がご承知の通りです。
 憲法の上位に共産党があり、法治国家ではなく人治国家の国内形態を、世界でも通用させようとしているのですね。
 モディ首相の手腕によるインドの経済発展が進められることを期待するとともに、大丈夫とは思いますが、援助と言いつつ、骨の髄までしゃぶりつくす中国流経済支援には、ご用心召されます様、一言添えさせていただきます。
 と言うか、そんなことは百も承知で、中露と交流してきたインド。日米にも枠を広げてきている、したたかなモディ首相の手腕を、日本は見習うべきなのかもしれません。



 # 冒頭の画像は、中国陝西省西安の寺院で、並んで笑顔を見せるモディ首相と習近平国家主席






  シャクナゲの蕾


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