遊爺雑記帳

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プーチンの失敗で大誤算の習近平 「台湾武力侵攻」はできなくなった

2022-03-19 01:55:55 | 中国 全般
 プーチンのロシアによるウクライナ攻勢が苛烈度を上げています。これは、プーチンの短期決戦が失敗したことの証であり、ウクライナの方々の健闘の賜物です。
 しかし、ウクライナが劣勢である事には違いはなく、NATOへの加盟どころか、ウクライナ領空の飛行禁止支援も拒否されたゼレンスキー大統領、主要国の国会でのオンライン演説行脚を始め、国会議員や国民への直接支援要請を始めました。
 これは効果を産み、軍事参戦やそれに繋がるウクライナ領空制限までは答えは得られていないものの、議員や国民の支持を得ていて、米国は、「ウクライナ軍が市民を攻撃する軍機やヘリコプターを抑止することを確実にするために800の対空システム」を含む、追加支援を発表しました。
 日本の国会でのオンライン演説には、外務大臣を長く務めたにも関わらず外交失格の岸田政権は、前例がないとか、設備がないとかちんけな理由を挙げて断ろうとする、世界観欠如の姿を露呈していましたが、世界の流れに押され、取り組みを始めました。親中の岸田・林コンビの日本外交が、せっかく安倍さんが高めた日本の国際的信用と地位を棄損に努めています。

 ロシアのウクライナへの戦争犯罪も含まれる侵攻阻止が、国際世論や、経済制裁による締めや国内での反戦世論への期待が進められていますが、効果には時間が必要。
 そこで注目されているのが、両国にパイプを持つ中国。
 福島香織氏が、習近平の関与について解説しておられます。
 
これではできない「台湾武力侵攻」、プーチンの失敗で大誤算の習近平 体制内学者から「プーチンを見捨てよ」との提言も | JBpress (ジェイビープレス) 2022.3.17(木) 福島 香織:ジャーナリスト

 中国にはこの秋、台湾を武力侵攻する計画があったが、ロシアの苦戦ぶりをみてその機会を失ったと考えているという情報元は、ロシア連邦安全局(FSB)のアナリストが書いたとされる情報分析リポートだ。ロシアの腐敗を告発するサイト「Gulagu.net」を運営するウラジミール・オセチキンが、このFSBの内部文書を公開し、ネットで広まった。オセチキンはこれまでも「ロシアがウクライナに大量破壊兵器使用の準備をしている」といったFSB内部文書由来の情報を暴露してきた人権活動家だ。

 
台湾のネットメディア「新頭殻」がこのFSB内部リポートを引用して、中国が「秋に全面的に台湾統一に出ると計画していた」と報じた。それによると、習近平はこの秋に台湾全面進攻を計画していた。その勝利によって、党大会で政権3期目連任を確実なものにできると考えていた。しかし、ロシアのウクライナ侵攻が失敗して挽回できなくなったとみるや、習近平は台湾武力侵攻の機会がすでに存在し得ないと気づいた。さらに米国がこれを機に中国を脅して、習近平の政敵に有利な条件を与えることになった、という。

 この種のリークされた
機密性の高い内部文書に真実性はあるのだろうか。新頭殻によれば、かつて欧州調査報道賞を受賞したクリスト・ゴロゾフ記者がツイッターで、ウクライナはこれまでにフェイクのFSB文書をリークする心理戦術を使ったことがあると指摘している。だがゴロゾフ記者が2人のFSB元職員と現職員にこのリポートを見せて確認をとったところ、「疑いなく同僚の書いた文書だ」と認めたという。

 これが本物の内部文書であるとすれば、
プーチンと習近平はもともと連動して軍事進攻を行う計画を持っていた、ということだろうか? だとすれば、昨年(2021年)11月に台湾武力侵攻反対派の筆頭である劉亜洲が「失踪」させられたこと、そして全人代閉幕と同時に飛び出した、国務院直属シンクタンクの著名学者、胡偉が発表した「ロシアと縁を切れ」という提言との関連性をどう整理すればいいのだろう

■「一刻も早くプーチンを切り捨てよ」と提言
 
胡偉の提言というのは、3月11日頃から中国内外で話題になった、「プーチンを切り捨て、米国サイドに立つべきだ」とした政府への提言文書のことである。全文は拙メルマガ「チャイナ・ゴシップス」にアップしておいた。要点は「ロシアは負けるので、プーチンとの関係を切るべきだ」ということだ。

 胡偉は、中国国務院参事室公共政策研究センター副理事長で、外交部傘下のシンクタンク「チャハル学会」学術委員会主任委員、上海市公共政策研究会会長。つまり現役の体制内学者で、しかも政府に外交献策を行う立場にある人物だ。

 この文書は、執筆日に3月5日の日付が入り、当初は米民主党系シンクタンク、カーターセンターが設立したネットサイト「中美印象ネット」で発表された。チャハル学会とカーターセンターの学術交流は広く知られている。たとえばカーターセンターには、著名軍事戦略家の劉亜洲の弟の劉亜偉(米国籍)も所属しているが、劉亜偉はチャハル学会のメンバーでもある。この交流は、過去に親中政策をとってきた民主党政権の背景に中国のソフトパワー浸透があったということの証左でもあるが、同時に、中国共産党にも米国との全面対立を避けるよう献策する親米派ブレーンたちが多く存在するということでもある。

 
胡偉の提言文書の内容を簡単に説明すると、まず一学者個人として客観的にロシア・ウクライナ戦争の状況を分析し、それに基づいて対策を提示し、中国最高指導部の判断と参考にしてほしいと前書きをしたうえで、戦況予測、国際社会への影響、中国のとるべき道について主張している。

 まず、
この戦争がロシアの敗北に終わると予想。本来、ロシアは短時間の電撃作戦行動でウクライナ現政権を倒して傀儡政権を樹立することを目標においていた。だが、この電撃作戦はすでに失敗、戦争は長引き、目下勝算はない

 
仮に停戦交渉で戦争が終わっても、ロシアが粘ってウクライナ占領を実現したとしても、それはロシアの勝利を意味しない。交渉でウクライナの譲歩は引き出せないし、占領しても占領地支配継続のコスト、ウクライナ内の抵抗、西側からの長期制裁に苦しみ、数年のうちに破綻する。この戦争は最悪、世界大戦、核戦争に発展する可能性もはらみ、そうなればロシアは破滅。いずれにしろ、ロシアの大国の地位は終結する、という見方だ。

 さらに、
国際社会への影響力として、当初の国際世論では、この戦争が米国覇権の崩壊を意味すると見る意見が主流だったが、結果的には、この戦争によってアメリカの影響力を脱却しようとしていたフランス、ドイツが再びNATO防衛の枠組みに戻り、ガスパイプライン「ノルドストリーム2」の稼働は棚上げ、欧州エネルギーの米国依存が進み、米国は西側世界の指導者の地位に返り咲くことになる、との見通しを示した。

 こういう状況で中国がこれまでの路線を進めると、
ロシアが倒れたのちに西側勢力は中国にロックオンし、中国に対する戦略的包囲網をさらに強化し、軍事的包囲網だけでなく、西側の制度と価値観の挑戦に直面する、と予測した。

 
だから、できるだけ早く「ロシアという荷物を降ろすべきだ」とプーチンを切り捨てるよう提言。1~2週間のうちに即断しなければ中国にも挽回の猶予がない、と判断を急がせている

■中国が「世界平和維持の立役者」に?
 さらに
胡偉によると中国は目下、曖昧路線、中間路線をとろうとしているが、この選択はロシア、ウクライナのどちらも満足させていない。それよりも「中国は世界のメーンストリームサイドになって、孤立を避ける選択をすべきだ」「この立場は台湾問題にも有利だ」と言う

 中国の外交原則は、国家の主権・領土の完全性の維持であり、
ウクライナの東部分割や独立も承認していない。これは、台湾が中国の国家の一部であるというロジックに立てば譲れない部分だからだ。この場合、ウクライナと中国が国家であり、ドネツク、ルガンスクと台湾が不可分の領土、にあたる。ロシアの支援によるドネツク、ルガンスクの独立を承認すれば、米国の支援による台湾の独立に反対できない、というわけだ。

 この局面で中国がプーチンを切り、米国と手を携えて対ロ制裁に踏み切れば、「中国の国際イメージ樹立を助け、これを機会に、様々な努力を通じて、米国と西側との関係を緩和できるだろう」とも唱える。

 
バイデンはもともと「一つの中国」原則を尊重し、台湾独立を支持しないと明言している。プーチンを切る代わりに、台湾問題で米国に幾分かの譲歩を求めるという戦略も見出せるかもしれない

いかにロシア・ウクライナ戦争を利用して戦略的な調整を行い、米国の中国に対する敵視態度を改善するために全力を尽くすかが、中国が直面する筆頭の大きな問題なのだ」と胡偉は言う。

 さらにうまくいけば、
中国は「世界を核戦争から救った立役者」になるかもしれない、と胡偉は指摘する。「中国は世界で唯一この種の能力を持つことのできる国家であり、この優勢を発揮しなければならない。プーチンが中国の支持を失えば、おそらく戦争は終結するしかない。少なくともさらにエスカレートさせることはないこのことから、中国は国際的・普遍的な賞賛を勝ち得て、孤立局面から脱出する助けになるだけでなく、世界平和を維持した立役者となって、米国と西側との関係改善の機会を探すことも可能となるのだ」──。

 
この胡偉の大胆な提言は、中国のネットで一時的に広がったのちにすぐに削除され、今は見ることができない。つまり、この提言は中国当局としては公認されておらず、この意見に中国世論が感化されることを望んでいないということだ。

 また中国では、ロシア・ウクライナ戦争の報道について2月22日の段階で、ソーシャルメディアのアカウントに対し、「ロシアに都合の悪いことや親欧米的な内容は投稿しないこと」との内部通達が出ていることが、新京報系ニュースアカウント「世面」の“誤投稿”により判明している。この“誤投稿”はすぐに削除された。

■習近平を追い落とす絵が描かれている可能性
 こうした情報を整理し、想像をたくましくして、
次のような仮説を考えてみた

 
習近平はプーチンに対し個人的にも思い入れがあり、全面的支援をするつもりだった。あるいはプーチンのウクライナ侵攻に呼応して秋に台湾進攻を計画していたかもしれない。この計画に反対する劉亜洲は発言を封じられて昨年11月以降、「失踪」した。習近平はプーチンに対して冬季五輪閉幕まで進攻作戦を延期するよう頼み、プーチンも承諾した。

 
だが、五輪後に行われたロシアのウクライナ電撃進攻作戦は明らかに失敗した。党内、官僚、軍内の反習近平派がこれを理由に、反プーチン親米路線への転換を望み、秋に習近平がやりたがっていた台湾進攻阻止を訴えている

 おりしも、
ロシアから中国に対して経済支援のみならず軍事支援要請が出ているが、米国側からはロシアを支援すれば中国も制裁対象だと恫喝されている。そのタイミングで、カーターセンターと通じているチャハル学会の識者から国務院に「ロシア切り」の政策提言が行われた。

 
3月14日には、サリバン米大統領補佐官と、知米派で知られる楊潔篪政治局委員が7時間に及ぶ会談を行った。この会談の中身についてはまだ明らかになっていないが、仮に中国がロシアを支援せず、米国とともにロシア制裁を行う選択をとれば、習近平のメンツは完全につぶれ、第20回党大会を乗り越えられないかもしれない。

 
党内アンチ習近平派と米国側が手を組んでプーチンと習近平をセットで失脚させる絵を描いている可能性もある。投資家のジョージ・ソロスがフーバー研究所のビデオ講演(1月31日)で「習近平3期目連任はない」と予言し、「我々は習近平が、国内のさほど専制的ではなく国外に対して比較的平和な人物にとって代わられることを望んでいる」と語っている。ちなみに、プーチンのこの戦争の根っこが、ソロスらも応援したとされる2014年の「マイダン革命」(親露派のヤヌコーヴィチ大統領が失脚した騒乱)にまでさかのぼるとすれば、国際グローバル金融にとって邪魔な2人の独裁者をセットで排除するシナリオがあったんじゃないか、といういわゆるディープステート(闇の政府)陰謀論も成り立つわけだ。

■国際社会を挙げて中国への説得、圧力を
 以上、
想像をたくましくしてみたが、もちろん中国がロシアに軍事支援を含めて全面的に肩入れする選択肢もまだ残っている。そうなれば予想される未来はまた変わってくる。

 
最悪の場合、世界最大の食糧生産国で世界第3位のエネルギー生産国のロシアと世界最大市場で、世界第2の経済体の中国がしっかりと結束すれば、戦争は非常に長引き、世界大戦へと発展する可能性もより出てくる、それだけは避けたい。

 
今望むのは、この戦争を一刻も早く終わらせることその早道が、中国の方向転換であるというのであれば、中国への説得と圧力は国際社会を挙げてすべきことだろう。それが習近平独裁体制の長期化を阻止し、台湾武力進攻の選択肢を中国に捨てさせることにつながるならば、なおさらだ

 そして強調したいのは、
この戦争におけるウクライナの苦しみのおかげで、少なくとも台湾武力進攻危機が遠のいたとすれば、日本などが受ける平和の恩恵は計り知れない。戦後のウクライナに対する人道的支援と復興支援への日本の負うべき役割は言わずもがなである。

 早ければ、オリンピック終了後とも、秋の全人代に向けてとの声が聞かれる、台湾併合。毛沢東時代の国共内戦で逃げた国民党(今では国民党は中共の傀儡化しましたが)の台湾併合による国共内戦の最終決着という功績の獲得を実現し、毛沢東の様な独裁政治での君臨を目指す習近平。

 プーチンのウクライナ侵攻は、ウクライナ国内の独立を目指した親露派の独立国化を承認、その独立国との安全保障提携に基づく擁護要請にこたえての出兵という幼稚な根拠での出兵。
 
 福島さんの想定では、この秋、台湾を武力侵攻する計画があった習近平は、プーチンに対し個人的にも思い入れがあり、全面的支援をするつもりだった。あるいはプーチンのウクライナ侵攻に呼応して台湾進攻を計画していたかもしれないと。

 だが、五輪後に行われたロシアのウクライナ電撃進攻作戦は明らかに失敗した。党内、官僚、軍内の反習近平派がこれを理由に、反プーチン親米路線への転換を望み、秋に習近平がやりたがっていた台湾進攻阻止を訴えている。 
 3月14日には、サリバン米大統領補佐官と、知米派で知られる楊潔篪政治局委員が7時間に及ぶ会談を実施。
 仮に中国がロシアを支援せず、米国とともにロシア制裁を行う選択をとれば、習近平のメンツは完全につぶれ、第20回党大会を乗り越えられないかもしれない。
 党内アンチ習近平派と米国側が手を組んでプーチンと習近平をセットで失脚させる絵を描いている可能性もある。投資家のジョージ・ソロスがフーバー研究所のビデオ講演(1月31日)で「習近平3期目連任はない」と予言。比較的平和な人物にとって代わられることを望んでいる」と語っているのだそうです。

 最悪の場合、世界最大の食糧生産国で世界第3位のエネルギー生産国のロシアと世界最大市場で、世界第2の経済体の中国がしっかりと結束すれば、戦争は非常に長引き、世界大戦へと発展する可能性もより出てくる、それだけは避けたいと福島さん。
 今望むのは、この戦争を一刻も早く終わらせること。その早道が、中国の方向転換であるというのであれば、中国への説得と圧力は国際社会を挙げてすべきことだろう。それが習近平独裁体制の長期化を阻止し、台湾武力進攻の選択肢を中国に捨てさせることにつながるならば、なおさらだとも。

 孤立化し暴走を続けるプーチン。
 誰が説得し戦闘を止めさせられるのか?
 ウクライナとの停戦交渉でのお土産か、ロシア軍の戦力ダウン(兵士の死者数は1万人超え、兵士の士気低下、拡大する軍事費で中国に支援要請?、国内の反戦機運増大 etc.)か?

 強調したいのは、この戦争におけるウクライナの苦しみのおかげで、少なくとも台湾武力進攻危機が遠のいたとすれば、日本などが受ける平和の恩恵は計り知れないと福島さん。
 バイデン氏や欧州勢は、要望の制空権確保には動きませんでしたが、対空戦武器や対戦車攻撃ドローン他の武器や資金は提供していますし、増加させようとしています。

 外交失格の元外務大臣の岸田氏は、ゼレンスキー大統領の国会演説での支援要請に、どう応じるか。案は準備されているのでしょうか。
 避難民の受け入れを誇らしげに明言。有言不実行で、聴くだけで有言も稀な岸田氏には稀な決断と期待。日本への避難希望者を募り、民間機またはチャーター便での来日&宿泊施設確保を、新型コロナ発生時の中国からの帰国者救出並みの体制(ホテル滞在期間は、自宅があるので短期)をとるのかと期待しましたが、ふたを開ければ、1年滞在可能のビザ発行と入国前のウイルス検査やワクチン接種免除。流石は、外交能力失格の岸田氏。こんな内容なら、関連大臣レヘル発表でよい話、

 繰り返しますが、プーチンの盲目暴走を止められるのは、停戦交渉中のセレンスキー大統領の他には、誰が要るのか。
 セレンスキー大統領とウイグル国民の方々は、軍事大国のロシアと孤軍奮闘しているが、他にプーチンの暴走を止められるのは誰か。
 ふと、北風と太陽の話を想い出しますが、プーチンへの太陽の日差しは何なのでしょう。



 # 冒頭の画像は、米国議会でオンライン演説したセレンスキー大統領




  この花の名前は、フッキソウ


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