アジア太平洋経済協力会議(AREC)首脳会議出席のため、ベトナムを訪問中の安倍晋三首相は、ハノイで胡錦濤国家主席と首脳会談を行いました。
経済関係閣僚会議の設置の検討や、東シナ海ガス田問題他広範にわたり協議がなされました。
ただし、「歴史」問題についてはまったく語られなかった点で皮肉にも近年の日中関係の歴史に特筆される会合となったのだそうです。(11/19 産経朝刊)
小泉首相以来の、外交カードに使われるべき問題ではないとの一貫した姿勢が、効果を出してきたと歓迎できる態度の変化と受け取りたいところですが、いつまで続くことやら...。
日本の対中直接投資(今年の1-9月)は、327千万ドルで前年同期比30%も減っていて、通年で 4年ぶりのマイナスになる公算が大きいとされています。(11/7 日経朝刊)
米国や韓国などからの対中投資も減少が続いていて、企業の大型投資が一巡したことや、人件費や地価の上昇でコスト増への懸念が強まっていることが理由としてあげられています。
企業は、インドなど中国以外への投資を拡大したり、日本では国内へ回帰するなどの方向もあります。
五輪後の中国経済を考えると、中国政府も、外貨準備高が日本を抜いて世界一となったなど、悲鳴をあげてばかりはいられない状況との認識から、胡錦濤主席の「中日関係は重要な時期にさしかかっている」との発言となったと理解できます。
それにしても、東シナ海のガス田開発は、日中共同開発とし、当時の中川経済産業相や町村外相が奮闘して、過去の無為無策でやられたい放題であったものを、話し合いを互角に出来るところまで引き戻して、日本独自調査の準備開始までこぎつけていたのに、二階、甘利と続く内に、あっという間に昔に戻ってしまい、1日午前に八角亭でガス燃焼による炎を確認、生産を開始される状況となってしまっています。
そして、簡単な抗議はしていますが、何ら具体的な動きはしていませんでした。
麻生外相、安倍首相の対応に期待するしかなく、今回の首脳会議で取り上げられたとの記事で、期待したのですが...。
それじゃあ昔に戻っているでしょう。
共同開発の交渉中で操業をひかえていたものが、突然操業開始された事実には目をつぶって知らない振りして、これから共同開発をしようと確認しただって...!
当たり前の話ですが、甘利を選任したのは、安倍首相。
中国のやりたい放題に、ご機嫌を損ねぬよう、みざる、きかざる。いわざるを決め込むのは、安倍さんの方針...?
たまたま、中国側の状況から、「歴史」「靖国」カードを出さない首脳会談となったのですが、曖昧・八方美人の態度ではっきりと方向を示さない、胡主席と安倍首相の似通った性格からそうなっているだけといえる会談だったといえるでしょう。
そして、「八角亭」は既成事実として両国首脳が黙認し、中国が単独開発・操業をしても、日本の首相は何も言わないことも歴史に事実として残されました。中国には実のある会談で、日本には国益に反する、朝貢会談でした。
断絶していた首脳会談を、短期間に二回も実現し、多くの課題を話した(話しただけで、国益は損なっています。)と喜んでいるのは、安倍首相だけでしょう。
# 関係ないけど、今日の沖縄県知事選、結果がきになりますね。
民主党の米国(日本の負担増を要求)とのさらに厳しくなる日米関係に、大きな影響を及ぼすのですが。
↓ よろしかったら、お願いします。
経済関係閣僚会議の設置の検討や、東シナ海ガス田問題他広範にわたり協議がなされました。
ただし、「歴史」問題についてはまったく語られなかった点で皮肉にも近年の日中関係の歴史に特筆される会合となったのだそうです。(11/19 産経朝刊)
<前略>
ところが今回は両方(「歴史」と「靖国」)とも消えたのだ。その間、日本側では安倍首相は靖国をあいまいにはしても、譲歩はみせていない。日本側の歴史認識も小泉政権時代と変わった証しはない。となれば、中国側の自主的な判断で靖国や歴史を提起しないことにしたと考えるしかない。政治的な意図により対日折衝での靖国問題などは出すことも、引っ込めることも自由自在だという実態が裏づけられたといえよう。「13億の中国人民の感情が傷つけられたため」に中国政府としてはやむにやまれず、提起するほかない、という構図とはまったく異なるわけだ。
もし日本の首相の靖国参拝で中国人民が傷つき、自国政府を動かすというのならば、水が泉のように自然にわき出して、日本側にもぶつけられるということだろう。ところが今回の会談は中国側が実は水道の蛇口をひねるように人為的に水を出したり、止めたり、水量を調節したり、という実態を期せずして証したといえそうだ。
中国側は今後も政治や外交の計算次第で靖国問題を持ち出してはくるだろう。だがその提起が自国にとってなんの得もなく損ばかりだと基本の判断を下せば、日中関係でのいわゆる靖国問題というのは終わるのである。靖国参拝は本来、日本の外交の一環でも、中国側への意思表示でもないからだ。
ところが今回は両方(「歴史」と「靖国」)とも消えたのだ。その間、日本側では安倍首相は靖国をあいまいにはしても、譲歩はみせていない。日本側の歴史認識も小泉政権時代と変わった証しはない。となれば、中国側の自主的な判断で靖国や歴史を提起しないことにしたと考えるしかない。政治的な意図により対日折衝での靖国問題などは出すことも、引っ込めることも自由自在だという実態が裏づけられたといえよう。「13億の中国人民の感情が傷つけられたため」に中国政府としてはやむにやまれず、提起するほかない、という構図とはまったく異なるわけだ。
もし日本の首相の靖国参拝で中国人民が傷つき、自国政府を動かすというのならば、水が泉のように自然にわき出して、日本側にもぶつけられるということだろう。ところが今回の会談は中国側が実は水道の蛇口をひねるように人為的に水を出したり、止めたり、水量を調節したり、という実態を期せずして証したといえそうだ。
中国側は今後も政治や外交の計算次第で靖国問題を持ち出してはくるだろう。だがその提起が自国にとってなんの得もなく損ばかりだと基本の判断を下せば、日中関係でのいわゆる靖国問題というのは終わるのである。靖国参拝は本来、日本の外交の一環でも、中国側への意思表示でもないからだ。
小泉首相以来の、外交カードに使われるべき問題ではないとの一貫した姿勢が、効果を出してきたと歓迎できる態度の変化と受け取りたいところですが、いつまで続くことやら...。
日本の対中直接投資(今年の1-9月)は、327千万ドルで前年同期比30%も減っていて、通年で 4年ぶりのマイナスになる公算が大きいとされています。(11/7 日経朝刊)
米国や韓国などからの対中投資も減少が続いていて、企業の大型投資が一巡したことや、人件費や地価の上昇でコスト増への懸念が強まっていることが理由としてあげられています。
企業は、インドなど中国以外への投資を拡大したり、日本では国内へ回帰するなどの方向もあります。
五輪後の中国経済を考えると、中国政府も、外貨準備高が日本を抜いて世界一となったなど、悲鳴をあげてばかりはいられない状況との認識から、胡錦濤主席の「中日関係は重要な時期にさしかかっている」との発言となったと理解できます。
それにしても、東シナ海のガス田開発は、日中共同開発とし、当時の中川経済産業相や町村外相が奮闘して、過去の無為無策でやられたい放題であったものを、話し合いを互角に出来るところまで引き戻して、日本独自調査の準備開始までこぎつけていたのに、二階、甘利と続く内に、あっという間に昔に戻ってしまい、1日午前に八角亭でガス燃焼による炎を確認、生産を開始される状況となってしまっています。
そして、簡単な抗議はしていますが、何ら具体的な動きはしていませんでした。
麻生外相、安倍首相の対応に期待するしかなく、今回の首脳会議で取り上げられたとの記事で、期待したのですが...。
経済閣僚会議を検討 日中首脳、ガス田解決図る (11/19 産経朝刊)
【ハノイ=野口東秀】安倍晋三首相は中国の胡錦濤国家主席との会談で、日中経済関係閣僚会議の設置に向けて検討を進めていくことで合意したほか、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議について、早期に再開し具体的成果をあげることが重要だとの認識で一致した。
経済関係閣僚会議は、経済の幅広い分野で相互協力を進めていくことを目指すもの。両首脳は対立する東シナ海ガス田問題について共同開発の方向で早期解決を図ることを確認したが、新設される会議でも、エネルギーや知的財産権など日中間で摩擦が生じている問題が討議される見通しだ。
【ハノイ=野口東秀】安倍晋三首相は中国の胡錦濤国家主席との会談で、日中経済関係閣僚会議の設置に向けて検討を進めていくことで合意したほか、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議について、早期に再開し具体的成果をあげることが重要だとの認識で一致した。
経済関係閣僚会議は、経済の幅広い分野で相互協力を進めていくことを目指すもの。両首脳は対立する東シナ海ガス田問題について共同開発の方向で早期解決を図ることを確認したが、新設される会議でも、エネルギーや知的財産権など日中間で摩擦が生じている問題が討議される見通しだ。
それじゃあ昔に戻っているでしょう。
共同開発の交渉中で操業をひかえていたものが、突然操業開始された事実には目をつぶって知らない振りして、これから共同開発をしようと確認しただって...!
当たり前の話ですが、甘利を選任したのは、安倍首相。
中国のやりたい放題に、ご機嫌を損ねぬよう、みざる、きかざる。いわざるを決め込むのは、安倍さんの方針...?
たまたま、中国側の状況から、「歴史」「靖国」カードを出さない首脳会談となったのですが、曖昧・八方美人の態度ではっきりと方向を示さない、胡主席と安倍首相の似通った性格からそうなっているだけといえる会談だったといえるでしょう。
そして、「八角亭」は既成事実として両国首脳が黙認し、中国が単独開発・操業をしても、日本の首相は何も言わないことも歴史に事実として残されました。中国には実のある会談で、日本には国益に反する、朝貢会談でした。
断絶していた首脳会談を、短期間に二回も実現し、多くの課題を話した(話しただけで、国益は損なっています。)と喜んでいるのは、安倍首相だけでしょう。
# 関係ないけど、今日の沖縄県知事選、結果がきになりますね。
民主党の米国(日本の負担増を要求)とのさらに厳しくなる日米関係に、大きな影響を及ぼすのですが。
↓ よろしかったら、お願いします。
http://www.okinawatimes.co.jp/index.html
>沖縄タイムスのホーム頁で、速報がみられます。
混雑しているようで、接続時間がかかりますね。
21:44現在で、糸数 慶子 33,051票、仲井真 弘多 31,793票ですね。
結構リアルタイムな速報ですね。
糸数 慶子 280,728
確 仲井真 弘多 301,096
沖縄県民の皆様、ありがとうございました。
【名護】島袋吉和名護市長は二十日午前、県知事選に当選した仲井真弘多氏が米軍普天間飛行場移設先に関し、現行の政府案(V字案)に反対していることについて、「市としては国との基本合意書で(同案を)容認している。仲井真氏に理解してもらうよう相談しながらやっていきたい」と述べ、市の方針に理解を求めた。
島袋市長は仲井真氏が知事就任後、早い時期に直接話し合いを持ちたい意向だ。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200611201700_01.html
仲井真氏は名護市キャンプ・シュワブ沿岸部へのV字形滑走路案には、反対声明をされながらも、県の頭越しに決定されたことに抗議する。現行の案のままでは容認できず、地元の意向、条件などを踏まえ、政府との移設協議会などで結論を導きたい」とのこと。
島袋市長のご英断を、汲み上げる広い視野を期待したいものですね。