中国国家統計局が17日発表した2020年1~3月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除く実質で前年同期比6.8%減となり、四半期ベースの記録がある1992年以降で、初のマイナス成長となったのだそうです。
米中貿易摩擦による打撃で悪化していた中国経済に、新型コロナの感染拡大を受け、1月下旬から経済活動が全面的に停止したことが追い打ちをかけたことによるもの。
消費、生産、設備投資のいずれも大幅に落ち込んでいるのだそうです。
中国政府は、3月に入ってから「国内での感染流行のピークは過ぎた」との見方を前面に示し、企業活動の再開を進めていて、4月8日には、新型コロナの震源地となった湖北省武漢市の封鎖措置を解除。
工業生産は、1~2月(前年同期比13.5%減)から、3月は、前年同月比1.1%減と改善の兆しが見えたものの、統計局の毛氏は、今後の懸念点として世界での感染拡大を挙げて「世界経済の下押しリスクは増しており、不安定、不確定な要素は明らかに多くなっている」と指摘されているのだそうです。
石平氏は、倒産ラッシュで失業者が増えることでの深刻な社会・政治問題を招き、政権の命取りにもなりかねないと危惧しておられます。
経済学者の陳龍氏が、「新浪財経」で、「中小企業の“倒閉潮”(倒産・閉鎖ラッシュ)防止は最喫緊の任務」というタイトル論考を発表。中小企業の倒産・閉鎖が相次ぎ、「倒産ラッシュ」が起きていると指摘されているのだそうです。
特に状況が悪いのは輸出向けとサービス業の中小企業。
1月下旬からの全国的な交通封鎖・都市部封鎖の中でほとんどの生産メーカーが操業停止に追い込まれ、大きな損失をこうむった輸出向け中小企業。
3月になって封鎖が解除され、やっとの思いで生産再開に取り掛かろうとした途端、今度は輸出先の欧米諸国が新型コロナの感染蔓延で、海外からの中国企業への発注が取り消されたり、途切れたりして企業の倒産・休業の動きが全国規模で始まっているのだそうです。
サービス関係の中小企業も、都市封鎖・外出禁止で観光業や小売業はほとんど商売ができず、大変な苦境に陥っている。
相次ぐ企業の倒産・廃業が招く大問題のひとつは失業の拡大。製造業とサービス業における中小企業の大量倒産・廃業によって、大量失業の発生は必至。
中国全体の失業者数が2億人以上に上り、中国の労働人口約8億人の4分の1が失業するという説があるのだそうです。
そうなれば、深刻な経済問題であると同時に深刻な社会・政治問題になって、政権の命取りにもなりかねないと石平氏。
感染の再燃も危惧される中国。経済復興と、感染再燃との間で、習近平氏も苦しい政権運営が続く様です。
# 冒頭の画像は、武漢を視察した習近平
柏葉白熊
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米中貿易摩擦による打撃で悪化していた中国経済に、新型コロナの感染拡大を受け、1月下旬から経済活動が全面的に停止したことが追い打ちをかけたことによるもの。
中国GDP6・8%減 1~3月期、初のマイナス成長 - 産経ニュース 2020.4.17
【北京=三塚聖平】中国国家統計局が17日発表した2020年1~3月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除く実質で前年同期比6・8%減だった。新型コロナウイルス蔓(まん)延(えん)の直撃を受け、19年10~12月期(6・0%増)から急激に悪化。四半期ベースの記録がある1992年以降で、マイナスとなるのは初めて。
中国では新型コロナの感染拡大を受け、1月下旬から経済活動が全面的に停止した。中国全土で工場の操業が止まり、感染防止のため飲食店や小売店の休業が長期化。米中貿易摩擦による打撃で悪化していた中国経済に追い打ちをかけた。
統計局の毛(もう)盛(せい)勇(ゆう)報道官は、1~3月期の中国経済について「新型コロナが厳しい試練をもたらした」との認識を示した。
消費、生産、設備投資のいずれも大幅に落ち込んでいる。同時に発表した1~3月期の主要経済指標を見ると、消費動向を示す小売売上高は19・0%減。飲食収入が4割減となったほか、宝飾品関連などの高額消費の低迷が目立つ。
工業生産は8・4%減で、中でも自動車は26・0%減と大きく下落。企業の設備投資を含む固定資産投資は16・1%減で、道路や鉄道などのインフラ投資は19・7%減だった。
中国政府は、3月に入ってから「国内での感染流行のピークは過ぎた」との見方を前面に示し、企業活動の再開を進めている。4月8日には、新型コロナの震源地となった湖北省武漢市の封鎖措置を解除。3月単月の工業生産は前年同月比1・1%減と、1~2月(前年同期比13・5%減)から改善の兆しを見せる。
一方で、景気の先行きへの警戒感は強まっている。統計局の毛氏は、今後の懸念点として世界での感染拡大を挙げて「世界経済の下押しリスクは増しており、不安定、不確定な要素は明らかに多くなっている」と指摘した。
世界経済の悪化により輸出の低迷といったマイナス影響が見込まれており、中国の20年通年の成長率も前年から大幅に悪化する恐れがある。
【北京=三塚聖平】中国国家統計局が17日発表した2020年1~3月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除く実質で前年同期比6・8%減だった。新型コロナウイルス蔓(まん)延(えん)の直撃を受け、19年10~12月期(6・0%増)から急激に悪化。四半期ベースの記録がある1992年以降で、マイナスとなるのは初めて。
中国では新型コロナの感染拡大を受け、1月下旬から経済活動が全面的に停止した。中国全土で工場の操業が止まり、感染防止のため飲食店や小売店の休業が長期化。米中貿易摩擦による打撃で悪化していた中国経済に追い打ちをかけた。
統計局の毛(もう)盛(せい)勇(ゆう)報道官は、1~3月期の中国経済について「新型コロナが厳しい試練をもたらした」との認識を示した。
消費、生産、設備投資のいずれも大幅に落ち込んでいる。同時に発表した1~3月期の主要経済指標を見ると、消費動向を示す小売売上高は19・0%減。飲食収入が4割減となったほか、宝飾品関連などの高額消費の低迷が目立つ。
工業生産は8・4%減で、中でも自動車は26・0%減と大きく下落。企業の設備投資を含む固定資産投資は16・1%減で、道路や鉄道などのインフラ投資は19・7%減だった。
中国政府は、3月に入ってから「国内での感染流行のピークは過ぎた」との見方を前面に示し、企業活動の再開を進めている。4月8日には、新型コロナの震源地となった湖北省武漢市の封鎖措置を解除。3月単月の工業生産は前年同月比1・1%減と、1~2月(前年同期比13・5%減)から改善の兆しを見せる。
一方で、景気の先行きへの警戒感は強まっている。統計局の毛氏は、今後の懸念点として世界での感染拡大を挙げて「世界経済の下押しリスクは増しており、不安定、不確定な要素は明らかに多くなっている」と指摘した。
世界経済の悪化により輸出の低迷といったマイナス影響が見込まれており、中国の20年通年の成長率も前年から大幅に悪化する恐れがある。
消費、生産、設備投資のいずれも大幅に落ち込んでいるのだそうです。
中国政府は、3月に入ってから「国内での感染流行のピークは過ぎた」との見方を前面に示し、企業活動の再開を進めていて、4月8日には、新型コロナの震源地となった湖北省武漢市の封鎖措置を解除。
工業生産は、1~2月(前年同期比13.5%減)から、3月は、前年同月比1.1%減と改善の兆しが見えたものの、統計局の毛氏は、今後の懸念点として世界での感染拡大を挙げて「世界経済の下押しリスクは増しており、不安定、不確定な要素は明らかに多くなっている」と指摘されているのだそうです。
石平氏は、倒産ラッシュで失業者が増えることでの深刻な社会・政治問題を招き、政権の命取りにもなりかねないと危惧しておられます。
【石平のChina Watch】「倒産ラッシュ」恐れる習政権 - 産経ニュース 2020.4.16
今月5日、中国財政科学研究院・財政と国家治理センター副主任で経済学者の陳龍氏は、「新浪財経」で論考を発表した。「中小企業の“倒閉潮”(倒産・閉鎖ラッシュ)防止は最喫緊の任務」というタイトルである。
論述によると、今の中国では1月からの新型コロナウイルス感染拡大の影響で、中小企業の倒産・閉鎖が相次ぎ、「倒産ラッシュ」が起きているという。特に状況が悪いのは輸出向けとサービス業の中小企業で、よほど政策手段を講じない限り、2つの分野における大量倒産・失業は避けられない、というのである。
陳氏の指摘は、国内の実情を実に正しくとらえている。まず輸出向けの中小企業に目を向けると、1月下旬からの全国的な交通封鎖・都市部封鎖の中でほとんどの生産メーカーが操業停止に追い込まれ、大きな損失をこうむった。
3月になって封鎖が解除され、やっとの思いで生産再開に取り掛かろうとした途端、今度は輸出先の欧米諸国が新型コロナの感染蔓延(まんえん)で消費市場が止まったため、海外からの中国企業への発注が取り消されたり、途切れたりして、輸出向けの中小企業は仕事を失い、大変な窮地に立たされた。こうした中で企業の倒産・休業の動きが全国規模で始まったのである。
<中略>
相次ぐ企業の倒産・廃業が招く大問題のひとつは失業の拡大である。中国では、製造業の中小企業で働く人々が約9千万人にも上る。サービス業全体では約3億7千万人もの人を雇っているが、関連企業の大半が中小企業であることは言うまでもない。
つまり、製造業とサービス業における中小企業の大量倒産・廃業によって、大量失業の発生は必至だ。それに関して「中国首席経済学者フォーラム」のメンバーである劉陳傑氏が3月31日「財新網」で発表した論文で驚くべき数字を披露した。新型コロナの影響で中国全体の失業者数が何と2億人以上に上ることになるだろう、というのだ。
中国の労働人口は約8億人だから、4分の1が失業する計算だ。そうなれば、深刻な経済問題であると同時に深刻な社会・政治問題になって、政権の命取りにもなりかねない。
だからこそ、習近平国家主席は今月8日の共産党政治局常務委員会議で「生産回復の全面的推進」を強調したのだが、性急な「生産回復」は人の集まりと流動を作り出し、感染拡大の再燃となるおそれもある。習主席のジレンマは続く。
今月5日、中国財政科学研究院・財政と国家治理センター副主任で経済学者の陳龍氏は、「新浪財経」で論考を発表した。「中小企業の“倒閉潮”(倒産・閉鎖ラッシュ)防止は最喫緊の任務」というタイトルである。
論述によると、今の中国では1月からの新型コロナウイルス感染拡大の影響で、中小企業の倒産・閉鎖が相次ぎ、「倒産ラッシュ」が起きているという。特に状況が悪いのは輸出向けとサービス業の中小企業で、よほど政策手段を講じない限り、2つの分野における大量倒産・失業は避けられない、というのである。
陳氏の指摘は、国内の実情を実に正しくとらえている。まず輸出向けの中小企業に目を向けると、1月下旬からの全国的な交通封鎖・都市部封鎖の中でほとんどの生産メーカーが操業停止に追い込まれ、大きな損失をこうむった。
3月になって封鎖が解除され、やっとの思いで生産再開に取り掛かろうとした途端、今度は輸出先の欧米諸国が新型コロナの感染蔓延(まんえん)で消費市場が止まったため、海外からの中国企業への発注が取り消されたり、途切れたりして、輸出向けの中小企業は仕事を失い、大変な窮地に立たされた。こうした中で企業の倒産・休業の動きが全国規模で始まったのである。
<中略>
相次ぐ企業の倒産・廃業が招く大問題のひとつは失業の拡大である。中国では、製造業の中小企業で働く人々が約9千万人にも上る。サービス業全体では約3億7千万人もの人を雇っているが、関連企業の大半が中小企業であることは言うまでもない。
つまり、製造業とサービス業における中小企業の大量倒産・廃業によって、大量失業の発生は必至だ。それに関して「中国首席経済学者フォーラム」のメンバーである劉陳傑氏が3月31日「財新網」で発表した論文で驚くべき数字を披露した。新型コロナの影響で中国全体の失業者数が何と2億人以上に上ることになるだろう、というのだ。
中国の労働人口は約8億人だから、4分の1が失業する計算だ。そうなれば、深刻な経済問題であると同時に深刻な社会・政治問題になって、政権の命取りにもなりかねない。
だからこそ、習近平国家主席は今月8日の共産党政治局常務委員会議で「生産回復の全面的推進」を強調したのだが、性急な「生産回復」は人の集まりと流動を作り出し、感染拡大の再燃となるおそれもある。習主席のジレンマは続く。
経済学者の陳龍氏が、「新浪財経」で、「中小企業の“倒閉潮”(倒産・閉鎖ラッシュ)防止は最喫緊の任務」というタイトル論考を発表。中小企業の倒産・閉鎖が相次ぎ、「倒産ラッシュ」が起きていると指摘されているのだそうです。
特に状況が悪いのは輸出向けとサービス業の中小企業。
1月下旬からの全国的な交通封鎖・都市部封鎖の中でほとんどの生産メーカーが操業停止に追い込まれ、大きな損失をこうむった輸出向け中小企業。
3月になって封鎖が解除され、やっとの思いで生産再開に取り掛かろうとした途端、今度は輸出先の欧米諸国が新型コロナの感染蔓延で、海外からの中国企業への発注が取り消されたり、途切れたりして企業の倒産・休業の動きが全国規模で始まっているのだそうです。
サービス関係の中小企業も、都市封鎖・外出禁止で観光業や小売業はほとんど商売ができず、大変な苦境に陥っている。
相次ぐ企業の倒産・廃業が招く大問題のひとつは失業の拡大。製造業とサービス業における中小企業の大量倒産・廃業によって、大量失業の発生は必至。
中国全体の失業者数が2億人以上に上り、中国の労働人口約8億人の4分の1が失業するという説があるのだそうです。
そうなれば、深刻な経済問題であると同時に深刻な社会・政治問題になって、政権の命取りにもなりかねないと石平氏。
感染の再燃も危惧される中国。経済復興と、感染再燃との間で、習近平氏も苦しい政権運営が続く様です。
# 冒頭の画像は、武漢を視察した習近平
柏葉白熊
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