日米首脳会談では、対中外交姿勢で両国が連携する合意がなされ、バイデン政権が、トランプ前大統領時代と同様に新冷戦時代での中国の覇権拡大姿勢に対抗する姿勢が示されました。
一方、同時期に、ケリー米大統領特使(気候変動問題担当)を訪中させ、「パリ協定」の目標達成に向けて米中が協調する方針を表明しています。
米中、気候対策強化で合意 両国の担当特使が会談、パリ協定達成へ協力 - 産経ニュース
日本の外交専門家からは、バランスのとれたリーズナブルな外交とバイデン政府の外交を好評価する声が聞こえてきました。
一方、トランプ前大統領陣営からは、「バイデン政権の対中政策は軟弱で融和的すぎる」という批判が発信されているのだそうです。
バイデン政権の対中政策は、一見強硬であり、日本の識者の間では「トランプ前政権の対中政策を継続した」とする見解が広まっている。だが、本当にバイデン政権の対中政策はトランプ政権の政策と共通性があるのかと、産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森氏。
トランプ陣営の評価は、「バイデン政権の対中政策は軟弱で融和的すぎる」という批判が明確なのだそうです。
トランプ前大統領は3月下旬のFOXテレビのインタビューでの発言。
「今の状況をみてほしい。つい先週、中国は米国側の代表をどう扱ったか。しかも私たちの領土のアラスカ州で、とてつもなく無礼な言葉をぶつけてきた。中国は私が大統領だったときは米国にこんな態度はみせたことがない」
トランプ氏は、バイデン政権が中国に甘くみられていること、しかも、米国内で無礼な言葉を吐かれたことへの怒りを露わにし、バイデン政権の対中政策が融和的すぎると批判したと古森氏。
オバマ政権が中国への融和的な姿勢に基づいて推進したのが「対中対話」外交。だがその結果、中国は増長し、露骨に覇権主義的な行動をとるようになったと。
遊爺が度々取り上げさせていただいていますが、中国が南シナ海で人口島建設を始めた時、ハリス太平洋軍司令官(当時)が対処を提言しましたが、オバマ大統領(当時)は、習近平と話し合いで解決すると首脳会談に臨みましたが、習近平の「太平洋二分割統治論」で押し切られてしまい、今日の南シナ海の中国による不法な領土・領海化とその軍事基地化を許してしまったのでした。
トランプ政権は、政権発足当初からこの対中対話を否定したと古森氏。
習近平氏が訪米しての初会談の晩さん会で、デザートを食べながらシリア攻撃を伝え、習近平氏が絶句して固まったエピソードは諸兄がご承知の通りです。
トランプ氏、習近平氏にシリア攻撃を「チョコレートケーキを食べながら伝えた」 | ハフポスト
パンダハガー化していて、やられ放題だったオバマ政権時代から、一瞬で流れを変えた瞬間でしたね。
アラスカで行われた米中協議は、日本で行われた「2+2」とそれに続く韓国での高官会議に、中国がその足での訪中を要請。しかし、話し合いがしたければそちらから訪米しろと米中間の綱引きがあり、アラスカでの会談に至った譲歩があったことは、諸兄がご承知の通りです。
バイデン政権を批判する第2のトランプ前政権高官は、元国連大使のニッキー・ヘイリー氏だと。
ヘイリー氏は米中二国間の問題にとどまらず、中国と他の諸国との連携が今後米国にどんな影響を及ぼしていくかという多角的な問題を提起。バイデン政権は視野が狭く国際的な視点に欠けていると批判。
第3の批判者は、トランプ前政権で国家情報長官を務めたジョン・ラトクリフ氏。
バイデン政権が3月下旬に発表した国際情勢の概要をまとめた報告書について、「ひとつ致命的な欠陥がある。それは中国政府が武漢での新型コロナウイルス発生直後から2カ月近くにわたり情報を隠蔽し、正しい情報を伝えようとする現場の医師らを罰し、さらにウイルスに関する虚偽の情報を拡散した事実をまったく伝えていないという点だ」と指摘。
バイデン政権が中国政府の責任をまったく追及しないのは不自然であり、中国への融和姿勢を感じさせる、と説いているのだそうです。
バイデン政権の対中政策がトランプ前政権の対中政策と同じだとする声は否定されることになると古森氏。
日本にとって米国の政権の中国への姿勢はきわめて大きな意味を持つ。バイデン政権の対中政策の本質はなにか、多角的かつ客観的にみていくことが欠かせないとも。
今回の日米首脳会談への評価はまちまちです。以下は余談ですが、ご一読ください。
菅総理の訪米2日目に、バイデン大統領は地元のデラウェア州のウィルミントンに戻ってゴルフに出かけた。大統領がゴルフに興じるのは3ヵ月ぶりで、大統領就任後初めてだという。
だが、ゴルフが趣味である菅総理が、その場には招かれていないのである。ゴルフ好きの日本の総理が来ている中で、その日本の総理を無視して自分の仲間とゴルフに出かけたわけだ。トランプ・安倍時代とは明らかに違う、日本に対する「冷遇」を示した出来事と言えるだろうと、経済評論家の朝香豊氏。
日米首脳会談で菅首相が「屈辱的冷遇」を受けた理由(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
# 冒頭の画像は、米中アラスカ会談の様子
この花の名前は、イベリス・センパビレンス
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一方、同時期に、ケリー米大統領特使(気候変動問題担当)を訪中させ、「パリ協定」の目標達成に向けて米中が協調する方針を表明しています。
米中、気候対策強化で合意 両国の担当特使が会談、パリ協定達成へ協力 - 産経ニュース
日本の外交専門家からは、バランスのとれたリーズナブルな外交とバイデン政府の外交を好評価する声が聞こえてきました。
一方、トランプ前大統領陣営からは、「バイデン政権の対中政策は軟弱で融和的すぎる」という批判が発信されているのだそうです。
「中国に舐められてる!」トランプ陣営がバイデン政権を辛辣批判 「我々にはこんな態度はとらなかった」とトランプ氏 | JBpress(Japan Business Press) 2021.4.28(水) 古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授
米国バイデン政権の対中政策は日本にも多大な影響を及ぼす。その政策は一見強硬であり、日本の識者の間では「トランプ前政権の対中政策を継続した」とする見解が広まっている。
だが、本当にバイデン政権の対中政策はトランプ政権の政策と共通性があるのか?
それを知る手掛かりの1つとなるのが、バイデン政権の対中政策をトランプ陣営がどのように見て、評価しているか、だろう。
では、実際にトランプ陣営がどう評価しているのかというと、「バイデン政権の対中政策は軟弱で融和的すぎる」という批判が明確なのだ。
「我々にはこんな態度はみせなかった」
まず、トランプ前大統領の最近の発言を紹介しよう。バイデン政権の中国への対処について述べた言葉である。
周知のようにバイデン政権のブリンケン国務長官らは3月18日、米国のアラスカ州で、中国の共産党政治局員で外交担当の楊潔篪氏らと会談した。会談は冒頭から激論となり、中国側が米側よりずっと長く語り、米国側の「人権弾圧」や「人種差別」を非難した。
トランプ前大統領は3月下旬、FOXテレビのインタビューで次のように語った。
「私たちが政権の座にあったとき、中国に対して正しい措置をとった。だが今の状況をみてほしい。つい先週、中国は米国側の代表をどう扱ったか。しかも私たちの領土のアラスカ州で、とてつもなく無礼な言葉をぶつけてきた。中国は私が大統領だったときは米国にこんな態度はみせたことがない」
トランプ氏は、バイデン政権が中国に甘くみられていること、しかも、米国内で無礼な言葉を吐かれたことへの怒りを露わにした。バイデン政権の対中政策が融和的すぎるという批判である。
中国政府は今回のアラスカでの米中高官会談を「戦略対話」と呼んでいた。米国のオバマ政権が中国への融和的な姿勢に基づいて推進したのが「対中対話」外交だった。経済、政治、軍事その他、広範な領域で対話の場を設けて、対中関与政策を進め、対中対話の数は40ほどに及んだ。だがその結果、中国は増長し、露骨に覇権主義的な行動をとるようになった。
トランプ政権は、政権発足当初からこの対中対話を否定した。多数あった対話を次々に中断し、中国との対決姿勢を示したのである。
バイデン政権下で行われたアラスカでの米中協議は米国側の譲歩だといえた。中国側が「対話」と呼ぶ会合を、米国に中国政府代表を招いて実施したからだ。だからトランプ氏が「中国は我々にこんな態度をみせたことがない」と怒るのも決して事実に反する主張ではないといえる。
視野が狭く国際的な視点に欠けている
バイデン政権を批判する第2のトランプ前政権高官は、元国連大使のニッキー・ヘイリー氏である。
インド系米国人であるヘイリー氏は、サウスカロライナ州の知事として実績を積み、トランプ大統領から国連大使に任命された女性政治家である。保守派として内政、外交の両面で活発な言動をとってきた。
そのヘイリー氏が、4月中旬にFOXテレビやニューヨーク・ポスト紙とのインタビュ―で、バイデン政権の対中姿勢について以下のように語った。
「バイデン政権は中国に関してナイーブ(単純)すぎる。アラスカでの米中協議でも、中国側から完全に侮辱されながら反撃しない。中国が、反米テロを支援するイランと連携していても抗議をしない」
「中国はイランだけでなくロシアとも手を組み、米国に対抗しようとしている。中国はさらに北朝鮮とも反米の連携を進めている。だが、バイデン政権は中国のそうした野心的な動きに口を閉ざしたままだ。このままではバイデン政権は中国が危険な新大国となることを座視するだけだろう・・・」
ヘイリー氏は米中二国間の問題にとどまらず、中国と他の諸国との連携が今後米国にどんな影響を及ぼしていくかという多角的な問題を提起していた。バイデン政権は視野が狭く国際的な視点に欠けているという批判でもある。
中国政府の責任を追及しないバイデン政権
第3の批判者は、トランプ前政権で国家情報長官を務めたジョン・ラトクリフ氏である。
ラトクリフ氏はテキサス州の連邦検事の出身で、共和党の下院議員を4期務めたベテラン政治家である。国際戦略やインテリジェンスにも詳しく、トランプ大統領から2020年に政府の各種諜報機関を統括する国家情報長官に任じられた。
バイデン政権は3月下旬、CIA(中央情報局)やNSA(国家安全保障局)からの安全保障やインテリジェンスに関する報告を基に、国際情勢の概要をまとめた報告書を発表した。ラトクリフ氏はその報告書の内容について、FOXテレビのインタビューに応じて次のように語った。
「バイデン政権のこの報告書は中国の動向も取り上げ、米国にどのような危害や悪影響を及ぼすかという視点から述べている。だが、ひとつ致命的な欠陥がある。それは中国政府が武漢での新型コロナウイルス発生直後から2カ月近くにわたり情報を隠蔽し、正しい情報を伝えようとする現場の医師らを罰し、さらにウイルスに関する虚偽の情報を拡散した事実をまったく伝えていないという点だ」
以上のようにラトクリフ氏は、米国民を苦しめた新型コロナウイルスに関してバイデン政権が中国政府の責任をまったく追及しないのは不自然であり、中国への融和姿勢を感じさせる、と説いている。
踏襲されていない対中姿勢
こうしてトランプ氏自身をはじめ前政権の中枢幹部だった人物たちが、バイデン政権の対中政策の具体点を挙げて批判を浴びせている。この事実は、バイデン政権の対中政策がトランプ前政権の対中政策と同じだとする主張を否定することになるだろう。
日本にとって米国の政権の中国への姿勢はきわめて大きな意味を持つ。バイデン政権の対中政策の本質はなにか、多角的かつ客観的にみていくことが欠かせないだろう。
米国バイデン政権の対中政策は日本にも多大な影響を及ぼす。その政策は一見強硬であり、日本の識者の間では「トランプ前政権の対中政策を継続した」とする見解が広まっている。
だが、本当にバイデン政権の対中政策はトランプ政権の政策と共通性があるのか?
それを知る手掛かりの1つとなるのが、バイデン政権の対中政策をトランプ陣営がどのように見て、評価しているか、だろう。
では、実際にトランプ陣営がどう評価しているのかというと、「バイデン政権の対中政策は軟弱で融和的すぎる」という批判が明確なのだ。
「我々にはこんな態度はみせなかった」
まず、トランプ前大統領の最近の発言を紹介しよう。バイデン政権の中国への対処について述べた言葉である。
周知のようにバイデン政権のブリンケン国務長官らは3月18日、米国のアラスカ州で、中国の共産党政治局員で外交担当の楊潔篪氏らと会談した。会談は冒頭から激論となり、中国側が米側よりずっと長く語り、米国側の「人権弾圧」や「人種差別」を非難した。
トランプ前大統領は3月下旬、FOXテレビのインタビューで次のように語った。
「私たちが政権の座にあったとき、中国に対して正しい措置をとった。だが今の状況をみてほしい。つい先週、中国は米国側の代表をどう扱ったか。しかも私たちの領土のアラスカ州で、とてつもなく無礼な言葉をぶつけてきた。中国は私が大統領だったときは米国にこんな態度はみせたことがない」
トランプ氏は、バイデン政権が中国に甘くみられていること、しかも、米国内で無礼な言葉を吐かれたことへの怒りを露わにした。バイデン政権の対中政策が融和的すぎるという批判である。
中国政府は今回のアラスカでの米中高官会談を「戦略対話」と呼んでいた。米国のオバマ政権が中国への融和的な姿勢に基づいて推進したのが「対中対話」外交だった。経済、政治、軍事その他、広範な領域で対話の場を設けて、対中関与政策を進め、対中対話の数は40ほどに及んだ。だがその結果、中国は増長し、露骨に覇権主義的な行動をとるようになった。
トランプ政権は、政権発足当初からこの対中対話を否定した。多数あった対話を次々に中断し、中国との対決姿勢を示したのである。
バイデン政権下で行われたアラスカでの米中協議は米国側の譲歩だといえた。中国側が「対話」と呼ぶ会合を、米国に中国政府代表を招いて実施したからだ。だからトランプ氏が「中国は我々にこんな態度をみせたことがない」と怒るのも決して事実に反する主張ではないといえる。
視野が狭く国際的な視点に欠けている
バイデン政権を批判する第2のトランプ前政権高官は、元国連大使のニッキー・ヘイリー氏である。
インド系米国人であるヘイリー氏は、サウスカロライナ州の知事として実績を積み、トランプ大統領から国連大使に任命された女性政治家である。保守派として内政、外交の両面で活発な言動をとってきた。
そのヘイリー氏が、4月中旬にFOXテレビやニューヨーク・ポスト紙とのインタビュ―で、バイデン政権の対中姿勢について以下のように語った。
「バイデン政権は中国に関してナイーブ(単純)すぎる。アラスカでの米中協議でも、中国側から完全に侮辱されながら反撃しない。中国が、反米テロを支援するイランと連携していても抗議をしない」
「中国はイランだけでなくロシアとも手を組み、米国に対抗しようとしている。中国はさらに北朝鮮とも反米の連携を進めている。だが、バイデン政権は中国のそうした野心的な動きに口を閉ざしたままだ。このままではバイデン政権は中国が危険な新大国となることを座視するだけだろう・・・」
ヘイリー氏は米中二国間の問題にとどまらず、中国と他の諸国との連携が今後米国にどんな影響を及ぼしていくかという多角的な問題を提起していた。バイデン政権は視野が狭く国際的な視点に欠けているという批判でもある。
中国政府の責任を追及しないバイデン政権
第3の批判者は、トランプ前政権で国家情報長官を務めたジョン・ラトクリフ氏である。
ラトクリフ氏はテキサス州の連邦検事の出身で、共和党の下院議員を4期務めたベテラン政治家である。国際戦略やインテリジェンスにも詳しく、トランプ大統領から2020年に政府の各種諜報機関を統括する国家情報長官に任じられた。
バイデン政権は3月下旬、CIA(中央情報局)やNSA(国家安全保障局)からの安全保障やインテリジェンスに関する報告を基に、国際情勢の概要をまとめた報告書を発表した。ラトクリフ氏はその報告書の内容について、FOXテレビのインタビューに応じて次のように語った。
「バイデン政権のこの報告書は中国の動向も取り上げ、米国にどのような危害や悪影響を及ぼすかという視点から述べている。だが、ひとつ致命的な欠陥がある。それは中国政府が武漢での新型コロナウイルス発生直後から2カ月近くにわたり情報を隠蔽し、正しい情報を伝えようとする現場の医師らを罰し、さらにウイルスに関する虚偽の情報を拡散した事実をまったく伝えていないという点だ」
以上のようにラトクリフ氏は、米国民を苦しめた新型コロナウイルスに関してバイデン政権が中国政府の責任をまったく追及しないのは不自然であり、中国への融和姿勢を感じさせる、と説いている。
踏襲されていない対中姿勢
こうしてトランプ氏自身をはじめ前政権の中枢幹部だった人物たちが、バイデン政権の対中政策の具体点を挙げて批判を浴びせている。この事実は、バイデン政権の対中政策がトランプ前政権の対中政策と同じだとする主張を否定することになるだろう。
日本にとって米国の政権の中国への姿勢はきわめて大きな意味を持つ。バイデン政権の対中政策の本質はなにか、多角的かつ客観的にみていくことが欠かせないだろう。
バイデン政権の対中政策は、一見強硬であり、日本の識者の間では「トランプ前政権の対中政策を継続した」とする見解が広まっている。だが、本当にバイデン政権の対中政策はトランプ政権の政策と共通性があるのかと、産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森氏。
トランプ陣営の評価は、「バイデン政権の対中政策は軟弱で融和的すぎる」という批判が明確なのだそうです。
トランプ前大統領は3月下旬のFOXテレビのインタビューでの発言。
「今の状況をみてほしい。つい先週、中国は米国側の代表をどう扱ったか。しかも私たちの領土のアラスカ州で、とてつもなく無礼な言葉をぶつけてきた。中国は私が大統領だったときは米国にこんな態度はみせたことがない」
トランプ氏は、バイデン政権が中国に甘くみられていること、しかも、米国内で無礼な言葉を吐かれたことへの怒りを露わにし、バイデン政権の対中政策が融和的すぎると批判したと古森氏。
オバマ政権が中国への融和的な姿勢に基づいて推進したのが「対中対話」外交。だがその結果、中国は増長し、露骨に覇権主義的な行動をとるようになったと。
遊爺が度々取り上げさせていただいていますが、中国が南シナ海で人口島建設を始めた時、ハリス太平洋軍司令官(当時)が対処を提言しましたが、オバマ大統領(当時)は、習近平と話し合いで解決すると首脳会談に臨みましたが、習近平の「太平洋二分割統治論」で押し切られてしまい、今日の南シナ海の中国による不法な領土・領海化とその軍事基地化を許してしまったのでした。
トランプ政権は、政権発足当初からこの対中対話を否定したと古森氏。
習近平氏が訪米しての初会談の晩さん会で、デザートを食べながらシリア攻撃を伝え、習近平氏が絶句して固まったエピソードは諸兄がご承知の通りです。
トランプ氏、習近平氏にシリア攻撃を「チョコレートケーキを食べながら伝えた」 | ハフポスト
パンダハガー化していて、やられ放題だったオバマ政権時代から、一瞬で流れを変えた瞬間でしたね。
アラスカで行われた米中協議は、日本で行われた「2+2」とそれに続く韓国での高官会議に、中国がその足での訪中を要請。しかし、話し合いがしたければそちらから訪米しろと米中間の綱引きがあり、アラスカでの会談に至った譲歩があったことは、諸兄がご承知の通りです。
バイデン政権を批判する第2のトランプ前政権高官は、元国連大使のニッキー・ヘイリー氏だと。
ヘイリー氏は米中二国間の問題にとどまらず、中国と他の諸国との連携が今後米国にどんな影響を及ぼしていくかという多角的な問題を提起。バイデン政権は視野が狭く国際的な視点に欠けていると批判。
第3の批判者は、トランプ前政権で国家情報長官を務めたジョン・ラトクリフ氏。
バイデン政権が3月下旬に発表した国際情勢の概要をまとめた報告書について、「ひとつ致命的な欠陥がある。それは中国政府が武漢での新型コロナウイルス発生直後から2カ月近くにわたり情報を隠蔽し、正しい情報を伝えようとする現場の医師らを罰し、さらにウイルスに関する虚偽の情報を拡散した事実をまったく伝えていないという点だ」と指摘。
バイデン政権が中国政府の責任をまったく追及しないのは不自然であり、中国への融和姿勢を感じさせる、と説いているのだそうです。
バイデン政権の対中政策がトランプ前政権の対中政策と同じだとする声は否定されることになると古森氏。
日本にとって米国の政権の中国への姿勢はきわめて大きな意味を持つ。バイデン政権の対中政策の本質はなにか、多角的かつ客観的にみていくことが欠かせないとも。
今回の日米首脳会談への評価はまちまちです。以下は余談ですが、ご一読ください。
菅総理の訪米2日目に、バイデン大統領は地元のデラウェア州のウィルミントンに戻ってゴルフに出かけた。大統領がゴルフに興じるのは3ヵ月ぶりで、大統領就任後初めてだという。
だが、ゴルフが趣味である菅総理が、その場には招かれていないのである。ゴルフ好きの日本の総理が来ている中で、その日本の総理を無視して自分の仲間とゴルフに出かけたわけだ。トランプ・安倍時代とは明らかに違う、日本に対する「冷遇」を示した出来事と言えるだろうと、経済評論家の朝香豊氏。
日米首脳会談で菅首相が「屈辱的冷遇」を受けた理由(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
# 冒頭の画像は、米中アラスカ会談の様子
この花の名前は、イベリス・センパビレンス
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