米国のドナルド・トランプ政権が中国との対決姿勢を一段と強めていると、長谷川氏。
新型コロナウイルスの武漢肺炎感染拡大で、大統領選での非難をかわすためとの声も見かけますが、元々貿易戦争に端を発した、「新冷戦時代」に突入していた両国の覇権争いが、一段とエスレートしたとみるべきなのですね。
かたや中国も、米国の攻撃を正面から受けて立つ構え、と言っていいと長谷川氏。
米国は新型コロナウイルスの発生源をめぐって、中国批判を強めていた。
そこへ、中国が香港に「国家安全法」を導入。火に油を注ぐ形になった。
同法が導入されれば、反政府デモや集会などが厳しく制限され、香港の「1国2制度」は事実上、崩壊する可能性が高い。
米国は5月27日、香港情勢を討議するため国連安全保障理事会の開催も求めたが、中国は「完全に内政問題であり、安保理とは関係ない」と安保理の開催を拒否した。
トランプ大統領は制裁発動を示唆しており、香港に供与してきた関税優遇措置などを取り消す可能性が高い。新型コロナウイルス問題に加えて、いまや香港問題が米中激突の焦点になってきた。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、米国人の反中国感情は政治的立場を問わず、劇的に高まった。
国防総省は5月20日、対中戦略に関する新たな報告書を発表。その後、ホワイトハウスも26日、ホームページで報告書に触れ「米国の人々は中国共産党の本質やそれが米国の経済的利益、安全保障、価値観に及ぼす脅威を、これまで以上によく理解するようになった」と強調。さらに、「いまや『彼らを国際機関や世界貿易に関わるようにすれば、やがて善良で信頼できるパートナーに変えられる』という過去20年間の誤った政策を考え直すときだ」とも。
トランプ政権の対中政策がかつてなく強硬論に傾斜したことがうかがえると長谷川氏。
報告書の中身をみると、一言で言えば「オレたちを甘く見るな、やるときはやるぞ」という通告だと。
「外交が成果を出せないなら」という前提は、はっきりと「武力に訴える」とまでは言っていないが、軍事的選択肢を匂わせているとも。
「しっかり目を見開いて(clear-eyed)」という表現は、「オレたちは、もうごまかされないぞ」という決意のほどがうかがえると長谷川氏。
中国はどう対応するのか。
王毅外相は、米国の攻撃を正面から受けて立つ構え、と言っていい。あえて「新冷戦」という刺激的な言葉を使ったあたりに、中国の決意がうかがえると長谷川氏。
ロイター通信が5月4日、中国のシンクタンクの報告を基に、新型コロナウイルスの感染爆発によって「中国は米国と軍事衝突(armed confrontation)しかねないほどの深刻な敵意に直面している」と報じたのだそうです。
「陰の政策立案機関」と言ってもいいシンクタンクが、米国と「軍事衝突する可能性」を指摘した報告をまとめ、ロイターにリークしたのは、米国に向けて強い警告を発した、とみていいと長谷川氏。
そんな背景の下でも、習近平政権は香港をめぐって強硬突破を図ってきた。
米中はいよいよ「激突コース」に突入していると。
# 冒頭の画像は、トランプ大統領
この花の名前は、シャガ
↓よろしかったら、お願いします。
新型コロナウイルスの武漢肺炎感染拡大で、大統領選での非難をかわすためとの声も見かけますが、元々貿易戦争に端を発した、「新冷戦時代」に突入していた両国の覇権争いが、一段とエスレートしたとみるべきなのですね。
かたや中国も、米国の攻撃を正面から受けて立つ構え、と言っていいと長谷川氏。
「激突コース」を突き進む米中、ついに見えてきた「軍事的選択肢」(長谷川 幸洋) | 現代ビジネス | 講談社 2020.05.29
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■香港の「一国二制度」は崩壊か
米国のドナルド・トランプ政権が中国との対決姿勢を一段と強めている。米国防総省は最新の報告書で「外交が成果を出せないなら、米国の利益を守るために、必要な行動をとる」と表明した。軍事衝突も辞さない覚悟なのか。
米国は新型コロナウイルスの発生源をめぐって、マイク・ポンペオ国務長官が「武漢の研究所から流出したのではないか」と繰り返すなど、中国批判を強めていた。そこへ、中国が香港に「国家安全法」を導入する方針を決め、火に油を注ぐ形になった。
同法が導入されれば、反政府デモや集会などが厳しく制限され、香港の「1国2制度」は事実上、崩壊する可能性が高い。ポンペオ氏は5月27日、香港について「もはや中国からの自治が維持されているとは言えない」との声明を出し、議会に報告した(https://www.state.gov/prc-national-peoples-congress-proposal-on-hong-kong-national-security-legislation/)。
米国は同日、香港情勢を討議するため国連安全保障理事会の開催も求めたが、中国が反対して開かれなかった。米国は「世界の平和と安全に関わる問題だ」と主張したが、中国は「完全に内政問題であり、安保理とは関係ない」と安保理の開催を拒否した。
トランプ大統領は制裁発動を示唆しており、このままなら、米国は中国に対する一連の制裁関税とは切り離して、香港に供与してきた関税優遇措置などを取り消す可能性が高い。新型コロナウイルス問題に加えて、いまや香港問題が米中激突の焦点になってきた。
■「誤った対中政策を考え直す」
そんな最中、国防総省は5月20日、対中戦略に関する新たな報告書を発表した(https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2020/05/U.S.-Strategic-Approach-to-The-Peoples-Republic-of-China-Report-5.20.20-1.pdf)。「中国に対する米国の戦略的アプローチ」と題する16ページの文書である。本文を紹介する前に、発表の経緯に触れておこう。
この報告書は、国防総省が20日付のプレス向けリリースで発表した(https://www.defense.gov/Newsroom/Releases/Release/Article/2193725/united-states-strategic-approach-to-the-peoples-republic-of-china/)。その後、ホワイトハウスも26日、ホームページで報告書に触れ「パンデミック(疫病の世界的流行)に対する対応で示されたように、米国の人々は中国共産党の本質やそれが米国の経済的利益、安全保障、価値観に及ぼす脅威を、これまで以上によく理解するようになった」と強調した(https://www.whitehouse.gov/articles/united-states-strategic-approach-to-the-peoples-republic-of-china/)。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、米国人の反中国感情は政治的立場を問わず、劇的に高まった。ホワイトハウスがそれを裏付けた形だ。中国共産党による初期対応の失敗と隠蔽によって、米国だけでも死者が10万人を超えたとなれば、それも当然だろう。
そのうえで、ホワイトハウスの発表は「大統領は中国共産党の邪悪な行動と政策から、米国市民と国土、生活様式を守る決意を固めている。…いまや『彼らを国際機関や世界貿易に関わるようにすれば、やがて善良で信頼できるパートナーに変えられる』という過去20年間の誤った政策を考え直すときだ」と強調している。
これだけでも、トランプ政権の対中政策がかつてなく強硬論に傾斜したことがうかがえるが、報告書の中身をみると、それは一層、明白になる。もっとも目を引いたのは、次のくだりだ。
----------------------------------------------------
〈米国は象徴主義やこけおどしによる中国への関与には、何の価値も見出していない。そうではなく、我々は目に見える結果と建設的な結論を求める。我々はタイムリーなインセンティブとコスト、あるいは信頼できる脅威を活用して、中国の駆け引きに対応する。静かな外交が成果を出せないなら、米国は自国の利益を守るために、必要とあれば、適切なコストを払って、中国政府への圧力を増大し、行動を起こす〉
----------------------------------------------------
■「外交」でダメなら…どうなるか
この文章は、何を意味するのか。
「中国があの手この手で米国を脅したとしても、我々は相手にしない。こけおどしのような反論もしない。硬軟両様で対応するが、必要とあらば、オマエたちが脅威と感じるような行動も起こすぞ」という話だ。一言で言えば「オレたちを甘く見るな、やるときはやるぞ」という通告である。
とりわけ「外交が成果を出せないなら」という前提は、いかにも不気味に響く。外交手段が尽きた先に「戦争」があるのは、国際社会の常識だ。「脅威」という、キナ臭い単語も使っている。はっきりと「武力に訴える」とまでは言っていないが、軍事的選択肢を匂わせているのだ。
トランプ政権は中国にどう対応するのか。報告書は次のように書いている。
----------------------------------------------------
〈北京の挑戦に対応するために、政権はしっかり目を見開いて、中国共産党の意思と行動を分析し、米国がもっている多くの戦略的優位性と欠陥を再評価し、さらに二国間の摩擦激化も甘んじて受け入れながら、中国に『競争的アプローチ』を採用する〉
----------------------------------------------------
この「しっかり目を見開いて(clear-eyed)」という表現は、報告書の最初と最後に2回出てくる。政府の公式文書で、こういう言い方は異例だ。「オレたちは、もうごまかされないぞ」という決意のほどがうかがえる。
■中国は「正面から受けて立つ」
競争的アプローチとは何か。中国に対してオープンで建設的、かつ結果重視の関与政策は続けるが、同時に米国の利益と価値を守り、影響力を拡大するために「原則を重視した現実主義」を採用する、という。
具体的には、司法省や連邦捜査局(FBI)は中国のスパイ活動を摘発し、中国報道機関の活動も監視する。中国の市場を歪める技術移転や知的財産の窃盗行為には、懲罰的な高関税を課す。米軍は南シナ海を含めて、国際法に基づく自由な航海を守るために、パトロールを続ける、などだ。
外交面でも、防衛装備の売却などを通じて、台湾との関係を強化する一方、香港についても「約85000人の米国市民がいて、1300以上の米国企業が進出している。大統領や副大統領、国務長官は北京に対して、繰り返し(1国2制度を定めた)1984年の中英宣言を尊重するよう求めてきた」と記した。
さて、そんなトランプ政権に中国はどう対応するのか。
王毅外相は5月24日の会見で「米国の一部政治勢力は中米関係を『新冷戦』に向かわせようとしている。この種の危険なやり方は歴史を逆戻りさせる」と警告した。新型コロナウイルスについては「一部政治家が多くの嘘をでっち上げている」とし、香港についても「一刻の猶予もない。(国家安全法の導入を)必ずやりとげる」と強調した。
米国の攻撃を正面から受けて立つ構え、と言っていい。あえて「新冷戦」という刺激的な言葉を使ったあたりに、中国の決意がうかがえる。単に言葉だけでもない。実は、王毅氏の会見に先立って「米国との軍事衝突もありうる」という中国側の認識を示すサインもあった。
ロイター通信が5月4日、中国のシンクタンクの報告を基に、新型コロナウイルスの感染爆発によって「中国は米国と軍事衝突(armed confrontation)しかねないほどの深刻な敵意に直面している」と報じていたのだ(https://www.reuters.com/article/us-health-coronavirus-china-sentiment-ex/exclusive-internal-chinese-report-warns-beijing-faces-tiananmen-like-global-backlash-over-virus-idUSKBN22G19C)。
このシンクタンクは「中国現代国際関係研究院(CICIR)」という。かつては、中国の情報機関と安全保障政策全般を担当する国家安全保障省の1部門だった。いわば「陰の政策立案機関」と言ってもいい。
そんな組織が米国と「軍事衝突する可能性」を指摘した報告をまとめ、ロイターにリークしたのは、米国に向けて強い警告を発した、とみていい。以上のような背景の下で、習近平政権は香港をめぐって強硬突破を図ってきたのだ。
米中はいよいよ「激突コース」に突入している。
売り言葉に買い言葉…
■香港の「一国二制度」は崩壊か
米国のドナルド・トランプ政権が中国との対決姿勢を一段と強めている。米国防総省は最新の報告書で「外交が成果を出せないなら、米国の利益を守るために、必要な行動をとる」と表明した。軍事衝突も辞さない覚悟なのか。
米国は新型コロナウイルスの発生源をめぐって、マイク・ポンペオ国務長官が「武漢の研究所から流出したのではないか」と繰り返すなど、中国批判を強めていた。そこへ、中国が香港に「国家安全法」を導入する方針を決め、火に油を注ぐ形になった。
同法が導入されれば、反政府デモや集会などが厳しく制限され、香港の「1国2制度」は事実上、崩壊する可能性が高い。ポンペオ氏は5月27日、香港について「もはや中国からの自治が維持されているとは言えない」との声明を出し、議会に報告した(https://www.state.gov/prc-national-peoples-congress-proposal-on-hong-kong-national-security-legislation/)。
米国は同日、香港情勢を討議するため国連安全保障理事会の開催も求めたが、中国が反対して開かれなかった。米国は「世界の平和と安全に関わる問題だ」と主張したが、中国は「完全に内政問題であり、安保理とは関係ない」と安保理の開催を拒否した。
トランプ大統領は制裁発動を示唆しており、このままなら、米国は中国に対する一連の制裁関税とは切り離して、香港に供与してきた関税優遇措置などを取り消す可能性が高い。新型コロナウイルス問題に加えて、いまや香港問題が米中激突の焦点になってきた。
■「誤った対中政策を考え直す」
そんな最中、国防総省は5月20日、対中戦略に関する新たな報告書を発表した(https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2020/05/U.S.-Strategic-Approach-to-The-Peoples-Republic-of-China-Report-5.20.20-1.pdf)。「中国に対する米国の戦略的アプローチ」と題する16ページの文書である。本文を紹介する前に、発表の経緯に触れておこう。
この報告書は、国防総省が20日付のプレス向けリリースで発表した(https://www.defense.gov/Newsroom/Releases/Release/Article/2193725/united-states-strategic-approach-to-the-peoples-republic-of-china/)。その後、ホワイトハウスも26日、ホームページで報告書に触れ「パンデミック(疫病の世界的流行)に対する対応で示されたように、米国の人々は中国共産党の本質やそれが米国の経済的利益、安全保障、価値観に及ぼす脅威を、これまで以上によく理解するようになった」と強調した(https://www.whitehouse.gov/articles/united-states-strategic-approach-to-the-peoples-republic-of-china/)。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、米国人の反中国感情は政治的立場を問わず、劇的に高まった。ホワイトハウスがそれを裏付けた形だ。中国共産党による初期対応の失敗と隠蔽によって、米国だけでも死者が10万人を超えたとなれば、それも当然だろう。
そのうえで、ホワイトハウスの発表は「大統領は中国共産党の邪悪な行動と政策から、米国市民と国土、生活様式を守る決意を固めている。…いまや『彼らを国際機関や世界貿易に関わるようにすれば、やがて善良で信頼できるパートナーに変えられる』という過去20年間の誤った政策を考え直すときだ」と強調している。
これだけでも、トランプ政権の対中政策がかつてなく強硬論に傾斜したことがうかがえるが、報告書の中身をみると、それは一層、明白になる。もっとも目を引いたのは、次のくだりだ。
----------------------------------------------------
〈米国は象徴主義やこけおどしによる中国への関与には、何の価値も見出していない。そうではなく、我々は目に見える結果と建設的な結論を求める。我々はタイムリーなインセンティブとコスト、あるいは信頼できる脅威を活用して、中国の駆け引きに対応する。静かな外交が成果を出せないなら、米国は自国の利益を守るために、必要とあれば、適切なコストを払って、中国政府への圧力を増大し、行動を起こす〉
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■「外交」でダメなら…どうなるか
この文章は、何を意味するのか。
「中国があの手この手で米国を脅したとしても、我々は相手にしない。こけおどしのような反論もしない。硬軟両様で対応するが、必要とあらば、オマエたちが脅威と感じるような行動も起こすぞ」という話だ。一言で言えば「オレたちを甘く見るな、やるときはやるぞ」という通告である。
とりわけ「外交が成果を出せないなら」という前提は、いかにも不気味に響く。外交手段が尽きた先に「戦争」があるのは、国際社会の常識だ。「脅威」という、キナ臭い単語も使っている。はっきりと「武力に訴える」とまでは言っていないが、軍事的選択肢を匂わせているのだ。
トランプ政権は中国にどう対応するのか。報告書は次のように書いている。
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〈北京の挑戦に対応するために、政権はしっかり目を見開いて、中国共産党の意思と行動を分析し、米国がもっている多くの戦略的優位性と欠陥を再評価し、さらに二国間の摩擦激化も甘んじて受け入れながら、中国に『競争的アプローチ』を採用する〉
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この「しっかり目を見開いて(clear-eyed)」という表現は、報告書の最初と最後に2回出てくる。政府の公式文書で、こういう言い方は異例だ。「オレたちは、もうごまかされないぞ」という決意のほどがうかがえる。
■中国は「正面から受けて立つ」
競争的アプローチとは何か。中国に対してオープンで建設的、かつ結果重視の関与政策は続けるが、同時に米国の利益と価値を守り、影響力を拡大するために「原則を重視した現実主義」を採用する、という。
具体的には、司法省や連邦捜査局(FBI)は中国のスパイ活動を摘発し、中国報道機関の活動も監視する。中国の市場を歪める技術移転や知的財産の窃盗行為には、懲罰的な高関税を課す。米軍は南シナ海を含めて、国際法に基づく自由な航海を守るために、パトロールを続ける、などだ。
外交面でも、防衛装備の売却などを通じて、台湾との関係を強化する一方、香港についても「約85000人の米国市民がいて、1300以上の米国企業が進出している。大統領や副大統領、国務長官は北京に対して、繰り返し(1国2制度を定めた)1984年の中英宣言を尊重するよう求めてきた」と記した。
さて、そんなトランプ政権に中国はどう対応するのか。
王毅外相は5月24日の会見で「米国の一部政治勢力は中米関係を『新冷戦』に向かわせようとしている。この種の危険なやり方は歴史を逆戻りさせる」と警告した。新型コロナウイルスについては「一部政治家が多くの嘘をでっち上げている」とし、香港についても「一刻の猶予もない。(国家安全法の導入を)必ずやりとげる」と強調した。
米国の攻撃を正面から受けて立つ構え、と言っていい。あえて「新冷戦」という刺激的な言葉を使ったあたりに、中国の決意がうかがえる。単に言葉だけでもない。実は、王毅氏の会見に先立って「米国との軍事衝突もありうる」という中国側の認識を示すサインもあった。
ロイター通信が5月4日、中国のシンクタンクの報告を基に、新型コロナウイルスの感染爆発によって「中国は米国と軍事衝突(armed confrontation)しかねないほどの深刻な敵意に直面している」と報じていたのだ(https://www.reuters.com/article/us-health-coronavirus-china-sentiment-ex/exclusive-internal-chinese-report-warns-beijing-faces-tiananmen-like-global-backlash-over-virus-idUSKBN22G19C)。
このシンクタンクは「中国現代国際関係研究院(CICIR)」という。かつては、中国の情報機関と安全保障政策全般を担当する国家安全保障省の1部門だった。いわば「陰の政策立案機関」と言ってもいい。
そんな組織が米国と「軍事衝突する可能性」を指摘した報告をまとめ、ロイターにリークしたのは、米国に向けて強い警告を発した、とみていい。以上のような背景の下で、習近平政権は香港をめぐって強硬突破を図ってきたのだ。
米中はいよいよ「激突コース」に突入している。
米国は新型コロナウイルスの発生源をめぐって、中国批判を強めていた。
そこへ、中国が香港に「国家安全法」を導入。火に油を注ぐ形になった。
同法が導入されれば、反政府デモや集会などが厳しく制限され、香港の「1国2制度」は事実上、崩壊する可能性が高い。
米国は5月27日、香港情勢を討議するため国連安全保障理事会の開催も求めたが、中国は「完全に内政問題であり、安保理とは関係ない」と安保理の開催を拒否した。
トランプ大統領は制裁発動を示唆しており、香港に供与してきた関税優遇措置などを取り消す可能性が高い。新型コロナウイルス問題に加えて、いまや香港問題が米中激突の焦点になってきた。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、米国人の反中国感情は政治的立場を問わず、劇的に高まった。
国防総省は5月20日、対中戦略に関する新たな報告書を発表。その後、ホワイトハウスも26日、ホームページで報告書に触れ「米国の人々は中国共産党の本質やそれが米国の経済的利益、安全保障、価値観に及ぼす脅威を、これまで以上によく理解するようになった」と強調。さらに、「いまや『彼らを国際機関や世界貿易に関わるようにすれば、やがて善良で信頼できるパートナーに変えられる』という過去20年間の誤った政策を考え直すときだ」とも。
トランプ政権の対中政策がかつてなく強硬論に傾斜したことがうかがえると長谷川氏。
報告書の中身をみると、一言で言えば「オレたちを甘く見るな、やるときはやるぞ」という通告だと。
「外交が成果を出せないなら」という前提は、はっきりと「武力に訴える」とまでは言っていないが、軍事的選択肢を匂わせているとも。
「しっかり目を見開いて(clear-eyed)」という表現は、「オレたちは、もうごまかされないぞ」という決意のほどがうかがえると長谷川氏。
中国はどう対応するのか。
王毅外相は、米国の攻撃を正面から受けて立つ構え、と言っていい。あえて「新冷戦」という刺激的な言葉を使ったあたりに、中国の決意がうかがえると長谷川氏。
ロイター通信が5月4日、中国のシンクタンクの報告を基に、新型コロナウイルスの感染爆発によって「中国は米国と軍事衝突(armed confrontation)しかねないほどの深刻な敵意に直面している」と報じたのだそうです。
「陰の政策立案機関」と言ってもいいシンクタンクが、米国と「軍事衝突する可能性」を指摘した報告をまとめ、ロイターにリークしたのは、米国に向けて強い警告を発した、とみていいと長谷川氏。
そんな背景の下でも、習近平政権は香港をめぐって強硬突破を図ってきた。
米中はいよいよ「激突コース」に突入していると。
# 冒頭の画像は、トランプ大統領
この花の名前は、シャガ
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