遊爺雑記帳

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ウクライナ戦争 局面

2022-04-24 01:33:50 | 英国全般
  ゼレンスキー大統領は 4月18日にロシア軍が「『ドンバスの戦い』を開始した」と述べ、同国東部2州制圧を目指し本格的な攻勢に入ったとし、ラブロフ外相も同19日に作戦が「新たな段階に入った」と表明しました。
 この「ドンバスの戦い」は、これまでとは違うと予想され、西側のウクライナへの支援も戦車など重装備の供与へと変化している。これは単に供与する兵器が変わっただけでなく、戦争そのものの本質的な変化も意味すると、サンケイスポーツ・梶川氏。
 
【軍事のツボ】特別版7 局面転換したウクライナ戦争、西側の重装備供与が意味すること - zakzak:夕刊フジ公式サイト 2022.4/23

 ウクライナのゼレンスキー大統領は4月18日にロシア軍が「『ドンバスの戦い』を開始した」と述べ、同国東部2州制圧を目指し本格的な攻勢に入ったとした。ロシア側もラブロフ外相が同19日に作戦が「新たな段階に入った」と表明した。ロシアが当面の戦略目標をドンバス地方占領などに変更した、この「ドンバスの戦い」は、これまでとは違うと予想され、西側のウクライナへの支援も戦車など重装備の供与へと変化している。これは単に供与する兵器が変わっただけでなく、戦争そのものの本質的な変化も意味する

 これまで西側の支援は、ジャベリンやNLAWなどの携行式対戦車ミサイル・火器や自爆型ドローン、弾薬といった小型の兵器類や通信やレーダー画像、衛星画像などの情報にとどまっていた。

 もちろんこの情報は非常に大事で、北大西洋条約機構(NATO)は偵察衛星、AWACS、E-8ジョイントスターズなどによりロシア軍の位置や行動を把握し、ウクライナ軍に提供することで戦車などの撃破につながっている。

 しかもそれにとどまらず、将官の居場所を把握して殺害に結びついているのは間違いない。開戦以来、死亡した将官は9人(推定を含む)と異常な数だが、なかでもアンドレイ・スホベツキー少将は通信傍受などで居場所を把握され狙撃されたとみられている。

 
これまでの西側の支援は効果を上げていたと評価できるが、ウクライナはMiG―29戦闘機、T-72戦車、地対空ミサイルシステムS-300など自軍に不足している重装備の供与も求めていた

 
だが西側は及び腰だった。ポーランドが自国のMIG-29を一度米国に引き渡してウクライナに供与すると提案したものの、米国はロシアとの全面対決の可能性を理由に受け取りを拒否するほど。裏を返せば、対戦車ミサイルレベルの兵器供与でロシア軍に打撃を与えれば、戦争が収束すると考えていたといえる。

 それが
ここにきて態度を一変させた主導するのは米国だ。4月2日、同盟国からのT-72戦車などの供与を決定した。戦車供与は初。これを受けてNATO加盟国のチェコが4月5日にT-72などを発送したと発表8日には同じくNATO加盟国のスロバキアがS-300を供与したと公表した。

 
米国はさらに13日、155ミリ榴弾砲18門と砲弾4万発を自国から供与すると発表した。榴弾砲供与も初めて21日には72門、砲弾14万4000発を追加すると発表し、1コ砲兵連隊分以上という多数の榴弾砲を送ることになった。今後も、特に砲弾は消耗品なので追加は確実だ。

 
なぜこの変化が起きたのか。それはロシアの当面の戦略目標変更と指揮系統の改善によるロシアは、キーウ占領によってゼレンスキー政権の崩壊を招くこと、東部ドンバス地方の占領、南部の占領によるクリミア半島とロシアの地続き化が戦略目標だった。

 しかし
キーウ攻略は失敗ドンバス地方占領に当面の目標を絞って戦力を集中させている。米国防総省は、4月18日までの数日間に東部と南部で11コ大隊戦術群(BTG)が追加投入され、計76コBTGになったとしている。1コBTGは700~1000人だから、1万人程度が増強された。大半は東部に投入されているのではないか

 北部と違い
東部は平らな地形で、戦車などが行動しやすい。第2次世界大戦の独ソ戦でも大量の戦車や歩兵、火砲などによる機甲戦が繰り広げられた地だ。湾岸戦争で終焉を迎えたと考えられていた、重装備の部隊同士が正面からぶつかり合う戦闘が繰り広げられればウクライナ軍が力負けする可能性が高く、西側は供与する兵器のレベルを上げざるを得ない

 また、
ロシア軍は指揮系統に問題を抱えていたが、これを改善してきた。ロシア軍は軍管区単位で作戦を進めていたことで、複数の軍管区の部隊が投入され大規模作戦が行われているウクライナ戦争では連携が不十分だったことも苦戦の一因とされる。これに対し、4月9日にウクライナでの戦争を統括する司令官が初めて任命された。しかも任命されたアレクサンドル・ドゥボルニコフ南部軍管区司令官は、シリア内戦に介入した際に空爆などで多数の民間人を殺している。こうした人物をもってくるのは、ウクライナ側に対する「恐怖心の植え付け」の意味もあるだろう。

 とはいえ、
ロシア軍の不安要素が消えたわけではない。車両に甚大な損害が出たのは、歩兵と装甲車両との効果的な連携ができていないことによる可能性が高い。BTGは歩兵3コ中隊が含まれるが、人数は計200人ほどとされる。米軍や陸自の歩兵中隊は1コで140~180人だから明らかに少ない。実はロシア軍は慢性的に人員不足に悩まされており、それが編成に表れている

 歩兵が足りないと装甲車両の周辺で護衛することができず、敵歩兵の接近を許すことにつながる。
戦車は歩兵とセットで行動するのが鉄則だ。

 まだある。
北部から撤退した部隊がどの程度東部に回されているか不明だが、兵士は精神的に大きなダメージを受けていると考えられ、2週間程度で再度前線に立てるか疑問が残る。ただ、ロシア軍が投入した兵力(15万~19万人)は足りていないことから、こうした部隊が「再活用」される可能性は高いのではないか。そうなるとただでさえ低い士気はさらに低くなる

 南部
マリウポリの製鉄所地下に立てこもる守備隊への攻撃を中止するよう4月21日に命令を出したことについて、プーチン大統領は兵士の犠牲を抑えるとしたが、兵力不足が背景と考えられる。制圧には長期間かかり、しかも包囲より多くの兵力が必要になる。もちろん死傷者が出れば、それだけ兵力は減る。

 
春になり大地が泥ねい化して部隊の移動に支障をきたすことも忘れてはならない。第2次世界大戦時のドイツ軍もウクライナの「泥将軍」に悩まされた。

 話が少々それたが、
重装備の供与が始まったことが意味することは何か西側はヘルメットから戦車まで全面的にウクライナ軍の兵站を担うことになった。それは事実上ウクライナ軍とNATOが一体化して戦争を遂行することだ

 
これはロシアが最も排除したがっていることで、ウクライナに侵攻した目的の一つはウクライナへのNATO拡大を防ぐことだった。こうなると、停戦の落としどころが極めて難しい。この戦争はすでに、互いにイデオロギーに基づいた戦いになっているからだ。プーチン大統領は「ナチズムの脅威」に脅かされているウクライナのロシア系住民を守り、ロシア中心の世界を作る戦いと考え西側は自由と民主主義を守る戦いと考える。互いに「悪」が存在し、ロシアから見ればNATOという「悪」がすでにウクライナに入り込んでいる以上、完全にウクライナを支配下に置かない限り戦争は終わらない。西側は全面的支援を続けることになる。

 
ロシアが東部を占領した時点で一時的な停戦はあるかもしれないが、このままでは数年かそれ以上にわたり戦争は継続するだろう。長期にわたる戦争を続ける意思をくじく大きな要因は、犠牲者の数に耐えられなくなるか、経済的な損失に音を上げるかではないか。 (サンケイスポーツ・梶川浩伸)

 これまでの西側の支援は効果を上げていたと評価できるが、ウクライナはMiG-29戦闘機、T-72戦車、地対空ミサイルシステムS-300など自軍に不足している重装備の供与も求めていた。
 だが西側は及び腰だった。

 しかし、今回の米国を主体とする西側支援では、内容が一変。
 理由は、戦闘場所が、平原の多い東部ドンバス地方に変わったから。
 平らな地形では、戦車などが行動しやすくなる。第 2次世界大戦の独ソ戦でも大量の戦車や歩兵、火砲などによる機甲戦が繰り広げられた地。
 重装備の部隊同士が正面からぶつかり合う戦闘が繰り広げられればウクライナ軍が力負けする可能性が高く、西側は供与する兵器のレベルを上げざるを得ない。

 また、ロシア軍は指揮系統が、軍管区単位で作戦を進めていたことで、統一した戦略を欠いていた。
 ロシア軍は、キーウ攻略は失敗。ドンバス地方占領に当面の目標を絞って戦力を集中させている。4月 9日にウクライナでの戦争を統括する司令官が初めて任命された。

 とはいえ、ロシア軍の不安要素が消えたわけではないと梶川氏。
 
 実はロシア軍は慢性的に人員不足に悩まされており、それが編成に表れている。
 歩兵が足りないと装甲車両の周辺で護衛することができず、敵歩兵の接近を許すことにつながる。戦車は歩兵とセットで行動するのが鉄則なのだと。

 さらに、北部から撤退した部隊がどの程度東部に回されているか不明だが、兵士は精神的に大きなダメージを受けていると考えられ、2週間程度で再度前線に立てるか疑問が残る。ただでさえ低い士気はさらに低くなると梶川氏。

 マリウポリの製鉄所地下に立てこもる守備隊への攻撃を中止するよう4月21日に命令を出したことについて、プーチン大統領は兵士の犠牲を抑えるとしたが、兵力不足が背景と考えられるとも。
 現実には、ミサイルでの攻撃は継続されていますから、国内向けのパフォーマンスだったとの評価の声が少なくない。
 再三の投降の呼びかけも、兵力不足で攻めあぐねていたことの裏返し。

 春になり大地が泥ねい化して部隊の移動に支障をきたすことも忘れてはならない。第2次世界大戦時のドイツ軍もウクライナの「泥将軍」に悩まされたのだそうです。

 重装備の供与が始まったことが意味することは、西側はヘルメットから戦車まで全面的にウクライナ軍の兵站を担うことになった。それは事実上ウクライナ軍とNATOが一体化して戦争を遂行すること。
 これはロシアが最も排除したがっていること。
 ウクライナに侵攻した目的の一つはウクライナへのNATO拡大を防ぐことだった。こうなると、停戦の落としどころが極めて難しい。
 
 この戦争はすでに、互いにイデオロギーに基づいた戦いになっている。
 プーチン大統領は「ナチズムの脅威」に脅かされているウクライナのロシア系住民を守り、ロシア中心の世界を作る戦いと考えていて、ウクライナへのNATO拡大を防ぎ、旧ソ連邦か、ロシア帝国時代のロシアに戻る事。
 西側は自由と民主主義を守る戦いと考える。

 ロシアが東部を占領した時点で一時的な停戦はあるかもしれないが、このままでは数年かそれ以上にわたり戦争は継続するだろう。
 長期にわたる戦争を続ける意思をくじく大きな要因は、犠牲者の数に耐えられなくなるか、経済的な損失に音を上げるかではないかと梶川氏。

 本来なら、国連軍が間に割って入り停戦させ、アゾフスタリ製鉄所の地下の一般市民や、各地で逃げ遅れて取り残されている市民を、しかるべき安全な場所に救出するという手もありますが(南北朝鮮はその38度線が未だに固定)、そもそもが世界が認めないドネツク、ルガンスク両共和国の独立支援が御旗の、強引な侵略戦争。
 侵略を始めたプーチンが侵略を止めて撤退するまでは、一時的停戦はあっても、プーチンの侵略は終わらないと梶川氏。

 長期にわたる戦争を続ける意思をくじく大きな要因は、犠牲者の数に耐えられなくなるか、経済的な損失に音を上げるかではないかと。

 もうひとつ、素人の遊爺が付け加えさせていただけば、プーチンが始めた侵略ですから、プーチンが失脚するなどして、いなくなることも、終戦への道かと。。



 # 冒頭の画像は、米陸軍の155ミリ榴弾砲 M198




  この花の名前は、ダイリントキワソウ


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