プーチンのウクライナ侵攻に伴う対露制裁で、石油や天然ガスの購入や開発の制裁網が敷かれています。
しかし日本は、石油の購入価格上限の例外の特例で上限を超えた価格での輸入を延長。サハリン1, 2からの英・シェル、米・エクソンの撤退に伴う新会社への参画を実施しています。
つまり、制裁網破りで、ウクライナ国民へのプーチンの侵略を支援していることに繋がる。
自国が返り血を浴びる天然資源購入制裁を、各国は国民に被害が及ぶにも関わらず実施しているが、日本は商工会議所会頭や経団連会長の要請で、制裁網やぶりを実施している。
当ブログでは再三その是非について触れてきましたが、WSJでこの点を取り上げています。
G7議長国で、欧州のメンバー国を恒例の事前歴訪しながらウクライナに立ち寄らず、米・バイデン大統領が訪問したことで、唯一の未訪問国となり、最後っ屁で訪問した岸田氏。
WSJの評価は、G7国や、対露制裁同調諸国、ウクライナ国民にどう弁明するのでしょうか。
首相が「撤退しない」とした「サハリン1・2」続行を国際世論は許すか。ロシア企業トップはプーチンの側近(坂東太郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
米国はロシア産石油を購入する際の上限を1バレル当たり60ドルに設定する措置を提唱し、欧州同盟国を一致団結させた。
その結束の裏で、アジアの中でもとりわけ米国に近い同盟国が上限を超える価格でロシア産石油を購入している現状があると、WSJの記事でピーター・ランダース氏。
日本は、例外扱いを受けることに米国の同意を取りつけた。この譲歩は日本がロシアの化石燃料に依存していることを示し、日本がロシアと戦うウクライナをもっと全面的に支援することをためらう一因になっている、とアナリストは指摘していると。
多くの欧州諸国がロシアのエネルギー供給への依存度を下げる一方、日本はこの1年間でロシア産天然ガスの購入を増やしている。日本は先進7カ国(G7)で唯一、ウクライナに殺傷力のある武器を供与しておらず、ロシアによる侵攻後のウクライナ訪問は、G7首脳の中で岸田文雄首相が最も遅かったと、ピーター・ランダース氏。
「ロシアの暴挙を決して許さず、一刻も早くロシアの侵略を止めるため、わが国は厳しい対ロ制裁を課している」と、松野博一内閣官房長官は述べたとも。
言動不一致への完全な皮肉?
日本の石油購入は規模が小さく、米国の承認を得たものではあるが、ロシア産石油の購入に広く1バレル60ドルの上限を設けることで一致した米国主導の取り組みに亀裂が生じていることを表すと、WSJ記事の、ピーター・ランダース氏。
日本の天然ガス輸入のうちロシア産は1割近くを占め、その大半がサハリン2で生産されている。昨年、日本が購入した量は前年比4.6%増加した。
これはドイツと対照的だ。ウクライナ戦争が始まる前、ドイツは天然ガス輸入の55%をロシアに依存していたが、輸入インフラを迅速に作り替えることで、ロシア依存からの脱却をどうにか乗り切ったのだそうです。
昨年、ドイツの経済成長率は日本を上回り、ロシア産ガスの供給停止を機にドイツが景気後退に陥るという予想を覆したのでした。
「(ロシアからのエネルギー供給なしで)日本がやっていけない訳ではない。やっていくことは可能だ。単にそうしたくないだけだ」。米テンプル大学ジャパンキャンパスのジェームス・ブラウン教授はそう話す。
「もしウクライナを真剣に支援するつもりなら」日本はいずれサハリン事業からの撤退に動くべきだ、とも。
米英のメジャーが、制裁の為撤退したサハリン1, 2は、ロシア政府が同プロジェクトを再編し、ロシアの事業主体を新たに設立したが、日本政府の支援を受けて三井、三菱は新会社に参画、権益は維持されることになったのは諸兄がご承知のとおり。
G7で議長を務める内弁慶外交の岸田氏。ゼレンスキー大統領も参加(オンライン)されることとなったそうで、どのような顔をして会議を仕切っていくのでしょうか?
# 冒頭の画像は、キーウで会談した岸田首相と、セレンスキー大統領
この花の名前は、シャクナゲ
↓よろしかったら、お願いします。
遊爺さんの写真素材 - PIXTA
しかし日本は、石油の購入価格上限の例外の特例で上限を超えた価格での輸入を延長。サハリン1, 2からの英・シェル、米・エクソンの撤退に伴う新会社への参画を実施しています。
つまり、制裁網破りで、ウクライナ国民へのプーチンの侵略を支援していることに繋がる。
自国が返り血を浴びる天然資源購入制裁を、各国は国民に被害が及ぶにも関わらず実施しているが、日本は商工会議所会頭や経団連会長の要請で、制裁網やぶりを実施している。
当ブログでは再三その是非について触れてきましたが、WSJでこの点を取り上げています。
G7議長国で、欧州のメンバー国を恒例の事前歴訪しながらウクライナに立ち寄らず、米・バイデン大統領が訪問したことで、唯一の未訪問国となり、最後っ屁で訪問した岸田氏。
WSJの評価は、G7国や、対露制裁同調諸国、ウクライナ国民にどう弁明するのでしょうか。
首相が「撤退しない」とした「サハリン1・2」続行を国際世論は許すか。ロシア企業トップはプーチンの側近(坂東太郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
ロシア産石油を上限超えで購入 足並み乱す日本 - WSJ
例外扱い認められるも、米国主導の取り組みに亀裂 By Peter Landers (ピーター・ランダース)2023 年 4 月 4 日
【東京】米国はロシア産石油を購入する際の上限を1バレル当たり60ドルに設定する措置を提唱し、欧州同盟国を一致団結させた。その結束の裏では、アジアの中でもとりわけ米国に近い同盟国が上限を超える価格でロシア産石油を購入している現状がある。
日本はロシア産エネルギーの入手経路を確保することが必要だと主張し、例外扱いを受けることに米国の同意を取りつけた。この譲歩は日本がロシアの化石燃料に依存していることを示し、日本がロシアと戦うウクライナをもっと全面的に支援することをためらう一因になっている、とアナリストは指摘する。
多くの欧州諸国がロシアのエネルギー供給への依存度を下げる一方、日本はこの1年間でロシア産天然ガスの購入を増やしている。日本は先進7カ国(G7)で唯一、ウクライナに殺傷力のある武器を供与しておらず、ロシアによる侵攻後のウクライナ訪問は、G7首脳の中で岸田文雄首相が最も遅かった。
日本は5月に岸田氏の地元・広島でG7首脳会議の議長国を務める。岸田氏はこの場でウクライナとの連帯を示すと語っている。だが日本はウクライナ支援を約束しながらも、内閣が自らに課す長年の輸出制限によって武器は供与できないとの立場だ。
「ロシアの暴挙を決して許さず、一刻も早くロシアの侵略を止めるため、わが国は厳しい対ロ制裁」を課している、と松野博一内閣官房長官は述べた。
日本の石油購入は規模が小さく、米国の承認を得たものではあるが、ロシア産石油の購入に広く1バレル60ドルの上限を設けることで一致した米国主導の取り組みに亀裂が生じていることを表す。
価格上限が機能するのは、石油輸入国が(たとえ米国の協力国でなかったとしても)一般に米国や米同盟国のどこかに拠点を置く企業の提供する保険などのサービスを利用する必要があるためだ。G7や欧州連合(EU)、オーストラリアは、ロシア産石油の購入に1バレル60ドルを上回る価格を支払うならば、それら企業のサービス提供を禁じるルールの実施で合意した。
日本は昨年、ロシア極東の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」から購入する石油について、今年9月30日まで上限の適用除外とすることで承認を得た。
経済産業省の担当者によると、日本政府はサハリン2の主要製品である液化天然ガス(LNG)が確実に入手できるようにしたいと望んでいる。「わが国のエネルギーの安定供給にかんがみてずっとやってきている」とこの担当者は述べた。
サハリン2では天然ガスとともに少量の原油も採取されるが、LNGの生産を続けるためにその原油も販売する必要があるという。「価格は両者の交渉で決まる」とこの担当者は話す。
日本の天然ガス輸入のうちロシア産は1割近くを占め、その大半がサハリン2で生産されている。昨年、日本が購入した量は前年比4.6%増加した。
これはドイツと対照的だ。ウクライナ戦争が始まる前、ドイツは天然ガス輸入の55%をロシアに依存していたが、輸入インフラを迅速に作り替えることで、ロシア依存からの脱却をどうにか乗り切った。昨年、ドイツの経済成長率は日本を上回り、ロシア産ガスの供給停止を機にドイツが景気後退に陥るという予想を覆した。
「(ロシアからのエネルギー供給なしで)日本がやっていけない訳ではない。やっていくことは可能だ。単にそうしたくないだけだ」。米テンプル大学ジャパンキャンパスのジェームス・ブラウン教授はそう話す。日ロ関係を研究するブラウン教授は、「もしウクライナを真剣に支援するつもりなら」日本はいずれサハリン事業からの撤退に動くべきだ、と指摘した。
サハリン2に出資する三井物産と三菱商事は2社で計22.5%の権益を保有する。昨年ウラジーミル・プーチン大統領の指揮でロシア政府は同プロジェクトを再編し、ロシアの事業主体を新たに設立したが、日本政府の支援を受けて両社の権益は維持されることになった。
財務省の貿易統計によると、日本は今年1〜2月に総額69億円で約74万8000バレルのロシア産石油を購入した。現在の為替レートで換算すると5200万ドルで、1バレル70ドル弱となる。ロシアは1日に何百万バレルもの石油を輸出しており、ロシアの総生産量からすれば、日本が購入する石油はわずかだ。
例外扱い認められるも、米国主導の取り組みに亀裂 By Peter Landers (ピーター・ランダース)2023 年 4 月 4 日
【東京】米国はロシア産石油を購入する際の上限を1バレル当たり60ドルに設定する措置を提唱し、欧州同盟国を一致団結させた。その結束の裏では、アジアの中でもとりわけ米国に近い同盟国が上限を超える価格でロシア産石油を購入している現状がある。
日本はロシア産エネルギーの入手経路を確保することが必要だと主張し、例外扱いを受けることに米国の同意を取りつけた。この譲歩は日本がロシアの化石燃料に依存していることを示し、日本がロシアと戦うウクライナをもっと全面的に支援することをためらう一因になっている、とアナリストは指摘する。
多くの欧州諸国がロシアのエネルギー供給への依存度を下げる一方、日本はこの1年間でロシア産天然ガスの購入を増やしている。日本は先進7カ国(G7)で唯一、ウクライナに殺傷力のある武器を供与しておらず、ロシアによる侵攻後のウクライナ訪問は、G7首脳の中で岸田文雄首相が最も遅かった。
日本は5月に岸田氏の地元・広島でG7首脳会議の議長国を務める。岸田氏はこの場でウクライナとの連帯を示すと語っている。だが日本はウクライナ支援を約束しながらも、内閣が自らに課す長年の輸出制限によって武器は供与できないとの立場だ。
「ロシアの暴挙を決して許さず、一刻も早くロシアの侵略を止めるため、わが国は厳しい対ロ制裁」を課している、と松野博一内閣官房長官は述べた。
日本の石油購入は規模が小さく、米国の承認を得たものではあるが、ロシア産石油の購入に広く1バレル60ドルの上限を設けることで一致した米国主導の取り組みに亀裂が生じていることを表す。
価格上限が機能するのは、石油輸入国が(たとえ米国の協力国でなかったとしても)一般に米国や米同盟国のどこかに拠点を置く企業の提供する保険などのサービスを利用する必要があるためだ。G7や欧州連合(EU)、オーストラリアは、ロシア産石油の購入に1バレル60ドルを上回る価格を支払うならば、それら企業のサービス提供を禁じるルールの実施で合意した。
日本は昨年、ロシア極東の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」から購入する石油について、今年9月30日まで上限の適用除外とすることで承認を得た。
経済産業省の担当者によると、日本政府はサハリン2の主要製品である液化天然ガス(LNG)が確実に入手できるようにしたいと望んでいる。「わが国のエネルギーの安定供給にかんがみてずっとやってきている」とこの担当者は述べた。
サハリン2では天然ガスとともに少量の原油も採取されるが、LNGの生産を続けるためにその原油も販売する必要があるという。「価格は両者の交渉で決まる」とこの担当者は話す。
日本の天然ガス輸入のうちロシア産は1割近くを占め、その大半がサハリン2で生産されている。昨年、日本が購入した量は前年比4.6%増加した。
これはドイツと対照的だ。ウクライナ戦争が始まる前、ドイツは天然ガス輸入の55%をロシアに依存していたが、輸入インフラを迅速に作り替えることで、ロシア依存からの脱却をどうにか乗り切った。昨年、ドイツの経済成長率は日本を上回り、ロシア産ガスの供給停止を機にドイツが景気後退に陥るという予想を覆した。
「(ロシアからのエネルギー供給なしで)日本がやっていけない訳ではない。やっていくことは可能だ。単にそうしたくないだけだ」。米テンプル大学ジャパンキャンパスのジェームス・ブラウン教授はそう話す。日ロ関係を研究するブラウン教授は、「もしウクライナを真剣に支援するつもりなら」日本はいずれサハリン事業からの撤退に動くべきだ、と指摘した。
サハリン2に出資する三井物産と三菱商事は2社で計22.5%の権益を保有する。昨年ウラジーミル・プーチン大統領の指揮でロシア政府は同プロジェクトを再編し、ロシアの事業主体を新たに設立したが、日本政府の支援を受けて両社の権益は維持されることになった。
財務省の貿易統計によると、日本は今年1〜2月に総額69億円で約74万8000バレルのロシア産石油を購入した。現在の為替レートで換算すると5200万ドルで、1バレル70ドル弱となる。ロシアは1日に何百万バレルもの石油を輸出しており、ロシアの総生産量からすれば、日本が購入する石油はわずかだ。
米国はロシア産石油を購入する際の上限を1バレル当たり60ドルに設定する措置を提唱し、欧州同盟国を一致団結させた。
その結束の裏で、アジアの中でもとりわけ米国に近い同盟国が上限を超える価格でロシア産石油を購入している現状があると、WSJの記事でピーター・ランダース氏。
日本は、例外扱いを受けることに米国の同意を取りつけた。この譲歩は日本がロシアの化石燃料に依存していることを示し、日本がロシアと戦うウクライナをもっと全面的に支援することをためらう一因になっている、とアナリストは指摘していると。
多くの欧州諸国がロシアのエネルギー供給への依存度を下げる一方、日本はこの1年間でロシア産天然ガスの購入を増やしている。日本は先進7カ国(G7)で唯一、ウクライナに殺傷力のある武器を供与しておらず、ロシアによる侵攻後のウクライナ訪問は、G7首脳の中で岸田文雄首相が最も遅かったと、ピーター・ランダース氏。
「ロシアの暴挙を決して許さず、一刻も早くロシアの侵略を止めるため、わが国は厳しい対ロ制裁を課している」と、松野博一内閣官房長官は述べたとも。
言動不一致への完全な皮肉?
日本の石油購入は規模が小さく、米国の承認を得たものではあるが、ロシア産石油の購入に広く1バレル60ドルの上限を設けることで一致した米国主導の取り組みに亀裂が生じていることを表すと、WSJ記事の、ピーター・ランダース氏。
日本の天然ガス輸入のうちロシア産は1割近くを占め、その大半がサハリン2で生産されている。昨年、日本が購入した量は前年比4.6%増加した。
これはドイツと対照的だ。ウクライナ戦争が始まる前、ドイツは天然ガス輸入の55%をロシアに依存していたが、輸入インフラを迅速に作り替えることで、ロシア依存からの脱却をどうにか乗り切ったのだそうです。
昨年、ドイツの経済成長率は日本を上回り、ロシア産ガスの供給停止を機にドイツが景気後退に陥るという予想を覆したのでした。
「(ロシアからのエネルギー供給なしで)日本がやっていけない訳ではない。やっていくことは可能だ。単にそうしたくないだけだ」。米テンプル大学ジャパンキャンパスのジェームス・ブラウン教授はそう話す。
「もしウクライナを真剣に支援するつもりなら」日本はいずれサハリン事業からの撤退に動くべきだ、とも。
米英のメジャーが、制裁の為撤退したサハリン1, 2は、ロシア政府が同プロジェクトを再編し、ロシアの事業主体を新たに設立したが、日本政府の支援を受けて三井、三菱は新会社に参画、権益は維持されることになったのは諸兄がご承知のとおり。
G7で議長を務める内弁慶外交の岸田氏。ゼレンスキー大統領も参加(オンライン)されることとなったそうで、どのような顔をして会議を仕切っていくのでしょうか?
# 冒頭の画像は、キーウで会談した岸田首相と、セレンスキー大統領
この花の名前は、シャクナゲ
↓よろしかったら、お願いします。
遊爺さんの写真素材 - PIXTA