遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米中貿易戦争の様相に

2018-03-24 23:58:58 | 米国 全般
 トランプ大統領は22日、中国が米国の知的財産権を侵害しているとして、中国製品に巨額関税を課す制裁措置を決め、23日には安全保障を理由に鉄鋼とアルミニウムの輸入制限も発動しました。
 それに対し、中国も一部米国製品に高関税を課す対抗措置を発表し、米中二大国を中心に「貿易戦争」の様相を呈して世界に広まり、株価の下落も始まっています。
 米国と北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を行っているカナダ、メキシコや、韓国、欧州連合(EU)など 7か国・地域は 4月末まで対象から除外されていますが、日本は直前の世耕経産大臣の読みは外れ、除外国とはならず、安倍首相への揶揄付で対象とされてしまっています。
 にもかかわらず、日本国内では、ペテン師籠池のペテンの証といえる発言を掲げた、倒閣運動にオールド偏向メディアとその下請け野党が、蛸壺の中に閉じこもり政策議論は飛ばし、政局に明け暮れの平和呆け。
 この国の未来は、こんなオールド偏向メディアと、その下請け野党の動きでは、危ないと考えますが、いかがでしょう。。
 貿易戦争の様相に…米の対中制裁・輸入制限 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 
米貿易赤字減へ強権 制裁関税 選挙向け「雇用増」主張 (3/24 読売朝刊)

 トランプ米政権が貿易赤字削畝に向け、保護主義的な政策を相次いて打ち出した。高関税をかけると脅し、各国の譲歩を引き出すトランプ流の取引は、報復の応酬を招き、世界経済の成長の芽を摘む危険性がある。世界の株式市場で株価が急落するなど、世界経済は政治リスクに直面している。 (ワシントン 山本貴徳、経済部 畑仁優鋭)

「制御不能」
 「歴史上最大で、制御不能だ」
 
トランプ氏は22日、ホワイトハウスで記者団に対中貿易赤字への不満をあらわにした。米国の貿易赤字のうち、約半分を占める中国を目の敵にしており、今回の制裁措置で「米国はずっと強大で豊かな国になる」と述べ、雇用が増えると主張した。中国側に年1000億ドル(約10.5兆円)減らすよう求めていることも明らかにした。
 
矛先は中国以外にも向いた。トランプ氏は記者団に「安倍首相ら各国の首脳たちは『米国をうまく利用してきた』とほほ笑んでいるようだが、そうした日々は終わりだと息巻いた
 トランプ政権が保護主義的な姿勢を強めているのは、
11月の中間選挙を見据え、大統領選の勝利をもたらした白人労働者層に公約の実現をアピールする狙いがあるからだ。
 このところトランプ政権の高官の辞任が相次いでおり、
政権浮揚の思惑もあるとみられる。中国が対抗措置を講じれば、制裁の応酬も辞さない構えだ。

異例の措置
 中国への制裁関税は米通商法301条、鉄鋼とアルミの輸入制限は通商拡大法232条に基づく。
 いずれも大統領の権限で一方的に貿易を制限できる保護主義的な政策であるため、世界貿易機関(WTO)が設立された1995年以降は、ほとんど発動されていない、
 こうした
極めて異例の措置を乱発するのは、制裁や輸入制限を通商交渉の取引材料とするトランプ流の交渉術と言えそうだ。
 WTOに提訴しても結論が出るまでには時間がかかるが、制裁を盾に2国間交渉で譲歩を迫れば短時間で解決を図ることが出来る。
 
鉄鋼とアルミの輸入制限を巡っては、カナダ、メキシなど7か国・地域を4月末まで対象から除外したが、カナダ、メキシコとは北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を、韓国とは自由貿易協定(FTA)の見直しを進めている。当面除外とすれは輸入制限の効果は薄れるが、通商交渉で米国に有利な条件を勝ち取ることを優先した格好だ。

「実害を減らす」
 トランプ政権の強硬姿勢について、
日本政府は引き続き、輸入制限の除外に向けた道筋を探る方針だ。中国のように、真正面からトランフ政権と対立すれば、2国間交渉に引きずり込まれる恐れがある。米国側には日本とのFTAを求める声も多く、日本の弱味であるコメなどの農産物市場の開放を迫られかねない。
 それよりは、日本の鉄鋼メーカーが得意とし、米鉄鋼メーカーが作れない自動車向けの特殊な鉄鋼製品や油田開発用のパイプなどを個別に除外してもらうことで、「実害を減らす」(経済産業省幹部)狙いがある。


 高関税をかけると脅し、相手国の譲歩を引き出すトランプ流の取引は、報復の応酬を招き、世界経済の成長の芽を摘む危険性があります。
 貿易赤字を減らし、雇用を創出するとは、トランプ大統領の選挙公約で、その為の政策を実施して成果を示し、中間選挙に備えなくてはならないのですが、自由貿易を損なう関税のかけあい合戦では、輸入製品の価格高騰を生じ、国民にとっては物価に織り込まれ増税されることとなり、消費が減速してしまう弊害もあります。

 対中貿易赤字が主なターゲットと言われていましたが、安倍首相への揶揄が飛び出し、日本も対象国とされてしまいました。
 
米保護主義 勝者なき貿易戦争を避けよ (3/24 読売 社説)

 世界1、2位の経済大国を巡る貿易戦争の懸念が増せば、世界経済は深刻な影響を被る。
 米国が一方的な保護主義政策を見直すと共に、中国など貿易相手国も国際ルールに基づき冷静に対処すべきだ。
 米政府が、日本を含む広範な貿易相手国からの鉄鋼とアルミニウムに関税を課す輸入制限を発動した。トランプ米大統領は、幅広い分野の中国製品に大規模な関税を課す大統領令にも署名した。
 秋に米中間選挙を控え、トランプ氏の支持基盤である製造業の労働者層を意識したのだろう。
 世界貿易の停滞などを警戒し、23日の日経平均株価は一時1000円超も値下がりした。
 トランプ氏が「米国第一」を掲げ、政策の国際的な影響を顧みない姿勢は極めて無責任だ。
 米国内では、関税が輸入物価を引き上げ、消費者にとっても事実上の増税となる。消費が冷え込めば製造業者にも益はない。
 米政府は貿易摩擦が本格化する前に、強硬な措置の弊害の大きさを理解すべきである。
 狙い撃ちされた形の中国は、対米報復を辞さない構えを示す。高関税の制裁合戦に陥らず、世界貿易機関(WTO)の場などで対米協議を深めねばならない。
 米国が問題視する中国の知的財産権侵害、鉄鋼過剰生産などは、日本や欧州連合(EU)も長年にわたって是正を求めてきた。
 中国は模造品取り締まりなどの成果を強調するが、情報技術(IT)産業の技術移転など新たな問題点も多く指摘されている。
 事態の悪化を防ぐには、中国政府が自ら貿易摩擦の芽を摘み取る取り組みが重要だ。
 日本は米国の鉄鋼輸入制限で、現時点の除外国リストに入らなかった。今後も米国側に粘り強く働きかけ続けるほかない。
 日米両国は、外交や安全保障面では安倍首相とトランプ大統領の相互信頼が基盤になる。しかし、貿易政策となると対日赤字を重大視するトランプ氏は頑なで、特別な配慮は期待できない。
 この現実を見据え、日本は通商戦略の立て直しが求められる。
 まずは米国を除く11か国での環太平洋経済連携協定(TPP)の発効が急務だ。米国が自由貿易の枠組みに復帰する素地になる。
 TPPを土台に、日米2国間の自由貿易交渉に向き合うことも具体的に検討せねばなるまい。
 麻生副総理とペンス副大統領による「日米経済対話」の活用など戦略的に対策を講じたい。

 秋の中間選挙を控え、その支持率獲得の為に、「米国第一」を掲げ、政策の国際的な影響を顧みないトランプ大統領の姿勢は極めて無責任と批難しています。
 しかし、貿易赤字を解消し、雇用を生み出すというのは、トランプ大統領誕生の公約でしたから、その公約を実現することは、止められません。
 
 止められないので、中国は対抗して米国からの輸入製品への増税を打ち出しています。
 欧州諸国は、早くから対抗増税を表明していましたから、トランプ大統領の増税対象除外国に組み込まれましたし、今後の増税に対しては報復の予告をして牽制しています。
 
中国「利益守る」 米産128品目に高関税 (3/24 読売朝刊)

 【北京=鎌田秀男】トランプ米政権が中国を標的に貿易上の制裁措置を打ち出したことに対し、中国は米国産の果物など128品目に高関税を課す報復計画を発表するなど反発を強めている。今後の米中交渉が不調に終われば、米国の対中輸出の柱である大豆などに対象を広げたり米国製品の不買運動が起きたりして、米中貿易戦争が激化する恐れがある。
 「米国の政策は弱いものいじめ。国際的に歓迎されないし、通用しない」中国の国営新華社通信は23日未明、米国の制裁措置を痛烈に批判する論評を発表した。
中国商務省も23日朝に「貿易戦争は望まないが、恐れてもいない。自身の利益を守る準備はできている」との談話を発表し、報復する姿勢を鮮明にした。
 商務省は23日、その第1弾として、米国による鉄鋼とアルミニウムの輸入制限措置に対し、世界貿易機関(WTO)のルールに基づき、15%~25%の関税を上乗せする品目リストを発表した。
 
中国の場合、こうした関税での対抗措置だけでなく、民間で不買運動が起きる可能性もある。2017年のミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」の配備をめぐる対立では、中国政府が韓国への団体旅行を禁止。不買運動では、韓国車の17年の販売台数は114万台と、前年から4割も減った。
 過去に日中関係が悪化した際には、自動車など日本製品のボイコットが起きた。民間企業などが政府の意向をくみとり、不買運動に加わった可能性も指摘されている。
 もっとも、
中国は米国との全面的な対立は避けたいのが本音だ。米国との対立が激化し好調な輸出にプレーキがかかれば、成長減速の火種となる恐れもある。

「米判断遺憾」EUが声明
 【ブリュッセル=横堀裕也】
欧州連合(EU)は23日、ブリュッセルで開いた首脳会議で、トランプ米政権による鉄鋼とアルミニウムの輸入制限措置について、「安全保障を理由に正当化される措置ではなく、米国の判断は遺憾だ」とする共同声明を発表した。
 米政府は同日発動した制限措置で、EUをカナダやメキシコなどとともに一時的に適用除外とした。しかし、
米政府が適用除外を解除してEU製品の輸入制限に踏み切った場合には、EUの執行機関・欧州委員会が準備する対抗措置の発動を強く支持すると表明した。

 安倍首相を揶揄された日本はどうすべきか。
 これまでにも触れましたが、トランプ大統領就任時に、12ヵ国が難産の末合意に達していた、TPPをトランプ大統領により、選挙公約通りちゃぶ台返しで離脱されてしまいました。戦いはこの時から始まっていて、安倍首相は、執拗に米国の復帰に拘り仁義をつくしたうえで、CPTPP(TPP11)の立ち上げに動きました。
 CPTPP(TPP11)の稼働後も、米国との合意事項は凍結させていますが、米国の復帰時には解凍の備えもしています。
 米国側は、多国間交渉ではなく、二国間交渉で、力によるより有利な条件での交易が狙い。
 日本は、中国や欧州諸国の様に、報復関税で臨むのか、TPPへの復帰か二国間交渉でも、TPP時の締結内容で死守するのか。
 親交が注目の的だった安倍、トランプの仲での名指しの揶揄を浴びせられた安倍首相。訪米での会談では、どの道を選択するのか、注目されます。



 # 冒頭の画像は、鉄鋼とアルミニウムの輸入品への追加関税を発表したトランプ大統領




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