遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米中には「力こそ正義」との共通点 特異な国家は、彼らではなく日本

2015-09-23 03:09:24 | 中国 全般
 中国の「抗日戦争勝利70周年」の軍事パレードが、国内の発揚と同時に、対米示威行為でもあったことは諸兄がご承知の通りです。米国の要請があったとも言われていますが、韓国を例外に、自由主義各国首脳が参列を控えました。しかし、その米国も、しっかり、習近平訪米調整を名目に、やや日程をずらしたものの媚中派のライス補佐官を派遣していることは衆知のことですね。
 その習近平訪米がはじまりました。ローマ法王の訪米とブッキングして話題をかもしていますが、成り行きが注目されます。
 注目するに際して、視点のひとつとして、米中関係と日本を観て、彼等には共通点があり、日本が得意な国だとの説があります。言い得て妙。参考にしながら観て行きたいと考えます。

 
「習近平主席きょう訪米、米中首脳会談へ」 News i - TBSの動画ニュースサイト
 
中国の大閲兵式は米国への挑発か秋波か:日経ビジネスオンライン 2015年9月9日 福島 香織

 
今、ちょうど北京に来ているのだが、中国に来るとインターネットなどで、海外の中国関連の報道に触れることがぐっと少なくなるので、また景色が変わって見える。
 例えば、日米中関係などは、日本で報じられているものと、ずいぶん印象が変わってくる。

示威の対象は米国だが、訪米も控え…
 
9月3日の大閲兵式は、国内外の注目を浴びながら、無事に終わった。見どころは、見る人の専門性によって違うのだろうが、軍事・外交の専門家たちは、そのお披露目された武器の数々を見て、これは「抗日戦勝記念」と銘打ってはいるが、むしろ意識は米国に向いている示威行動
だと解釈した人が多かったようだ。
<中略>

「米中は第二次大戦の盟友として」

<中略>

 筆者が思うには、中米の間には始終ある種の"戦略的暗黙の了解"が存在する。北京とワシントンはともに、中米関係の安定を維持し両国関係の発展を促進する努力を保っている。両国の指導者は互いに、別のルートでもって誠意を示している
<中略>

米中の共通点は「力こそ正義」
 一般に日米が自由や民主、法治といった価値観を共有していて、中国が西側的普遍的価値観と大きく違う中華的価値観に拘っていると思われるが、
実は米中に共通にあり、日本にはあまり馴染まない価値感がある。それは力こそ正義である、という考え方
である。
 
中国も米国も実力主義の国であり、軍事力にしろ経済力にしろ、力に対する信望が強い。侮られるよりは恐れられるほうが、人同士も国同士も対等に付き合え、信頼関係も醸造できるという考え方だ。小人に大人の考えが分からないのと同様、小国に大国の理想はわからない。国家の力は主に軍事力と経済力である
。経済については、すでに世界第二位のGDPを誇る中国にとって、大国・米国を直接攻撃できる軍事力があって、初めて米国と対等のパートナーシップを結べる資格を持てると考えても不思議はない。世界平和を維持するのは、軍事力であるという考えも米中の共通だろう。

 
習近平の閲兵式での重要講話で、印象深い言葉があった。「中国人民抗日戦争と世界反ファシスト戦争は正義と邪悪、光明と暗黒、進歩と反動の大決戦であった」

 戦争の歴史を正義と悪に単純に区別して論じられるのは、やはり
中国的であり、同時に米国的でもある。日本の歴史観も戦争観も正義と悪をきれいに分けられない。これは、日本が第二次大戦で敗戦を喫したから、というわけでもなく、喧嘩両成敗的な発想がもともとあったり、判官贔屓といった敗者、弱きものへの同情心が強かったりすることと関係がある
のだろう。
 敗者には敗者に至るプロセスがあり、悪人には悪人となる理由がある。日本にあるのは盛者必衰の理であって、勝者が敗者になり敗者が勝者になり物事は流転するという考え方だ。弱者や敗者に対して比較的同情的であるのは、自分が弱者や敗者になることを想像できるからであり、そういう想像ができるのは、弱者や敗者でも救済される余地があるからだ。
厳しい国情の国では、弱者や敗者は徹底的に殲滅させられるので、自分が敗者であったならば、という仮定は、あり得ないのである。自分が弱者であったならば、敗者であったならば、と想像できる国は平和で幸せな国
なのである。

日本こそ特異な国家であることの自覚を
 そう考えると、
日本は第二次大戦の戦勝国によって秩序形成された国際社会において、かなり特異な国であり、米国にしてみれば日本より中国の方が理解しやすい部分もあるだろう。戦勝70周年記念で、中国は盛んに、米国とともに世界平和を導いたのが中国であり、いまこそ、かつてともに国際秩序を築いた両国が再び世界平和を導くのだと喧伝している。次世代の世界地図を考えながら、単純に力を信望する大国を敵に回すのが得か、味方にするのが得かを考えた米国が、中国と急接近するシナリオが無いとは言えまい
。私は、次のリムパックに中国が参加することになっても一向に驚かない。

 力を信望する大国外交の間で、米国のパートナーという地位で、
国家の二大パワーの一つである軍事力を公式には持たない日本がなんとか渡り合ってこられたのは、戦後の奇跡と言っていい。この奇跡がこれからもずっと続くと信じるのか、あるいは変化を余儀なくされるのか。これらを見定めるには、やはり米中関係の行方を、予断を持たずに見ていくことが重要なのは言うまでもない。そして、特異な国家は、彼らではなく自分たちであるという自覚もまた必要かもしれない。

 経済に陰りの見える中国と、雇用確保を掲げ対中輸出を重視するオバマ政権。一方、軍事力では互いに譲れない覇権争い。
 習近平は先ず米国大手企業との接近から始めていますが、両国首脳会談が、経済と軍事をどのレベルでまとめるのか、注目されます。

 
脱中国投資の流れに逆行する米大企業 - 遊爺雑記帳




  セリバオウレンの果実


↓よろしかったら、お願いします。






Fotolia






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 9月21日(月)のつぶやき | トップ | 9月22日(火)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

中国 全般」カテゴリの最新記事