遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

東・南シナ海で、有志国による「海洋安全保障連合」が必要

2012-12-11 23:56:40 | EEZ 全般
 中国は、南シナ海でも、東シナ海・尖閣近海でも、覇権拡大活動を強めています。
 国内では、ジニ係数が0.6を上回り貧富格差が最悪となっているにも関わらず、広範にわたる覇権拡大への出費を惜しむ様子は見られません。
 ASEANの国々が団結して覇権拡大に対抗しようとしても、札束外交で国々の分断作戦を展開し、二国間交渉を主張し、力でねじ伏せようという戦略を貫いています。
 この中国の横暴には、日米同盟の抑止力を軸として、日米と少数の有志国で「海洋安全保障連合」を結成するとか、シーレーン防衛を2倍に延ばす、尖閣周辺に日本独自の機動展開部隊を配置する構想等が、「日米同盟における東・南シナ海問題の重要性」を議題としたシンポジウムで話し合われたのだそうです。

 
ベトナムで再び反中デモ ASEAN4カ国協議は延期 - MSN産経ニュース
 中国の格差深刻化、ジニ係数世界最悪水準 警戒線を超える - MSN産経ニュース
 
尖閣守るだけでは足りない 論説副委員長・高畑昭男 (12/11 産経・【風を読む】)

 尖閣諸島への攻勢がとまらない。先週末も、中国の海洋監視船4隻が日本領海に侵入
し、海上保安庁の巡視船に「(尖閣は)中国固有の領土」などと応答した。
 中国公船の領海侵入は、日本の尖閣国有化後14回目という。習近平新体制下で攻勢が強まることはあっても、収まる見込みはなさそうだ。
 力ずくで海洋権益を拡大する
中国の問題行動は、尖閣諸島のある東シナ海だけでなく南シナ海でも大きな摩擦を生んでいる。だとすれば、日米も2つの海域を統合して対応していく視点が必要
ではないか。

 先週末、東京で開かれた日本戦略研究フォーラムと米バンダービルト大共催のシンポジウム(産経新聞後援)でも、こうした問題意識が繰り返し指摘されていた。
 「
日米同盟における東・南シナ海問題の重要性
」を議題としたこのシンポジウムでは、尖閣問題の現状に加え、フィリピン、ベトナムの専門家からも報告があった。両国の資源保護活動や漁業などに対する中国艦船の露骨な妨害や侵害の実例が報告され、外交面でも東南アジア諸国の連帯が分断されがちだという。
 とりわけ印象に残ったのは、アジア太平洋の平和と安定の秩序を守る「公共財」とされてきた
日米同盟の対応に東南アジアが目をこらしていることだ。尖閣防衛は無論のこと、中国の行動を抑止し、航行の自由などの規範を守らせることが肝要だ。同盟が東シナ海だけに気を奪われていては大きな責務を果たせない


 討議では、尖閣周辺に日本独自の機動展開部隊を配置する構想や、日米と少数の有志国で「海洋安全保障連合」を結成するミニラテラル(少数の多国間協力)構想などが紹介された。冷戦時代に日本が担った1千カイリのシーレーン防衛を2倍に延ばす可能性も話し合われた。
 これらを直ちに実現するには課題も多いが、
日米が東・南シナ海を一体的にとらえ、東南アジア、豪州、インドなどと連携する視野と戦略を見失わないようにしたい。

 昨年の暮れに米国が中東からアジアへの重点転向を明らかにし、EASで中国包囲網を構築したことは諸兄がご承知の通りです。
 「ASEAN + 3」での連携の中で主導権を強めようとする中国に対し、日本は、「ASEAN + 6」や「EAS」の国々の枠での米豪を交えた中国への強い対抗力のある枠組みを主張する戦略でしたが、さしたる主導権は発揮できず、米越主導の中国包囲網が構築されたのでしたね。
 会議では、米国の攻勢にたじたじだった中国の巻き返しが注目されましたが、札束外交での包囲網分断作戦の強化が進められ、ASEAN内での分断が顕著になりました。

 一方、日米韓の分断作戦でも、竹島での対立を抱える韓国は、中国の属国のDNAから脱皮出来ず、中国の誘いに乗り、国連では中国と共闘して日本の歴史認識を非難する始末。
 日米同盟についても、尖閣への安保適用に中国は抗議の姿勢を公言し強め、二国間の領土問題への米国の中立とを矛盾だと追及する頻度をあげています。

 軍備や漁業監視船等を中長期戦略に基づき着実に拡充してきた中国は、その力が備わってくるにつれ、覇権拡大の実行を強めています。
 この攻勢に対抗することは、ASEAN各国も、日本も単独では困難な状況に陥っており、包囲網を構成する国々の連合で対抗するしかなくなってきています。

 札束外交で陥落したASEANの国々もありますが、ここは連携可能な有志の国々による「海洋安全保障連合」を結成するミニラテラル構想など、中国の分断作戦に対抗する連合国の体制構築が望まれます。
 
 また、攻撃が最大の防御であることは定石です。しかも、敵の弱点を突く戦術が効果的ですね。
 中国の弱点はいくつかありますが、最大の弱点は、脅威の軍事費以上に費用を費やしている、公安費が物語っている、国内の格差の拡大による体制批判・不満の拡大です。
 ジニ係数が、0.61で世界最悪値に達した中国。その矛先をかわすための反日ナショナリズムの高揚は、習金平新政権では一段と強まる予測が高まっています。

 「日米同盟における東・南シナ海問題の重要性」を議題としたシンポジウムの内容が、実現可能なものから逐次速やかに採用されることを期待します。



 # 冒頭の画像は、8月以来のベトナム・ハノイでの反中デモ








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続 中国の海洋戦略
暴かれた中国の極秘戦略―2012年台湾乗っ取り、そして日本は…?



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