遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

F15戦闘機に構造上欠陥 どうする日本のFX

2008-01-13 16:57:55 | EEZ 全般
 日米の主力戦闘機F15に構造上の欠陥があることが判明し、米空軍では最大180機を退役させる方向で検討に入ったとのことです。
 ことの発端は、昨年の11月2日、米国ミズーリ州での空中戦訓練中のF15戦闘機1機が空中分解により墜落した事故で、米空軍は前年11月、保有する665機全ての同戦闘機の飛行を停止させ、2か月にわたり検査を行ってきたのだそうです。(Wikipedia では、アメリカ空軍のF-15の購入数は911機で、452機(2007年11月現在)を今だ保有)

米空軍のF15戦闘機初期型の40%に欠陥が見つかる 国際ニュース : AFPBB News
 F15構造的欠陥か/米軍、飛行停止措置 空自200機 嘉手納53機も/米国墜落事故受け ;沖縄タイムス

 調査した機体のおよそ40%で、少なくとも1つのロンジロン(縦通材と呼ばれる胴体の骨に当たる部分)が設計の仕様に合致しなかったとい状況で、米空軍は、F22への置き換えを検討する様ですが、FXで混迷する日本はどうするのでしょう?
 
米F15戦闘機、最大180機退役へ 構造上欠陥、胴体部分にヒビ (1/12 産経)

 【ワシントン=山本秀也】米主力戦闘機F15の安全点検を進めていた米空軍は、胴体部分に構造上の問題がみつかった同型機を最大180機退役させる方向で検討に入った。米空軍の保有する同型機の25%に相当する数であり、航空戦力のダウンのほか、後継のF22の調達コストをめぐる問題も取りざたされ始めた。

 米紙ロサンゼルス・タイムズなどが伝えた。昨年11月の空中分解事故を受けた空軍の安全点検で、大半の同型機はすでに復帰したものの、これまでに160機で胴体の骨にあたる部分に金属疲労によるヒビを含む問題点が見つかった。空軍当局は別の20機についても厳密に点検を進める。

 F15の運用にかかわる米空軍のコーレー大将はCNNテレビに対し、平均25年を超える機体に構造上の問題が明らかになったとして、「同型機の一部は現役復帰は難しい」と語った。

 ミズーリ州で昨年11月初めに起きた事故は、高速で旋回しようとした戦闘訓練中のF15が空中分解したもの。搭乗員は脱出したが、この事故で米国空軍だけでなく日本の航空自衛隊など同型機を運用する同盟国では、飛行を中止し、点検を迫られる事態となっていた。

 F15は東西冷戦下の1970年代半ばに米空軍への配備が始まった。空軍当局は2025年までに一部を除き、F22と置き換える計画だったが、今回の問題で退役が早まる可能性が出てきた。

 ただ、F22は1機あたりの調達額がF15の約4倍。高額のF22を前倒しで配備しようとすると、国防予算の分配計画そのものを見直さざるを得ず、他の部門がしわ寄せを受けることになりかねない。さらに、退役する180機をすべてF22に代えるには、11年末までかかるという。


 丁度 1年前の今頃に沖縄に行ったときの、F15の墜落・欠陥の地元紙の記事を紹介していました。そのころは、1980年代に生産された、F15 C, Dを配備する話がありましたが、この"C, D"も該当するとのことです。
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 日本がFXの本命としているF22は、米民主党の影響か、米国からの国外への輸出禁止は解除されませんでした。また、米国での配備も今年の予算には計上しないとのことで、生産ラインの停止も報じられていました。
 
米、F22調達終了か 日本の選定に影響 軍事紙報道 (2007.10.31 産経)

 【ワシントン=有元隆志】29日付の米軍事専門紙ディフェンス・ニュースは、米政府の2009会計年度(08年10月~09年9月)予算案のなかに、最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプターの調達費用は含まれない見込みだと報じた。日本政府はF22を次期主力戦闘機(FX)の最有力候補としてきたが、生産打ち切りとなった場合、日本の機種選定にも影響を与えることになりそうだ。
 来年2月にまとめる予算案に関する国防総省内の議論に詳しい関係筋の話として伝えた。
 1機あたり約1億6000万ドル(約180億円)と高額のうえ、イラク戦などにかかる戦費がかさんでいることもあって、国防総省内部部局は183機で調達をやめる方針だという。

 F22は相手のレーダーに映りにくいステルス性や機動性に優れた最新の高性能戦闘機。現在米空軍はF22を約100機配備している。空軍は最終的には計381機調達することが必要として、調達を打ち切らないよう求めている。
 同紙は「秘密研究の結果、200機以上は必要」との軍事専門家の分析を伝えている。ウィン空軍長官も24日の下院軍事委員会公聴会で証言し、183機に止まった場合、運用戦略を変更せざるをえないとの認識を表明。そのうえで米英などが共同開発中のF35が生産されるまで「少なくとも20機のF22は調達させてほしい」と語った。
 日本など海外に輸出する場合は、生産ラインを閉鎖する必要はないが、米下院歳出委員会は7月、F22の海外への輸出禁止条項を継続することを決めており、解除のメドはたっていない。
 日本政府はF4戦闘機に代わり、2013年度からFXを運用開始するため、来年夏の概算要求までに機種を決める方針だった。しかし、生産打ち切りとなれば、選定時期がずれ込む可能性も出てきている。

 頻繁にスクランブルをしなくてはならない東シナ海の中国空軍機も、F22でスクランブルすると探知されずに射程位置に着けるのだそうで、空自、米軍に限らず日本への配備で制空権を失うことを恐れる中国は、F22のアンチ極東配備工作をしているなんて話もみかけます。そのせいかどうか、ヒル次官補は中国等近隣国への影響がおおきいとして、日本への輸出に反対していました。

 上記の昨年10月の産経の記事によると、この 2月に国防総省での予算をまとめるとのことですので、F22の導入推進派は、巻き返しをはかる最後の機会として主張しているとも言えるでしょう。

 米国は、F22, F34と次世代の戦闘機への移行が出来る(時間は別として)のですが、日本はどうするのでしょう?
 空自の約200機の点検結果はどうだったのでしょう。以前から欠陥機と指摘している沖縄の人々に説明する責任はあります。
 FXの当面の予定は、F15の改修とされていますが、費用が加算されます。既に予算のヒアリングは済んでいますが、どうするのか、早急な決断と実行が必要です。
 日本国民が暮らしている空を跳び続けているのです。中国機へのスクランブルも、頻繁に必要なのです。繰り返しますが、早急な対策の立案・公表説明と、実行が必要です。
 野党にもF15の撤廃だけを叫んで国防力の低下を助けるのではなく、国民や国を護るための責任ある提案と行動が求められます。


 

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