新日鉄と住友金属は、ついに本体の合併に踏み切りましたね。
6位と23位の両社('09年実績)合併で粗鋼生産量世界 2位('10年実績)となるのですが、1位のアルセロール・ミタルの約半分にすぎません。
アルセロール・ミタルは、インド出身のラクシュミー・ニワース・ミッタル氏が、合併に次ぐ合併で世界一にした会社ですが、グローバルな新時代の鉄鋼業界を築いたと高評価される一方で、高炉投資などの技術開発はなくマネーゲーム経営との批判もあります。
資源高・国際化 新日鉄・住金、勝ち残りへ合併 :日本経済新聞
鉄鋼業界は、鉱石メーカーが寡占状態であるのに対し、1位のアルセロール・ミタルで6.0%、合併して 2位で3.1%のシェアーといった状況で、中国他の新興国の需要が拡大している今、原材料価格はメーカーの言いなりです。
ミタルが鉱山投資に注力し始めた様に、合併会社も量の競争ではなく鉱山投資や質の競争に力点を置くとの事です。
また、'09年実績の 2, 3, 4位は中国のメーカーであり、この 3社の合計はアルセロール・ミタルを大きく凌いでいます。
今後の激戦化を見越しての、長年の懸案成就の合併が、自動車業界で歓迎されているのだそうですが、公取(事前相談をして潰された過去の経緯から今回は事前相談なし)などの横槍で潰されることなく進められ、日本の製鉄業が世界で活躍できるよう期待しています。
2月7日は「北方領土の日」 一日も早い返還実現に向けて:政府広報オンライン
↓よろしかったら、お願いします。
6位と23位の両社('09年実績)合併で粗鋼生産量世界 2位('10年実績)となるのですが、1位のアルセロール・ミタルの約半分にすぎません。
アルセロール・ミタルは、インド出身のラクシュミー・ニワース・ミッタル氏が、合併に次ぐ合併で世界一にした会社ですが、グローバルな新時代の鉄鋼業界を築いたと高評価される一方で、高炉投資などの技術開発はなくマネーゲーム経営との批判もあります。
資源高・国際化 新日鉄・住金、勝ち残りへ合併 :日本経済新聞
新日鉄「20年構想」日の目 仮想敵ミタルに挑戦権 (2/4 日経産業)
<前略>
「この次は合併だ。あとは機が熟すのを待つだけ。そう遠い話ではない」。2007年末、当時の新日鉄首脳はこう打ち明けた。その直前。新日鉄と住金は1000億円を追加出資した上で、新日鉄が住金の新鋭高炉を自社の規模拡大戦略に組み込むことで合意していた。02年に神鋼を含む3社で結んだ提携を着実に進め、この時点で互いに筆頭株主に浮上した。実質的には「合併まで秒読み段階」。
この時、両社の背中を押したのは間違いなく外圧だった。仮想敵はM&A(合併・買収)により一代で鉄鋼世界最大手に上り詰めたラクシュミ・ミタルだ。06年1月に当時最大手だった欧州アルセロールに対する敵対的買収を表明し、世界をあっと言わせた。
数週間後。国内出張中だった新日鉄社長(現会長)の三村明夫に1本の国際電話がかかってきた。声の主は当時アルセロール最高経営責任者のギー・ドレ。「助けてもらえないか」。実質的に新日鉄に対しホワイトナイトを要請する内容。三村にとっては住金と温めてきた提携を採るか、アルセロールを救い一気に世界企業に躍り出るかのギリギリの選択を迫られた。結果的に三村が採ったのは日本連合だった。
環境変化が救い
当時の新日鉄の規模ではミタルに対抗すべくもない。三村はすぐさま腹心に対し守備固めを指示。まずは「考えつく限りの取引先を回って安定株主作りに走り回った」(新日鉄幹部)。だがおよそ一年後、事務方からショッキングなリポートが上がってきた。「現状では敵対的買収を防ぐ手はない」。もはや打つ手なし。だが、二つの環境変化が新日鉄を救った。
一つは中国の経済発展で火がついた資源高だ。ミタルは余剰資金をこれまでのような買収ではなく鉱山投資に回す戦略転換に傾いた。「あのとき、ミタルが返す刀でうちに買収を仕掛けてきたら……ジ・エンドだったろう」。ある新日鉄首脳OBはこう振り返る。
もう一つは08年に世界を揺るがしたリーマン・ショックによる世界的な鉄鋼不況。新日鉄も高炉の一時休止にまで追い込まれ、90年代の「鉄冷え」の再来を思わせた。住金との合併構想は関係者の関心を離れていったかのように見られたが、そうではなかった。
<中略>
今井の社長就任からほぼ20年。2社が合併しても粗鋼生産能力は5000万トン足らず。ミタルの足元には及ばない。中国、インドや南米などを見れば、新興国の鉄鋼メーカーなど新日鉄や住金の技術を欲しがる相手はたくさんある。追い求めてきた国際競争力は、住金との合併で手にできたわけではない。
<前略>
「この次は合併だ。あとは機が熟すのを待つだけ。そう遠い話ではない」。2007年末、当時の新日鉄首脳はこう打ち明けた。その直前。新日鉄と住金は1000億円を追加出資した上で、新日鉄が住金の新鋭高炉を自社の規模拡大戦略に組み込むことで合意していた。02年に神鋼を含む3社で結んだ提携を着実に進め、この時点で互いに筆頭株主に浮上した。実質的には「合併まで秒読み段階」。
この時、両社の背中を押したのは間違いなく外圧だった。仮想敵はM&A(合併・買収)により一代で鉄鋼世界最大手に上り詰めたラクシュミ・ミタルだ。06年1月に当時最大手だった欧州アルセロールに対する敵対的買収を表明し、世界をあっと言わせた。
数週間後。国内出張中だった新日鉄社長(現会長)の三村明夫に1本の国際電話がかかってきた。声の主は当時アルセロール最高経営責任者のギー・ドレ。「助けてもらえないか」。実質的に新日鉄に対しホワイトナイトを要請する内容。三村にとっては住金と温めてきた提携を採るか、アルセロールを救い一気に世界企業に躍り出るかのギリギリの選択を迫られた。結果的に三村が採ったのは日本連合だった。
環境変化が救い
当時の新日鉄の規模ではミタルに対抗すべくもない。三村はすぐさま腹心に対し守備固めを指示。まずは「考えつく限りの取引先を回って安定株主作りに走り回った」(新日鉄幹部)。だがおよそ一年後、事務方からショッキングなリポートが上がってきた。「現状では敵対的買収を防ぐ手はない」。もはや打つ手なし。だが、二つの環境変化が新日鉄を救った。
一つは中国の経済発展で火がついた資源高だ。ミタルは余剰資金をこれまでのような買収ではなく鉱山投資に回す戦略転換に傾いた。「あのとき、ミタルが返す刀でうちに買収を仕掛けてきたら……ジ・エンドだったろう」。ある新日鉄首脳OBはこう振り返る。
もう一つは08年に世界を揺るがしたリーマン・ショックによる世界的な鉄鋼不況。新日鉄も高炉の一時休止にまで追い込まれ、90年代の「鉄冷え」の再来を思わせた。住金との合併構想は関係者の関心を離れていったかのように見られたが、そうではなかった。
<中略>
今井の社長就任からほぼ20年。2社が合併しても粗鋼生産能力は5000万トン足らず。ミタルの足元には及ばない。中国、インドや南米などを見れば、新興国の鉄鋼メーカーなど新日鉄や住金の技術を欲しがる相手はたくさんある。追い求めてきた国際競争力は、住金との合併で手にできたわけではない。
鉄鋼業界は、鉱石メーカーが寡占状態であるのに対し、1位のアルセロール・ミタルで6.0%、合併して 2位で3.1%のシェアーといった状況で、中国他の新興国の需要が拡大している今、原材料価格はメーカーの言いなりです。
ミタルが鉱山投資に注力し始めた様に、合併会社も量の競争ではなく鉱山投資や質の競争に力点を置くとの事です。
また、'09年実績の 2, 3, 4位は中国のメーカーであり、この 3社の合計はアルセロール・ミタルを大きく凌いでいます。
今後の激戦化を見越しての、長年の懸案成就の合併が、自動車業界で歓迎されているのだそうですが、公取(事前相談をして潰された過去の経緯から今回は事前相談なし)などの横槍で潰されることなく進められ、日本の製鉄業が世界で活躍できるよう期待しています。
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