遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

薄氏の暴挙が胡錦濤政権の危機へブーメラン現象

2012-04-19 23:56:29 | 中国 全般
 習近平新政権の椅子取り争いと観られていた薄煕来氏の追い落とし事件ですが、調べが進むにつれ浮上してきた英国人実業家殺人事件が、一党独裁の政治体制の弊害を露呈し、天安門事件以来の党にとっての最大の危機とも言われ、胡錦濤政権が綱渡りの政権運営を迫られているのだそうです。
 政権移行後の椅子取り争いに勝利し、有利な形勢に立ったと見えていた胡錦濤氏(共産党青年団)でしたが、情勢の変化はまだまだ流動的な様子ですね。
 

胡政権 世論対策にに躍起党の正当性強調 (4/19 読売朝刊)

 ある共産党関係者は今回の事件について「(1989年の)天安門事件以来、党にとって最大の危機」と評している。胡錦濤総書記は人民解放軍や関係部門に治安維持の徹底を厳命するとともに、党の正当性をアピールする世論対策を強化
している。
 事件を公表した10日以後、党中央機関紙「人民日報」は連日、「事実を重視」「法治の尊重」「腐敗撲滅への決意」などと、党の決定をたたえる評論を発表。胡氏の意向を受けた劉雲山党中央宣伝部長が自ら、主要地方紙に人民日報評論の転載を求める異例の宣伝工作を展開している。
 人民日報は16日、温家宝首相が中央委員会理論誌「求是」に発表した文章の一部を掲載。「人民による告発、社会世論、メディア報道が関心を持つ問題には、すぐに反応し、真剣に事実を確認し、法に基づいて処理する」と、真相解明への強い決意を表明した。
 2010年から11年にかけ、習近平国家副主席ら党政治局常務委メンバーが相次ぎ重慶入りし、薄氏支持を表明した。胡氏も昨年、いとこの胡錦星・上海増愛基金会理事長を重慶に送り、同市の施策について、地元の「重慶日報」で「共同富裕の道」とたたえさせた。
胡政権は、薄氏の専横を黙認した責任を避け
、党への批判をかわすためにも、事件を「個別のケース」として片づける必要がある。
 薄氏を支持してきた左派勢力はなお強く、一方で、今回の事件を機に大胆な政治改革を求める声も高まっている。胡氏は秋の党大会を前に綱渡りの政権運営を迫られている。



 江沢民から胡錦濤氏への政権交代時には、人民解放軍の掌握争いで胡錦濤氏が苦戦した(いまでも余韻が残っていますが)記憶がありますが、ここまでの異変は記憶にありません。
 椅子取り争いで優位に立ったと見えた胡錦濤・共青団でしたが、習近平・太子党や江沢民・上海グループの巻き返しはまだまだ侮れない様子です。
 当分の間、目が離せまんね。
 
 王立軍氏の駆け込み事件と、英国人実業家殺人事件のつながりが見えてきましたね。
 

重慶・英国人死亡 「2人で押さえ、口から毒薬」 「薄王国」横暴の果て (4/19 読売朝刊)

 
【北京=加藤隆則】薄煕来前重慶市共産党委書記が関与した英国人実業家殺人事件は、権力のチェック機能を欠いた一党独裁の横暴を余すところなくあぶり出した。文化大革命を思わせる法治不在の政治がまかり通った「独立王国」・重慶で起きた前代未聞の不祥事は、党に重い課題を突き付けている。

 「毒入りの飲み物を飲ませたが吐き出したため、2人は力ずくで押さえつけ、口から毒薬を流し込んだ」ある党幹部は、事件が公になった今月10日、小会議室で部下たちにこう語った。薄氏の妻、谷開来容疑者と薄氏の使用人、張暁軍容疑者が共謀し、2011年11月、同市内のホテルで、薄夫妻と親しかった英国人実業家ニール・ヘイウッド氏を殺害した事件の経緯説明だ。
 携帯の電源は切るよう命じられ、メモを取ることも許されない異例の会議だった。薄氏は2年間に及ぶ「打黒(暴力団排除)」運動で5700人以上を摘発した実績を誇ったが、会議参加者の一人は「やくざ以上のやくざだ」と耳を疑った。ミステリー小説の筋書きを読み上げるように、幹部の説明は続いた。
 「ヘイウッドが吐き出した物を重慶市公安局副局長の郭維国が回収して保管し、それが今回の決定的な証拠になった。(米総領事館に逃げ込んだ前同市公安局長の)王立軍は真相解明への協力で功績を上げたと評価されている」
 確かに、王氏が米総領事館に殺人疑惑を漏らし、それを欧米メディアが報じなければ、中国当局が再捜査に乗り出したかどうかは疑わしい。薄氏の專横ぶりは公然の秘密だったからだ。
 薄氏は遼寧省大連市長だった00年、自身の批判記事を書いた元「香港文匯報」東北代表の姜維平氏(56)を投獄。09年には、重慶での「打黒」運動で、起訴された暴力団幹部の無罪を主張した北京の弁護士、李庄氏(50)を証拠偽造罪で訴追している。
 ヘイウッド氏殺害事件でも、手段を選ばない無法ぶりがはっきり表れている。
 司法関係者によると、党中央規律検査委員会は殺害事件の前に、薄氏周辺の汚職問題に関する調査に着手。王氏を聴取し、ヘイウッド氏にも接触をしようとしていた。王氏は調査への対応を巡って薄氏と対立。
怒った薄氏は「ふざけるな!」と王氏を罵倒し、ほおを殴りつけたという。そして1月末、春節のあいさつに薄氏を訪ねようとした王氏は、門前払いを食らう。
 約10年にわたり薄氏の圧政を支えてきた王氏は、薄氏以外、頼る者がいなくなっていた。成都の米総領事館に向かう車中で、一度会っただけの中国紙記者に連絡をした。「薄と一緒にいると自分の命が危ない」。ここに至ってようやく「重慶王国」の崩壊が始まった。

 
  # 冒頭の画像は、薄煕来氏と妻の谷開来氏



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