遊爺雑記帳

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ゼレンスキー氏が語る反転攻勢 WSJが単独インタビュー

2023-06-06 01:23:56 | ウクライナ全般
 膠着・長期化の様相のプーチンのウクライナ侵攻。
 G7広島サミットに乗り込んだゼレンスキー大統領は、会議の主役となり、G7首脳だけでなく、インドのモディ首相との面談も実現させ、各国の支援獲得への機運盛り上げに成功しました。
 念願の防空力強化に向けた、F16戦闘機供与の獲得の約束も。

 高まる反転攻勢について、WSJがゼレンスキー大統領への単独インタビューを実現させています。
 
ゼレンスキー氏が語る反転攻勢・米大統領選・中国 - WSJ
NATOに対してはウクライナ加盟に向けた明確な道筋示すよう求める
 By James Marson and Emma Tucker(以下 WSJと略称) 2023年 6月 5日

 【オデッサ(ウクライナ)】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、長い間待ち望まれていた反転攻勢の用意ができていると語った。だが同時に、成功を収めるには時間がかかり、多大なコストを伴う可能性があるとの見方も示した

 ゼレンスキー氏は
ウクライナ南部の港湾都市オデッサでインタビューに応じ、「われわれは成功すると強く信じている」と語った。ウクライナ軍は、ロシアに占領された領土の奪還を目指して、この戦争で最も重大な局面の一つとなるかもしれない段階に備えている。

 
「どれくらいの時間がかかるのかは分からない。正直に言うと、全く異なるさまざまな展開があり得る。しかし、われわれはそれを実行するつもりであり、その準備ができている」と同氏は語った

 1時間に及んだインタビューの話題は多岐にわたった。
ゼレンスキー氏はこの中で、来年の米大統領選を受けて、現政権と比べてウクライナへの支援姿勢が弱い政権が誕生する可能性があることへの懸念を示した。また、北大西洋条約機構(NATO)に対し、ウクライナの加盟に向けた明確な道筋を示すよう呼びかけた

 
さらに、中国に対してロシアの制止を試みるよう求めたほか、ウクライナは、空爆から市民を守るとともに前線部隊を防御するために、米国製の地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」の追加供与を受けることが緊急に必要だと指摘した。

 ゼレンスキー氏は、前線での
ロシアの空軍力の優位を認め、それに対する防衛手段が足りなければ、反転攻勢で「多数の兵士が死亡するだろう」と語った

 ウクライナは
反転攻勢に向けて、もっと多くの西側製兵器を得られることを望んでいたが、それでも開始の準備はできているという。「われわれは特定のものを欲しているが、何カ月も待てない」とゼレンスキー氏は述べた。

 同氏はウクライナの地上部隊について、同国
東部および南部の約2割に塹壕を掘ってしがみつこうとしているロシアの部隊より「強く、士気が高い」と語った

 ゼレンスキー氏は、
自身の厳しい口調が西側の指導者から反感を買うこともあると認識しているとした上で、人々の命を守り、ウクライナの勝利に貢献するであろうことが分かっていながら、より先進的な兵器を出し惜しみしているように見えることが理解できないと語った

 
ウクライナがロシアからの攻撃に耐えられなければ、「あの動物、あのけだものは味を占め」、征服をさらに進めるだろうと述べた

 「誰が誰に感謝すべきかといった比較をすべきではない」

 ゼレンスキー氏は政府の施設内でインタビューに応じた前日には、負傷した兵士への慰問や軍司令官との会合に加え、輸出を増やす対策を協議するため港を訪れていた。ウクライナの国名が描かれた黒色のTシャツを着た同氏は少し疲れているように見えたが、どのようにしてやる気を維持しているのかと聞くと、すぐに明るい表情を見せた。

 「弱気になっている場合ではない」

 ある西側当局者によると、ウクライナを支持する西側諸国は反転攻勢で戦争が終結しないであろうことを認識しているが、塹壕で身を隠し、ウクライナへの支援が損なわれるのを待つというロシアのウラジーミル・プーチン大統領の戦略が無益であることを反転攻勢で示してほしいと考えているという。

 米バイデン政権は、ロシアが全面的な侵攻を開始して以来、ウクライナに安全保障面で370億ドル(約5兆1800億円)以上の支援を供与しており、さらなる軍事援助を約束している。欧州の同盟諸国も米国のこうした対応に追随している。

 しかし
2024年米大統領選に向け、共和党の最有力候補となっているドナルド・トランプ前大統領は5月、ウクライナ支援を言明せず、その代わり、戦争の早期終結を目指す考えを示した。ただし、その方法については言及しなかった

 
ゼレンスキー氏は米国の政権交代がどんな形になろうとも、それがウクライナ支援に及ぼし得る影響を懸念していると語った

 「支援を受けている現在のような状況下では誰であれ、変化を恐れるものだ」と同氏。「正直に言って、政権交代となれば、私は他の誰もが感じるのと同じことを感じる。それは、良い方向に変わることを望むが、その逆になる恐れもあるというものだ」

 
ゼレンスキー氏は、24時間で戦争を終わらせるというトランプ氏の主張について、理解できないと語ったロシアが既にクリミア半島とウクライナ東部の一部地域を占領していた時点で、当時大統領だったトランプ氏がこうした主張通りのことを実現できなかったからだ

 ゼレンスキー氏は、ジョー・バイデン大統領にはウクライナへの思い入れがあり、それがバイデン政権のウクライナ支援を支えていると語った。その一方で、トランプ氏が大統領だったのはロシアの全面侵攻前のことだと指摘し、全面侵攻時に大統領だったら「トランプ氏がどう対応していたかは定かではない」と述べた。

 
ゼレンスキー氏にとってより差し迫った関心事は、7月にリトアニアの首都ビリニュスで行われるNATO首脳会議で加盟への確かな道筋をつけることだ

 NATOは2008年、ウクライナの将来的な加盟について合意したものの、加盟の時期は示さなかった。昨年、
ウクライナは加盟を申請したが、NATOの事実上のリーダーである米国は、ウクライナの加盟手続きや時期に関する議論をほぼ回避しており、それよりも、ウクライナの安全保障と軍事力の強化に力を入れている

 
ゼレンスキー氏はNATOの中には、ロシアを恐れて、ウクライナの加盟を認めたがらない国もあると述べた。だが、具体的な安全保障と加盟への道筋の提示を求めるNATOへの圧力は強まっている。

 
戦闘が続く中でウクライナのNATO加盟が実現することは予想していないが、終戦後に加盟が承認される確約が欲しいとゼレンスキー氏は語った。

 「ビリニュスでその手がかりを得ることができないなら、ウクライナがこの首脳会議に参加する意味はないと考えている」と同氏。そのような手がかりが得られると思うかとの問いに対しては「分からない。正直なところ不明だ」と答えた。

 中国はロシアの侵攻を非難せず、この戦争の原因は米国とその同盟国にあるとの立場で、和平実現を目指す外交で役割を果たそうとしている。
ウクライナは、中国の意見を聞く用意はあるが、領土の割譲を含む提案には決して応じない姿勢を見せている

 ゼレンスキー氏によると、中国の習近平国家主席と4月に行った電話会談の中で、ロシアへ兵器やその他の技術を供与しないよう求めた際、習氏はロシアには兵器を供与していないとゼレンスキー氏を安心させる発言をしたという。

 
ゼレンスキー氏は中国について、ロシアを上回る大国で、影響力も大きいため、和平の実現に重要な役割を果たし得るとの見方を示した

 
「そのような国に、人々が死ぬのを傍観してほしくない」とゼレンスキー氏は言う。「大国であれば、国家の偉大さの示しどころだ。これは絵画でも博物館の展示物でもない。現実に起きている血みどろの戦争だ」

 ゼレンスキー大統領は、長い間待ち望まれていた反転攻勢の用意ができていると語った。だが同時に、成功を収めるには時間がかかり、多大なコストを伴う可能性があるとの見方も示したと、WSJ。

 「われわれは成功すると強く信じている」
 「どれくらいの時間がかかるのかは分からない。正直に言うと、全く異なるさまざまな展開があり得る。しかし、われわれはそれを実行するつもりであり、その準備ができている」とゼレンスキー大統領。

 来年の米大統領選を受けて、現政権と比べてウクライナへの支援姿勢が弱い政権が誕生する可能性があることへの懸念を示したと、WSJ。
 ゼレンスキー氏は、前線でのロシアの空軍力の優位を認め、それに対する防衛手段が足りなければ、反転攻勢で「多数の兵士が死亡するだろう」と。
 英国の根回しでの、G7広島サミットでのF16供与の成談は大きな前進。

 ウクライナは反転攻勢に向けて、もっと多くの西側製兵器を得られることを望んでいたが、それでも開始の準備はできていると。
 ゼレンスキー大統領は、自身の厳しい口調が西側の指導者から反感を買うこともあると認識しているとした上で、人々の命を守り、ウクライナの勝利に貢献するであろうことが分かっていながら、より先進的な兵器を出し惜しみしているように見えることが理解できないとも語ったと、WSJ。
 ウクライナがロシアからの攻撃に耐えられなければ、「あの動物、あのけだものは味を占め」、征服をさらに進めるだろうとも。

 ゼレンスキー大統領は、米国の政権交代がどんな形になろうとも、それがウクライナ支援に及ぼし得る影響を懸念していると語ったのだそうです。
 24時間で戦争を終わらせるというトランプ氏の主張について、理解できないとも語ったと、WSJ。
 ロシアが既にクリミア半島とウクライナ東部の一部地域を占領していた時点で、当時大統領だったトランプ氏がこうした主張通りのことを実現できなかったからだそうです。

 ゼレンスキー大統領にとってより差し迫った関心事は、7月にリトアニアの首都ビリニュスで行われるNATO首脳会議で加盟への確かな道筋をつけることだと、WSJ。
 ゼレンスキー氏は、NATOの中には、ロシアを恐れて、ウクライナの加盟を認めたがらない国もあると。
 戦闘が続く中でウクライナのNATO加盟が実現することは予想していないが、終戦後に加盟が承認される確約が欲しいとゼレンスキー氏。

 中国はロシアの侵攻を非難せず、この戦争の原因は米国とその同盟国にあるとの立場で、和平実現を目指す外交で役割を果たそうとしている。ウクライナは、中国の意見を聞く用意はあるが、領土の割譲を含む提案には決して応じない姿勢を見せていると、WSJ。

 中国はロシアの侵攻を非難せず、この戦争の原因は米国とその同盟国にあるとの立場で、和平実現を目指す外交で役割を果たそうとしている。ウクライナは、中国の意見を聞く用意はあるが、領土の割譲を含む提案には決して応じない姿勢を見せていると、WSJ。

 ゼレンスキー氏は中国について、ロシアを上回る大国で、影響力も大きいため、和平の実現に重要な役割を果たし得るとの見方を示した。
 「そのような国に、人々が死ぬのを傍観してほしくない」と!

 習近平氏が、自国の覇権拡大とロシアへの貸をつくるのが目的ではなく、本心から和平の実現に一肌脱ごうと言うなら、ゼレンスキー大統領の願いが通じると思いますが、どうなのでしょう。その器の大きさが問われます。

 

 # 冒頭の画像は、反転攻勢について語るゼレンスキー大統領



  この花の名前は、クラリーセージ


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