東京消防庁・ハイパーレスキュー隊の屈折放水塔車による、3号機の使用済燃料プールへの放水も、当初の7時間の予定を延長して継続されています。
日々刻々と悪化していた状況が、踏みとどまり、回復への兆しが見えてきた様です。一方、多くの専門家は、未だ危機的状況にあることには変わりないと、楽観視することを戒めています。
18日朝には580名に復活している「英雄フクシマ50」の方々、ハイパーレスキュー隊の方々の身を呈した尽力に、心から感謝申し上げます。
東日本巨大地震で被災した東京電力福島第一原子力発電所では19日、原子炉格納容器が損傷している恐れのある2号機の冷却機能回復を目指し、外部からの送電線を引き込み接続する作業が夜通しで行われた。
東電は同日中の電源復旧を目指している。同日未明には、使用済み核燃料の一時貯蔵プールが危険な状況にある3号機に対し、東京消防庁の緊急消防援助隊が放水を行った。最悪の事態を避ける懸命の努力が続いている。
電源復旧に向けた工事は、1、2号機と3、4号機、そして5、6号機の3系統に分けて進行。2号機を優先して行われている。
18日に、配電設備を搭載した車を1号機の近くに配備。この配電設備から、2号機タービン建屋にある配電盤兼変圧器までケーブルを接続した。19日は未明から敷地内に約1・5キロのケーブルを敷設している。
一方、6号機では、2台目の非常用ディーゼル発電機が19日早朝に回復。この電源を使って5号機の使用済み核燃料一時貯蔵プールの熱交換器を動かし、貯蔵プールの温度は約1度下がった。また、5、6号機では18日までに水素爆発を防ぐための穴を建屋の屋根に開けた。
3、4号機は配電設備車2台を配備。19日は断線した高圧線の復旧と、4号機の変圧器兼配電盤までのケーブル敷設作業を行う。
東電によると、1、2、5、6号機は19日中、3、4号機は20日をメドに復旧をめざしている。
同原発は、1~3号機の原子炉圧力容器内の水位が低い状態が続き、核燃料棒の一部は依然露出しているとみられる。4号機は貯蔵プールの冷却水が高温になり、水位低下で燃料棒がむき出しになる危険がある。
経済産業省原子力安全・保安院によると、原発敷地内の放射線量は、18日午後5時に、3号機から北西に約0・5キロ・メートル離れた事務本館北で毎時5000マイクロ・シーベルトを超えたが、19日午前1時50分、約6割の毎時3181マイクロ・シーベルトまで減った。
緊急時の作業員に例外的に認められる被曝(ひばく)の上限値250ミリ・シーベルト(25万マイクロ・シーベルト)よりは低いが、高いレベルであることは変わりなく、原子炉建屋に人が近づく作業は困難が予想される。
3号機から西に1・1キロ・メートル離れた西門付近では19日午前8時10分に毎時830・8マイクロ・シーベルトに上がったが、同9時には同364・5マイクロ・シーベルトに下がった。
福島第一原発で作業にあたる人々のことを、欧米メディアやネット上で「英雄フクシマ50」と呼ばれているのだそうですね。
地震発生後に、800人いたうちの750人が退避し、50人の方々(東電以外の、東電工業、東電環境エンジニアリングといった子会社、原子炉を製造した東芝、日立製作所などメーカーの社員の方々を含)が残り護っていただきました。今(18日朝)は580人に復活しているそうですが、被曝基準を引き上げて、けが人や行方不明者を出しながら、命がけで作業にあたっていただいています。
福島第一原子力発電所プラント状況等のお知らせ
外部電源ケーブルが繋がりましたが、これから機器の稼働是非の確認作業があり、修理や交換の作業も想定されます。ややもすれば、情報隠ぺい傾向が感じられるせいで、小田原評定とか、茫然自失で手を付けていない(つけたくても危険で様子見をしている)との印象もありましたが、夜を徹して交代で作業に着手いただいています。
まさに、英雄と言うべきです。海外メディアが取り上げていて、日本のメディアが逆輸入しているのは、情けない話ですが、日本の誇りですね。
予定より遅れながらの作業ですが、多くの障害が山積しているなか、引き続きご尽力いただけることを願っています。
それに引き換え、政府の自衛隊のトップ2の情けなさは、政府批判を抑えているのでですが、触れざるを得ません。
ひとつは、カンカラ菅が自民党(谷垣氏 or 大島氏)に副総裁の就任を要請して、その理由が、"責任を分かち合う"だというのです。責任は、総理大臣が負うのです。逃げたり誰かに転嫁は出来ない、それが総理大臣なのです。
もうひとつは、北澤氏。すでに別稿でもふれましたが、自衛隊のトップ2なのに、ヘリなどの放水出動の決断を幕僚長に責任転嫁しています。最高責任者として決断・命令すべきなのです。
福島第1原発への海水投下をめぐり、北沢俊美防衛相が任務決断の責任を折木良一統合幕僚長に転嫁するかのような発言をしたことに対し、自衛隊内から反発の声が上がっている。
北沢氏は陸上自衛隊のヘリが17日に原発3号機に海水を投下した後、「私と菅直人首相が昨日(16日)話し合いをするなかで結論に達した」と政治主導を強調する一方で、「首相と私の重い決断を、統合幕僚長が判断し、自ら決心した」と述べた。
この発言について、ある自衛隊幹部は「隊員の身に危険があるときほど大臣の命令だと強調すべきだが、逆に統幕長に責任を押しつけた」と批判する。北沢氏は17、18両日の2度の会見でヘリの乗員をねぎらう言葉も一言も発しなかった。
首相も最高指揮官たる自覚はない。首相は17日夕、官邸での会議で「危険な中での作戦を実行された隊員はじめ自衛隊のみなさんに心から感謝を申し上げます」と述べたが、地震発生以来、一度も防衛省を激励に訪れたことはない。
こうしたなか、現職自衛官の悲痛な訴えが18日、インターネットメディア「JBpress」に載った。海水投下も記述したうえで、こう締めくくっている。
《隊員を喜んで死地に向かわせるのは、自衛隊最高指揮官である内閣総理大臣をはじめとする、防衛大臣などの各級指揮官の堅確な意志と熱誠を込めた言葉です。…死地に向かわせるなら、指揮官陣頭であるべきです》
首相、北沢氏は謙虚に一読すべきであろう。(半沢尚久)
「JBpress」の掲載は、以下だと思います。長文です。コメントは考えるところがあり、今日のところは差し控えさせていただきます。
福島第一原発:報道をはるかに超える放射能 死を覚悟する自衛官、国のリーダーにその認識はあるか JBpress(日本ビジネスプレス)
英雄に是非もう 1チーム付け加えてほしいのが、東京消防庁のハイパーレスキュー隊です。
都知事が政府の要請を請け即時出動し、現場へ到着するや海水くみ上げ場所の障害で作業が遅れる中、夜を徹して放水開始にこぎつけていただいています。
今日(3/19)の作業再開も、バッテリーのトラブルがありながらも、大きな遅れもなく作業を開始させていただけました。燃料給油などのメンテナンス以外は無人稼働との利点もありますが、予定の70時間をさらに延長して作業を続けていただいています。
日々、命がけの救難作業の現場を踏んでいる精鋭部隊ならでこその、プロフェッショナルの仕事と感銘します。雑音も一切聞こえてきません。
このプロの仕事ぶりは、「英雄フクシマ50」の方々に、大きな支えともなっていることと思います。
後追いの情報ばかりで、全体像が不明とは、世界中が疑念を抱き始めています。
朝日がまとめていたのが、冒頭の図です。
「圧力抑制室」を損傷している 2号機、使用済燃料プールでは収容燃料棒の量が圧倒的に多く、発熱量のもっとも高い 4号機が危険に見えます。朝日は見出として「4号機発熱量突出」の文字を白抜きで大きく書いていて、4号機の危機を主張している様です。
放水作業は、3号機に対してのみ優先的に行われています。(天井が残っている 4号機は、水が残っているとされることと、横の穴からでは放水し難いから?)気にしていたのですが、1, 2号機の使用済燃料棒の状態は「不明」とのことです。使用済燃料の冷却が優先的に進められているのに、横展開の予防処置が必須ですが、1, 2号機の状況が不明(発表されない)とは、確認できない危険な環境にあるということ...?
米軍が出動させてくれた「グローバルホーク」や、自衛隊ヘリでの温度測定の結果を待つしかない?
こういったマイナス情報も、現状を発表することが、国際的に求められていることですし、逆に不信を和らげることだと考えますが、いかがでしょう。
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御意。
全国 & 全世界の英知を受け入れたり探り出し、活かすコントロールセンターが求められますね。