Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ブルーノ・ムナーリ展

2008-06-08 | お出かけ
無理矢理息子を引っ張って、
滋賀県立近代美術館で開催中のブルーノ・ムナーリ展に行ってきました。
ブルーノ・ムナーリは、イタリアの美術家で、
グラフィックデザイナー、プロダクトデザイナー、絵本作家など、
多岐に渡って活躍したアーティストです。


美術館は撮影禁止なので、
写真で説明できなのがツライところ。
しかし、実に面白かったです。

デザインの仕事をしている自分とすれば、
イタリア人らしい鮮やかな色遣いと独創的なアイデアに感心することしかり。

終戦直後に息子のために書いた絵本は、
ページの中に小さな扉がついてるいわゆる仕掛け絵本。

また、穴しか開いていない、線しか書いていない「読めない絵本」など、
絵のない絵本で作り手と読者の間にコミュニケーションは存在するか
と言う実験的な絵本もあります。
知育絵本として、現在このような絵本が多数見受けられますが、
これが元ネタでは?と思えます。

「きりのなかのサーカス」と言う絵本は
トレペに絵が書いてある絵本で、トレペの半透明具合を「霧」に見立てているんです。
ですから、ページが重なっていても、向こう側の絵が見える。
それが霧の向こうにぼんやりと何かが見えるようなんです。
このアイデア、すばらしい。と思うのと同時に、印刷会社さんが偉い!なんて思ったりして。

ゼログラフィックスと言う手法もムナーリが編み出したもので、
コピーの最中に模様を描いた紙を左右に動かしたり、こすらせたりすると
不思議な模様ができる。それをコラージュして絵本を作ったりしています。

「役に立たない機械」という本では、
まるでこれは「ピタゴラスイッチ」ではないの!と思わず叫んでしまいました。

展示の出口で、紹介された絵本が全て手にとって読めるんです。これがすばらしい。
「欲しい!」と思う絵本がいくつもありましたが、何と1冊5000円ほどするではあーりませんか。
ポストカードで我慢です。。。



まあ、何を見ても、「このアイデアは○○に使われているようなあ」と思える元ネタの宝庫なのでした。
今回の企画展はブルーノ・ムナーリの生誕100周年記念ということ。
「2001年宇宙の旅」じゃないですけど、やっぱりデザインの世界は、
この100年くらいじゃ、何も変わってないなというのが実感です。
いや、むしろデザインと言う世界に進化はあるのだろうか、とすら感じます。