Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

キャリー

2013-01-25 | 外国映画(か行)
★★★★ 1976年/アメリカ 監督/ブライアン・デ・パルマ
(DVDにて鑑賞)


「シシー・スペイセイクの七変化」

久しぶりの再見。
いやあ、のっけの更衣室&シャワーシーンからデ・パルマ節炸裂でかなり笑える。
更衣室で着替える裸の女子高生をスローモーションでとらえ、
そこに安いムーディーなBGMがのっかっているという。
この三文ポルノみたいな演出がまさにB級の味わいと申しましょうか。

キャリーの母親は狂信的なキリスト教信者で初潮を迎えたキャリーを汚らしい!と蔑み、
その後も、あれやこれやと娘に罵詈雑言の嵐。
同級生からもバカにされ、孤立するキャリー。

シシー・スペイセイクはこの17歳のいじめられっ子を当時26歳で演じていたというのは驚き。
常にびくびくと下を向いていた彼女がプロムで見せる美しさは本当に可憐だし、
その後豚の血を浴びるというショッキングが出来事から大惨事を引き起こす様子の激変ぶりも見事だ。
血まみれになって、目を剥きだしたあの表情!

キャリーが念動力を使うところの音楽は完全に「サイコ」なんだけど、あれはまんま流用なんだろうか?
デ・パルマがヒッチコックの影響を強く受けていることを再確認。
というか、「殺しのドレス」はヒッチコックへのオマージュだしね。
最近見たアルモドバルの「私の生きる肌」も非常にヒッチコックっぽかったし、
今更ながら彼の偉大さを感じるのです。