Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

少年と自転車

2014-08-16 | 外国映画(さ行)
★★★★ 2011年/フランス・ベルギー 監督/ジャン=ピエール・ダルデンヌ 、 リュック・ダルデンヌ
DVDにて観賞

とても良かったです。
父に捨てられた少年シリルと彼を見守る里親サマンサの交流をとっても丁寧に描いている。
シリルは親の愛を受けて育っていないから、相手の気持ちを思いやるということが全くできず、
温かい手を差し伸べるサマンサのことを何度も裏切るようなことをしてしまう。
なんで、わからないの!とちょっとイライラしたりもするんだけど、
しょうがないよね、こんな切ない境遇になったらさ。
シリルは常にじっとしていなくて、いつもいつも走っているか、暴れているか、自転車に乗っているかなんだけど、
その落ち着かなさが彼のキャラクターをよく伝えている。
サマンサにしても、なぜここまで彼に思い入れるのか背景は全く語られていないんだけど、
こういう省略の仕方は構成上非常に賢明で美しい。さすがヨーロッパ映画。
もっとダルデンヌ兄弟見よう。