Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ブラックバード

2021-06-14 | 外国映画(は行)
★★★★ 2019年/アメリカ・イギリス 監督/ロジャー・ミッシェル

安楽死を選択した母。最期の日を過ごすために家族が集まってくる。究極の選択を前にそれぞれの思いが交錯し、隠されていた事実が露わになる。構造的な既視感はあるが、冒頭からラストまで家族間の小さいさざ波が引いては押しての繰り返し。緻密な脚本で引き込まれた。秀作。

ワンシチュエーションだからこそ、場としての「家」が重要だが、これが実に魅力的。いい建築が出ると作品の印象が格段に上がるので嬉しい誤算。作中では明かされないがリリーの病名はALSと思われ、昨今日本でも衝撃的な事件もあり、静かな佇まいだがテーマは多くの問題を孕んでいると思う。