Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ザ・サーペント 

2021-06-04 | TVドラマ(海外)
★★★★ Netflix

殺人鬼シャルル・ソブラジの犯罪史をバンコク時代を中心に描く。70年代ヒッピーカルチャー盛んなアジアの猥雑な街が見応え抜群。バンコク、カトマンズ、香港…etc。Netflix+BBCのロケ力が存分に活かされている。多くの欧米バックパッカーが次々と毒を盛られる様に戦慄。

映画ファンとしてはタハールラヒム主演が見どころ。メイクで本人に寄せており本性が見えない不気味さが増してる。ソブラジはただのサイコパスじゃなく、強盗・詐称・文書偽造・脱獄とあらゆる犯罪に手を染めている。時系列の行き来が多いのが残念だが回を増すごとに増え続ける犯罪歴に驚きの連続だった。

犯人を追い詰め、彼に固執して人生が変わってしまうオランダ人大使館員のヘルマン。「ゾディアック」や「凶悪」にも通じるテーマ。他国の大使館員は自国の旅行者の死に全く興味なしで、前半はいわゆる「誰も自分を信じてくれない」ジャンルでもある。彼の奮闘がなければと思うとゾッとするばかりだ。

宮本から君へ

2021-06-03 | 日本映画(ま行)
★★★★ 2019年/日本 監督/真利子哲也

終始殴られている感覚で見続けるが、最後に残るのは爽快感。猪木の気合の平手打ちかよ。「渾身の」という言葉すら軽々しく聞こえる池松壮亮・蒼井優両名の演技に圧倒されっぱなし。物事の正しさを問うなんてカッコつけないからこそ、強烈な正しさを感じるんだ。宮本、お前は正しい!

宮本を見ながら、なぜか「愛のコリーダ」のきっつぁんを思い浮かべていた。徹底して受け身なきっつぁんと攻撃し続ける宮本。方向性は真逆だが、これほど好きな女との愛に全身全霊を傾けられる男は滅多にお目にかかれない。こんな男に愛されてみたい。そんな思いもまた同じ。

ANNA アナ

2021-06-02 | 外国映画(あ行)
★★★☆ 2019年/アメリカ・フランス 監督/リュック・ベッソン

トップモデルがアサシンという漫画な世界観を何の引け目もなくド直球に差し出す、その潔さ良し。ゴージャスなファッション界と裏切りに裏切りが連なるスパイ界の掛け合わせ。レズビアン設定までありベッソンの「こんなん作りたかってん!」の声が聞こえる。ツッコミどころも味わいの快作。

本作でいちばん惹かれたのはヘレンミレンのKGB姿という映画ファンは少なくないでしょ?このメガネルックス、最高。衣装さんナイス過ぎる。徹頭徹尾冷酷な上司を淡々と演じており、やり過ぎないさじ加減はさすが。上司にブス呼ばわりされつつ、ここまでのし上がってきた彼女の物語が見たい。


エジソンズ・ゲーム

2021-06-01 | 外国映画(あ行)
★★★☆ 2019年/アメリカ 監督/アルフォンソ・ゴメス=レホン

電流戦争を程よくエンタメに昇華。このジャンル全く詳しくないので予想以上に楽しめた。性格の悪い科学者ばっかり演じてるカンバーバッチなのに、それでも面白いのは大したもの。偉大な発明も、国家や投資家に振り回されるのは今も同じ。発明と公共性。現代に通じるテーマだ。

しかし、テスラという人はその非業の最期ゆえに魅力的ですね。美しい天才青年。ボウイに続いて、ニコラスホルトのチョイスはナイス。