★★★★ Netflix
殺人鬼シャルル・ソブラジの犯罪史をバンコク時代を中心に描く。70年代ヒッピーカルチャー盛んなアジアの猥雑な街が見応え抜群。バンコク、カトマンズ、香港…etc。Netflix+BBCのロケ力が存分に活かされている。多くの欧米バックパッカーが次々と毒を盛られる様に戦慄。
映画ファンとしてはタハールラヒム主演が見どころ。メイクで本人に寄せており本性が見えない不気味さが増してる。ソブラジはただのサイコパスじゃなく、強盗・詐称・文書偽造・脱獄とあらゆる犯罪に手を染めている。時系列の行き来が多いのが残念だが回を増すごとに増え続ける犯罪歴に驚きの連続だった。
犯人を追い詰め、彼に固執して人生が変わってしまうオランダ人大使館員のヘルマン。「ゾディアック」や「凶悪」にも通じるテーマ。他国の大使館員は自国の旅行者の死に全く興味なしで、前半はいわゆる「誰も自分を信じてくれない」ジャンルでもある。彼の奮闘がなければと思うとゾッとするばかりだ。