【わんちゃんの独り言】

毎日の生活の中で見たこと、聞いたこと、感じたこと、思いついたこと等々書き留めています
(コメント大歓迎デス・・・・・)

京都府立植物園:冬の木々の赤い実

2012-01-31 | 折々の花~植物園~


 菰巻き 


樹木係の職員さん7名の方が総出で下から上へ順番にコモを巻いて行きます。
一番上のところで、スポッと抜けないように下方へ荒縄で結んでありました。
7名の職員さんが8時半からほぼお昼までかかったそうです。
京都も最近暖かくなってきてますね、このコモを巻かないとソテツがもたへんのんかな?と言うことも無いそうです、しかし「アレせえへんのですか?」とか言われるそうです、また、もしかの時も考慮されて、何よりも菰巻きの技術の継承としてでも、やらなアカンのんちゃうやろか・・・と。
毎年、季節の風物詩として新聞に紹介もされますから・・・

土曜の午後はミニミニガイド
温室ではいろんなお花が咲いてました、屋外ではちょっと厳しいですね、何を解説されるのかな?の期待満々・・・
樹木係生態園担当 津田さん

赤い実シリーズで~す」と、おっしゃりながら歩き始めた津田さんの後をぞろぞろと・・・

ストランバエシア (バラ科) 



学名でしか表記が無いです、和名は無いです。
中国ヒマラヤ原産、なかなかよそでは見られませんよ。

 オオカナメモチ (大要黐) バラ科 




1935年中国からの種子交換で育てたモノ
ストランバエシアもそうだったんですよ。
オオカナメモチの実は多肉質でジューシーな実⇒液果、漿果(しょうか)
いかにも鳥が好きそうな実
ここで突然、動物散布のお話
動物散布には
①付着型(動物に付着して運ばれる:ひっつきむしなど)
②被食型(どうぶつに食べられて運ばれて糞と共に出る)
鳥たちのエネルギーは糖分と脂分で飛ぶと言われてます。
出来るだけ体重を軽くして飛べるように蓄えられないので食べたモノをすぐに燃やして飛ぶ・・・ので食べたまま遠くの方へは飛びません、食べながら糞しながら飛ぶ状態なんで、あんまり遠くの方へは種が行かない、鳥散布はせいぜい200m以内で蒔かれてしまう・・・
鳥に食べてもらって木はなんで遠くに行きたいのか?
もちろん勢力範囲を広げたいのもある、けど、自分の親の根元に落ちても、親が覆いかぶさって日が当たらないし、親の元に居てても将来、何の見込みもない!
ということで、出来るだけ親の影響から逃れたい、というのがポイント。
けど、鳥によってどこに飛ばされるか解らない?という大きなリスクを抱えている、しかし、親元からちょっとでも離れたい・・・
実が甘いのが良いかな?鳥に食べてもらえる適当な大きさのサイズ、鳥が好む適当な固さ(柔らかさ)発芽抑制物質が働いてる事、
えっ?発芽抑制物質??
鳥のお腹の中を通って糞と一緒に出ないことには発芽しないようになっている、園芸係さんがする時は、ざるの中で強く果肉を洗い流して種を取り出すという方法で・・・そうしないと芽がでない、そうです。

種子交換⇒全世界の提携植物園に「ウチではこんな植物がありますよ」とリストを送ります、欲しいという植物園が何種類かという制限のもとで申し込みがあったら、封筒に種を入れて送る・・・
挿し木とか種とかでやりとりしたモノ
京都府立植物園の種子交換の実績➱(こちら)


 センリョウ、マンリョウ、アリドオシ 
(千両も万両もず~っとありますよ、有り通しですよ:\(^o^)/)
  センリョウ(千両)センリョウ科  


  マンリョウ(万両)ヤブコウジ科 


センリョウとマンリョウとは?
実が上向きにブワ~っと付いてるのがセンリョウ、マンリョウはコソッと下向きに、葉っぱに隠れるようにぶらさがってますね。
葉っぱの鋸歯(きょし)
センリョウはギザギザギザと先っちょまで尖ってます、マンリョウはちょっと優しめな波型の鋸歯になってる?(そうそう)
樹形で見るとセンリョウは枝分かれして大きくなっていく、マンリョウはスクンと立って下向きにポロンと実が付いて、葉っぱがプサッと付いてて、それがちょっとづつ大きくなっていく?(ほぉ~~)

  アリドオシ(蟻通し)アカネ科 一両


  カラタチバナ(唐橘、百両金)ヤブコウジ科 百両


  ヤブコウジ(藪柑子)ヤブコウジ科 十両


センリョウだけはセンリョウ科
マンリョウとカラタチバナとヤブコウジが近縁でヤブコウジ科
アリドオシはアカネ科

「あかき木の実」  北原白秋
暗きこころのあさあけに、
あかき木(こ)の実ぞほの見ゆる。
しかはあれども、昼はまた
君といふ日にわすれしか。
暗きこころのゆふぐれに、
あかき木の実ぞほの見ゆる。

↑ 道草さんよりいただきました。




♪赤い鳥、小鳥、なぜなぜ赤い、赤い実を食べた♪
ず~っと、赤い実を観察してきました
ここで、ふと、赤い実よりも黒い実の方が美味しかったりして・・・
赤い実の時よりも熟して黒くなった時の方が美味しい、アントシアニンが増えてきたころかな?
鳥の目には何色に見えているのか?どうも、人間が見る色とはちょっと違うみたい?
赤い実が赤く、黒い実が黒く見えてるとは違うみたい、
赤い実が美味しいんじゃないかと言えばそうでもないみたいで赤い色のタマミズキの実には見向きもしない鳥さんたち
高い高い木の上にいっぱい実が生っている
「なんで鳥が食べないの?タマミズキの赤い実は美味しくないの?」と聞いてみたいくらい。
他に食べるモンがなくなったころ、やっとタマミズキに鳥がやってくる・・・

ここで、赤い実の観察は終わりました。
まだまだ園内をブラブラ向こうの方に黄色くこんもりとした樹が・・・・・??
つづく


樹木係生態園担当 津田さん