【わんちゃんの独り言】

毎日の生活の中で見たこと、聞いたこと、感じたこと、思いついたこと等々書き留めています
(コメント大歓迎デス・・・・・)

植物観察会~山科植物資料館(日本新薬株式会社)~2013.2.25

2013-03-09 | 木津川市植物同好会
山科植物資料館は日本新薬(株)が創立された翌年(1934年)に回虫駆逐薬サントニンを含有するミブヨモギの栽培試験圃場としてスタートしました。それ以来、今日までの70年間に世界各地から収集した2900種を越す薬用・有用植物を栽植しています⇔パンフレットより



 写真はクリックで拡大します

時おり風花が舞う寒い寒い日でした。
館長さんからセミナールーム(ホッとする温かいお部屋でした)でお話を伺いました。
日本新薬株式会社は8割が医療用医薬品(お医者さんの処方箋が必要)残りの2割はサプリメント、食品添加物を取り扱っておられます。
創立直後から虫下しの薬を最重点に・・・
その名は“サントニン”サントニンは全部薬用植物から抽出した成分で、原料植物はヨーロッパから見つけてきて国内で生産していた、その名は”ミブヨモギ“(京都の壬生)
このミブヨモギを育てるためにこの山科試験農場(山科植物資料館)が開かれたそうです。
100%外国から頼っていたサントニンを日本国内で作れるようにしたのが、ここ。
3~40年かかって・・・。
後に虫下しだけじゃなく医療用医薬品の研究もすすみ現在に至る・・・
現在は医薬品の研究部門はほかに移り植物園としてあまりお目にかからないような植物を栽培・・・と。
スライドを交えながらお話しされました。

園内を散策観察、今の時季、お花もあんまり咲いてなくって・・・
けど、柑橘園では濃い黄色い実が賑やかに実ってましたね。







レモン、ヒラミレモン、ダイダイ、ナツダイダイ、ヒュウガナツ、ブンタン、シークヮーサー、キンカンと・・・

薬草園を散策、
カレープランツ・キク科


花も葉っぱも茎もカレーの匂いがする
(図鑑で見たら)花は黄色ですね

他のほとんどの薬草たちはパッとした姿ではなかったです、もうちょっと後の季節にもういっぺんよしてもらいたいなぁ・・・

テンダイウヤク(天台烏薬)クスノキ科:原産地:中国南部
 


根を健胃や消化不良に用いる
生薬名:烏薬(うやく)

ものぐさくありふるわれによく煎じ呑めよとたびし山の薬草―木俣修
↑ 道草さんからいただきました。

コルクガシ:ブナ科

ワインの栓などにするコルクガシ

ワタ(綿)アオイ科


紀元前2500年頃から 古代インダス地方(インド)で 繊維作物として栽培されていた、昔は「腸」を”わた”と読み、衣類の中に綿毛を詰めることから体の腸に見立てて「わた」という名になった。
「綿」の字は漢名の「葉綿」から、「棉」とも書く。

雪がチラチラ「おぉ~さむぅ~」そんな時、温室に案内していただきました。
カメラのレンズが雲ってしまいました、

ヤクチ(益智)ショウガ科 原産地:中国

果実⇔芳香性健胃薬であり、食欲不振、消化不良に配合剤(胃腸薬)として用いる。

 

バニラ(ヴァニラ、vanilla)ラン科  原産地:中央アメリカ
アイスクリームなどに入れるバニラの香りをとるラン科バニラ属の蔓性植物
コショウ(胡椒)コショウ科 原産地:インド南西マラバル地方
黒胡椒(ブラックペッパー)
胡椒の木から取れた未熟な実を乾燥させたものである。強い独特の風味があり、特に牛肉との相性が良い。
白胡椒(ホワイトペッパー)
完熟してから収穫した後、乾燥させた後に水に漬けて外皮を柔らかくして剥いたものである。ブラックペッパーより風味が弱く魚料理と相性が良い。

ここでハッ!と気が付きました
ミブヨモギ
この植物は回虫駆逐薬サントニンを含有します。日本新薬80年の歴史のなかで、1927〜60年頃までが「サントニン時代」と呼ばれています。特に1951〜54年頃は、全売上げの80%以上がサントニンで占められていました。この「サントニン国産化事業」の成功により、当社は、飛躍的な発展を遂げました。また戦後の日本から回虫を駆逐することに貢献しました。この主役を担ったのがサントニン含有植物「ミブヨモギ」です。⇔日本新薬のサイトより
↑このミブヨモギの写真がないんです、H先生のレポートには「匂いを嗅いだり・・・」とか書かれているのですが、ウ~ンその匂いも嗅いで無いわんちゃんなんですよ、アキマセンねぇ。

もっともっと、普段、聞きなれない見慣れない植物をいっぱい観察したんですがメモや写真が追いつきませんでした、季節ごとに訪れてみたいなぁと思ったのはわんちゃんだけでは無かったみたいですよ。

ここでいきなり虫下しのお話
昭和20年代は回虫の絶頂期、日本人の8割が回虫感染者だった。
当時、虫下しは絶対に必要・・・
マクリとサントニンという二つの虫下しがあります。
学校で全員が虫下しのお薬を飲んでるシーンの写真がありました、いがぐり頭やおかっぱ頭の子どもたちが何とも言えないまずいお薬を飲んでます(顔の表情からうかがい知ることができますね)
当初はマクリ(海藻:カイニンソウ)というせんじ薬、コレは回虫を殺さないでマヒさせて体外に出すという・・・出てくると生きているんでキモ~イ
コレは飲みにくいのでアキマセン、サントニンの原料植物はユーラシア大陸で採れていた、貴重な薬草で当時のロシア帝国はただちに輸出禁止、
困りましたね、違うヨモギを捜さないと・・・
ヨーロッパ地中海沿岸で採れたヨモギの種(アルテミシア)を当時本社(日本新薬)のあった壬生の社屋の裏側の畑で育ててみた、ミブヨモギとネーミング、ラッキーなことに、ちょっとだけサントニンの成分が入っていた、それからサントニンの製造が始まったのです(1940年のこと)
ミブヨモギは1960年ころには北海道や長野県で栽培されていました(涼しいところが合うみたい)
50年くらい前の日本では当たり前のお話でした。
今は、もう回虫の薬は要りませんね。
「何かご質問は?」
「子どもの頃、虫下しを飲むと、障子やふすまが黄色く見えたという記憶があるんですけど」
「あっ、それはサントニンの副作用ですね」
「そうだったんですか?フシギな体験って思ってたんですよ」

今日は3月9日 サンキューの日
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