【わんちゃんの独り言】

毎日の生活の中で見たこと、聞いたこと、感じたこと、思いついたこと等々書き留めています
(コメント大歓迎デス・・・・・)

天声人語 ネムノキ 

2020-07-06 | 折々の花



わんちゃんへ
「畑の前公園にあった、この木はなんですか?」
「ウチとこの庭にも今ね咲いてるわ”ネムノキ”葉っぱは夜になったら眠るんよ」
「そうなの、すぐにわかって良かった、ありがとう」

『天声人語』
暑さが増す季節は、花に出会う機会が減っていくときでもある。アジサイが盛りを過ぎたら次の楽しみは真夏のサルスベリか。などと考えていたら、ネムノキが咲いていた。薄紅色の糸のような花はあまりにも繊細で、指で触れても空気のようだ。
夜になると小さな葉が閉じ、眠るように見えるこの木は「ねぶ」「ねぶりのき」などとも呼ばれてきた。漢字は「合歓木」のほかにも「夜合樹」「夜合葉」などがあるそうで、どれも葉と葉が寄り添う姿を描く。「睡樹」は文字だけで眠気を催すような。
こうした葉の動きは「就眠運動」と呼ばれており、眠る植物はほかにもある。多田多恵子著『したたかな植物たち』によると作法は様々で、クローバーは3枚の葉が立ち上がるのが寝姿。シソは葉をだらんと垂らして眠りにつく。
彼らの眠る理由はまだ解明されていないというが、何か自然の摂理があるのだろう。それに対し人間は、社会のあり方に眠りが左右される動物であろ。ときには睡眠を削り、労働や通勤の時間を確保する。
若い世代の睡眠時間が、この10年で1割ほど増えたと聞く。調査したビデオリサーチと電通によると、一因はスマホとみられ、横になって見ているうちに寝入る人も多いという。小さな機械は必ずしも夜更かしの友ではないらしい。
近所の公園のネムノキは、すぐそばにある街灯に照らされていた。安眠を妨げられぬかと思いきや、葉はきちんと閉じている。昼間とは違うたたずまいに、たくましさを見る。
朝日新聞朝刊一面 2020-7-08


ウチの庭のネムノキ

am 7:40


pm8:20