【わんちゃんの独り言】

毎日の生活の中で見たこと、聞いたこと、感じたこと、思いついたこと等々書き留めています
(コメント大歓迎デス・・・・・)

戦争を詠む 朝日新聞朝日歌壇 2023年3月4月と5/7

2023-05-15 | 日記
戦争を詠む 朝日新聞朝刊朝日歌壇より 2023年3月4月の日曜日と5/7
選者は高野公彦さん、永田和宏さん、馬場あき子さん、佐佐木幸綱さんです。☆印は共選作です。
朝日歌壇選考の舞台裏こちら

高野公彦選
専制のミャンマー国軍支援して武器供与する二大国あり(町田市)高梨 守道
宇宙にも軍事拡げる人間よ月には兎がいるだけでよし(静岡県)小長谷千鶴子
パンダ舎に列為(な)し涙ぐむ人のニュースの後の※バフムト攻防(五所川原市)戸沢大二郎
 ★平和な光景と、その対極にある悲惨な戦場。バフムートの戦いこちら
動物はその身ひとつで争うに武器を作るも使うも人ぞ(川崎市)小池たまき
 ★困った生き物ですね、ヒトは。
食パンにウクライナ産の蜂蜜を塗って子は問う戦争のこと(川崎市)川上美須紀
一面にきょうウクライナの文字はなし激戦のままつづく膠着(新潟市)太田千鶴子
 ★「激戦のままつづく膠着(こうちゃく)」の語が苦境を浮き彫りにする。
ウクライナの既婚の兵は冷凍の精子を残し戦地に向かう(三郷市)木村 義熙

永田和宏選
「戦争の収束はまだ」戦争をコロナのごとく識者が語る(観音寺市)篠原 俊則
空欄に適語を入れよすぐそこに□の足音、「春」か「戦(いくさ)」か(朝霞市)岩部博道
「感情を無くそう自分を守るため」マリウポリ逃れし少女の日記(茨城県)原里江
また一人教授が去った最後まで握り続けた非戦の二文字(札幌市)橘  晃弘

馬場あき子選
ゼレンスキーTシャツ売れている国と戦争に命奪われる国(一宮市)園部 洋子
 ★Tシャツ、売れているという。対極にある国情の惨も心に。
もう一度楽器手にとる日が来れば愛を唄ふと銃持つ兵士(さいたま市)齋藤 紀子
 ★ウクライナの現実を背景にして切実
二週間ぶり勉強に来たクルド子にまずは家族の安否尋ねき(朝霞市)青垣  進
日本海烏賊(いか)の棲みたる良き漁場(ぎょば)に今朝も三発ミサイル墜つる(酒田市)朝岡  剛
武器商人は言うのだろう性能はウクライナにて証明済みと(札幌市)三瓶 敦子
われに似し脱営兵の痩せし頰われは忘れず八十年経ても(我孫子市)松村 幸一
 ★脱営兵は脱走兵。捕まれば銃殺だった。頰:ほお
プーチン氏見るたびに思う大連にてソ連の兵が襲いきし夜(郡山市)遠藤 雍子
プーチンを投げ飛ばしいる少年の切手貼りたし春の手紙に(水戸市)中原千絵子
専守防衛掲げし国の買い物が四百発の巡航ミサイル(寝屋川市)今西富幸
税金も軍事費として使はれるせめて我が分使用反対(富士見市)阿部泰夫
うらうらと照る石垣島をオオトカゲのようにミサイル発射車が這う(水戸市)中原千絵子
留学の娘とめぐる独逸旅NATO戦車隊と行き交いぬ(東京都)鈴木ひろみ
馬鈴薯の畑(はた)に蝶舞ふ三方原(みかたばら)家康敗走わが散歩みち(浜松市)松井  惠

佐佐木幸綱選
ミサイルのえぐりし集合住宅に冷蔵庫開(あ)きてキャベツの見ゆる(奈良県)吉井 邦子
夕焼けに染まった田んぼに平和見るとウクライナからやって来た人(滋賀県)木村 泰崇
 ★日本に移住してきたウクライナ人。上句、夕焼けの田が印象的。
雪原に「誰かがやらねばならない」と地雷除去するウクライナ兵(中津市)瀬口 美子
繫(つな)がれしまま被曝して置き去りの牛あはれみしムツゴロウ逝く(前橋市)荻原 葉月
 ★畑正憲氏への挽歌(ばんか)。

※何しに行ったのか分からん。
 (国友繁人〈福岡県太宰府市〉)
海軍通信学校で学び、マーシャル諸島に配属されるも、軍は爆撃機も失い、孤立状態にあった。1年半、草や根や野鼠(のねずみ)を食べて凌(しの)ぐも、兵士3千のうち6割が栄養失調で死亡。「米兵と戦うことは一度もなかった」と、94歳の元兵士はふり返る。幾重にも無意味に命を差し出させられた虚(むな)しすぎる時代。
戦争体験者の言葉を集めた「言葉を刻む」取材班著『地べたの戦争』から。
朝日新聞朝刊 2021-12-11 折々のことば 鷲田 清一

※わんちゃんは思います。
世界中の皆様 戦争は絶対にやらないでほしい。
もし戦争になったら今のような生活は保障されません。
誰も「戦争をやろう」と望んではおりません。