『コーデックス』 レヴ・グロスマン著 三川基好訳
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すーっげーデジャヴュでした。
主人公エドワードはは25歳の銀行マン。業績が認められてNY支店からロンドン支店に栄転になり、異動前の2週間の休暇に、顧客からある調査を依頼される。イギリス貴族であるクライアントの古書のコレクションの中から、「ラングフォードのジャーヴェス」と呼ばれる著者による『キムメリア人の国への航海』という14世紀の本を探して欲しい、というのだ。大学では英文学を専攻しながら社会に出てからはほとんど文学に触れてこなかったエドワードだが、木箱に厳重に詰められた膨大な量の稀少本に触れ、中世学研究者の女性・マーガレットに出会ううち、「コーデックス探し」という“冒険”に知らず知らずのめりこんでいく。
知的冒険活劇。仕事、休暇、おカネも権力も余った気まぐれな依頼人、不思議な女性ナビゲーターとの淡いロマンス。そーです。村上春樹ですねー。『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』とか、『羊をめぐる冒険』とか。なつかしや。
まあ村上春樹の小説の主人公はもっと地味だけどね。「背が高くてハンサム」なんて形容されたりはしない。あとこの小説、リアリティものだけにけっこーアナがいっぱいある。「なんでそーなる?」「アレはどーなったの?」「んで結局コレはどーゆー意味だったワケ?」的な、ストーリー上の“未処理”案件がたんまり残ったまま、お話が終わってしまう。読者ほったらかしかよ。
まーそれはそれとしてなかなかおもしろかったですよ。娯楽小説としてね。ぐりはコンピューターゲームの類いをまったくやらないので(というかむしろ仕事でゲームつくってたりするからか)ゲームパートはどーもいまいち入りこめなかったけど、なにしろ本はとにかく大好きだから。何を隠そうぐりの老後の夢は本屋をもつことだからね。小さくて親密な雰囲気の、古本も新刊も売ってて、絵葉書とかTシャツも買える、ちょっとゆっくりお茶なんかも飲める、静かな本屋さん。
本を手にとるときのトキメキ、ページをめくるときのワクワク、そういう高揚感をそのまま世界観のベースにしてあるところはなかなか読ませるし、虚と実をうまく重ねあわせた構成のリズムも効いてるし、本好きの感覚を非常にうまく捉えた表現が魅力的な小説です。
本屋さんや図書館に入り浸るのがなにより好きで、本を読んでてうっかり電車を乗り過ごしたりつい徹夜しちゃうこともしょっちゅう、本を開いてページに触れたり糊の香りをかいだりしてるだけで興奮してしまう、なんて人にとっては、ごく気楽に肩の力を抜いて楽しめる本です。
けどアメリカ人ってホント暗号とか好きだよねえ。ぐりはその手の謎解きってキョーミないんだよな(爆)。
ちなみに「コーデックス」とは、専門用語で紙や羊皮紙を綴じて表紙をつけて製本された本の形態を指している。「本」というとそこに書かれた内容を意味することもあるけど、その物体の方を「コーデックス」というそうだ。
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すーっげーデジャヴュでした。
主人公エドワードはは25歳の銀行マン。業績が認められてNY支店からロンドン支店に栄転になり、異動前の2週間の休暇に、顧客からある調査を依頼される。イギリス貴族であるクライアントの古書のコレクションの中から、「ラングフォードのジャーヴェス」と呼ばれる著者による『キムメリア人の国への航海』という14世紀の本を探して欲しい、というのだ。大学では英文学を専攻しながら社会に出てからはほとんど文学に触れてこなかったエドワードだが、木箱に厳重に詰められた膨大な量の稀少本に触れ、中世学研究者の女性・マーガレットに出会ううち、「コーデックス探し」という“冒険”に知らず知らずのめりこんでいく。
知的冒険活劇。仕事、休暇、おカネも権力も余った気まぐれな依頼人、不思議な女性ナビゲーターとの淡いロマンス。そーです。村上春樹ですねー。『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』とか、『羊をめぐる冒険』とか。なつかしや。
まあ村上春樹の小説の主人公はもっと地味だけどね。「背が高くてハンサム」なんて形容されたりはしない。あとこの小説、リアリティものだけにけっこーアナがいっぱいある。「なんでそーなる?」「アレはどーなったの?」「んで結局コレはどーゆー意味だったワケ?」的な、ストーリー上の“未処理”案件がたんまり残ったまま、お話が終わってしまう。読者ほったらかしかよ。
まーそれはそれとしてなかなかおもしろかったですよ。娯楽小説としてね。ぐりはコンピューターゲームの類いをまったくやらないので(というかむしろ仕事でゲームつくってたりするからか)ゲームパートはどーもいまいち入りこめなかったけど、なにしろ本はとにかく大好きだから。何を隠そうぐりの老後の夢は本屋をもつことだからね。小さくて親密な雰囲気の、古本も新刊も売ってて、絵葉書とかTシャツも買える、ちょっとゆっくりお茶なんかも飲める、静かな本屋さん。
本を手にとるときのトキメキ、ページをめくるときのワクワク、そういう高揚感をそのまま世界観のベースにしてあるところはなかなか読ませるし、虚と実をうまく重ねあわせた構成のリズムも効いてるし、本好きの感覚を非常にうまく捉えた表現が魅力的な小説です。
本屋さんや図書館に入り浸るのがなにより好きで、本を読んでてうっかり電車を乗り過ごしたりつい徹夜しちゃうこともしょっちゅう、本を開いてページに触れたり糊の香りをかいだりしてるだけで興奮してしまう、なんて人にとっては、ごく気楽に肩の力を抜いて楽しめる本です。
けどアメリカ人ってホント暗号とか好きだよねえ。ぐりはその手の謎解きってキョーミないんだよな(爆)。
ちなみに「コーデックス」とは、専門用語で紙や羊皮紙を綴じて表紙をつけて製本された本の形態を指している。「本」というとそこに書かれた内容を意味することもあるけど、その物体の方を「コーデックス」というそうだ。