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落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

炭坑エレジー

2006年11月25日 | movie
『ワイルドサイドを歩け』

そこまでして観る価値のある映画だったか?とゆーとちょっと考えちゃうけど、ウン、ふつーにおもしろかった。
山西省の炭鉱のある田舎町を舞台に、不良少年たちの無軌道な青春群像を描いたインディーズ映画。インディーズとはいえ脚本はよく描けてるし、映像や音楽にも独特の味があって、内容も中国映画としてはなかなかチャレンジングな作品に仕上がっている。とくに登場人物の刻々と変化していく表情を淡々と自然にとらえた演出は白眉。
ただしこの手のアウトサイダーものとしてはややインパクトが足りない。ストーリー展開にメリハリが欠けており、後半にいくほど描写が冗長になってきて、90分弱という上映時間がやたらに長く感じた。映画としてのスタミナ、コシ、という面ではやはり新人だなという弱さを感じる。新人監督にありがちだけど、「この映画をつくりたい」という意欲が、「この映画に?謔チて何を語るか」という意思に先走っている。
コンセプトもありきたりだし、コミカルなシーンを挟むなりセクシュアルなシーンをきちんとみせるなり、何かもうひとひねりはっきりとアクセントになるパートがあってもよかったのでは。

上映後のティーチインには韓杰(ハン・ジエ)監督が登壇。
個人経営の炭鉱を描いている点と、校内暴力のシーンがあるため台本の段階で電影局の審査に通らなかったこと、当初主役に予定されていた少年がクランクイン直前に強盗罪で収監されてしまい(!!)、撮入3日前にインターネットカフェで出会った白培将をキャスティング、撮影中はリラックスさせるためにいろいろお喋りをして、リハーサルもゲーム感覚で楽しんでもらった、など。