落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

勝手に映画賞

2008年07月28日 | diary
映画祭でどんなにいい映画を観てレビューを書いても、その映画が一般公開されなければ誰ともその感動を分かちあえない。
当たり前のことだけどこれってけっこう寂しいな・・・と思ってこんなインデックスまでつくっちゃいました。現在のところ落穂日記にアップされてる未公開映画レビューは80本超。全体の15%以上にもなる。多いなオイ。どれもいい作品ばっかりなのにい。

てなワケで今日は、この3週にわたって観てきたぐり的夏の映画祭─東京国際レズビアン&ゲイ映画祭SKIPシティ国際Dシネマ映画祭─で勝手に映画賞企画。
どうか1本でも多く一般公開されますように、という願いをこめて。
対象作品は全部で17本。

まず新人賞から。
趙逸嵐(ツァウ・イーラン)『彷徨う花たち』
国立台湾芸術大学の学生でこれが劇場用長編映画初出演という彼女。
アニメから抜け出てきたようなルックスもさることながら、素で見せる明るくて素直でお茶目なキャラも好感度大です。
今は特異な役柄のインパクトが強烈だけど、今後の活躍によっては大きく化ける可能性も感じる。
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脚本賞。
Sean Reycraft『スコットと朝食を』
多様化したゲイのライフスタイルを軸に、「男らしさ」という曖昧模糊とした価値観の真の意味を問うという真面目なモチーフを、あえて娯楽性たっぷりのホームコメディに仕立てた実に頭のいい映画。笑いと涙と考えさせられる部分とがほどよくミックスされた知的なシナリオに拍手。
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ドキュメンタリー賞。
『エゴイスト』
ドキュメンタリーは17本中3本しかなかったけど、完成度という点においてはこれは比較にならない。突出してます。論点においても見せ方においてもブレというものがまったくない。それでいてリアルなパースペクティブも決して失っていない。作品そのものがかっこいい。
監督は新人とゆーことですが、とてもそーは思えません。おそるべし。
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子役賞。
リノ・ミレジ『リノ』
小さな子どもがメインキャストで登場した映画は17本中5本、ティーンも含めると約半数になるが最年少の彼にキマリ。
ただかわいいというだけじゃなく、確実に観る者の心を揺さぶる堂々たるパフォーマンスと、みずみずしいばかりの生命力には誰も勝てません。将来が楽しみです。
予告編

男優賞。
ペポン・ニエト&カルロス・フエンテス『チュエカタウン』
可愛い可愛いクマ×クマコンビ。毛むくじゃらのむくむくしたクマさんそのままのような、イノセントでラブリーでキュートなゲイキャラクターを、ここまで思いっきり魅力的に演じられる俳優さんなんてなかなかいませんて。
できることならシリーズ化して、その後のふたりを是非ともまた観たい!
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女優賞。
デボラ・フランソワ『赤い蟻』
怖いくらいセクシーでエロティックでかつピュア。若さの攻撃性ともろさと正直さを、こんなにはっきりストレートに表現できる女優さんは今この人以外にいないでしょー。
てゆーかマジでかわいい。スカーレット・ヨハンソンとちょっとカブッてるかな?スカージョもぐり好きですけど。すいませんスケベで。
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監督賞。
イルマル・ラーク『ザ・クラス』
いじめ問題にこれほどしっかり当事者の目線で迫った作品は他にちょっとないと思うし、徹底的にやりきってしかもそこで終わりじゃなくて、世界各国で上映しては現地で観客とディスカッションをし、裁判シミュレーションまでやるという、とにかくモチーフにひたすら真摯な態度に脱帽。
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作品賞。
『シェイクスピアと僕の夢』
問答無用。これ以外ないです。ってかこれは絶対一般公開すべき。ぐりももっかい観たい。『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』が公開された実績を思えば、単館で絶対イケますって。大ヒット間違いナシですから!
どーすかどーすか。<配給関係の皆様
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1本でも多く日本で一般公開されて、もっとたくさんの観客に観てもらえるといいんだけど・・・。


SKIPシティで食べたジャンバラヤ。¥700。味はフツー。

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭レビュー
『シェイクスピアと僕の夢』
『彷徨う花たち』
『ヒストリー・オブ・ゲイシネマ』
『シェルター』
『チュエカタウン』
『愛のジハード』
『スコットと朝食を』
『愛のうた、パリ』
『誓いのKiss?』
『あたたかな場所』
『ニーナの幸せレストラン』

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭レビュー
『リノ』
『ザ・クラス』
『幸せのアレンジ』
『赤い蟻』
『エゴイスト』
『キャプテン アブ・ラエド』