落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

私の舌を入れさせて?

2009年05月18日 | book
『プラトニック・セックス』 飯島愛著
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昨年12月に死去した元タレント・飯島愛が2000年に発表した自伝。
うーーーーん・・・タレント本ってほとんど読んだことないからよくわかりませんがー。こんなんでいーのー?結構売れたんじゃなかったっけ?コレ?映画化もされたし。はあー。気分悪なってきたわー。
とりあえず日本語そのものがおかしい。実際に書いたのはプロのゴーストライターらしーけど、プロならば最低限の文法くらいまともに使いこなせませんとねえ。
内容も薄過ぎる。具体性も客観性も奥行きもなく、中途半端に抽象的な文章がまとまりもなくタラタラタラタラ繋がってるだけ。
読んでても何を訴えたいのかがまったく伝わってこない。

書かれているのはしつけに厳しかった両親との確執、非行、恋愛とセックス、友情、お金。
家出して水商売から売春、AV嬢とある意味お約束のコースを歩く女の子の自伝とくれば、これもまるでお子様ランチのメニューのように決まりきっている。
でもそのエピソードのひとつひとつに、現実的な裏づけや、生きたリアリティを感じさせる彼女自身の言葉というものはいっさいない。全部が上っ面の一般論で片づけられている。
当然中身はスカスカになる。本全体が隙間だらけの未完成なパズルに見える。全部組み上がってもどういう絵が完成するのかもわからないパズル。
それどころか文体そのものもきわめて陳腐で無個性。読み物としての魅力がどこにも見つけられない。

読むのに1時間くらいしかかからなかったけど、全然違う意味でアブナイ本だとも思い。
読んでるとこの稚拙な日本語に言語感覚が侵されてくるよーな感じがする。ヤバい。もう読んじゃダメー。思い出すのもヤメヤメー。
けどもう死んでしまった彼女のことを思うと、自伝がこんなんじゃなあと同情したくなる。ほんとうはこんなテキトーにお手軽な本なんかじゃなくて、もっとキチンとした言葉で語られてしかるべきメッセージがあってもおかしくないのになー?って。
残念なり。


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