落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

中華極道歌舞伎町

2009年05月02日 | movie
『新宿インシデント』

日本に働きに行った恋人シュシュ(徐静蕾シュー・ジンレイ)を追って密入国した鉄頭(成龍ジャッキー・チェン)。同郷の阿傑(呉彦祖ダニエル・ウー)たちと同居してゴミ集積所や飲食店などで働き始めたのだが、なりゆきで新宿歌舞伎町のヤクザの抗争に巻きこまれ、否応なく裏社会で生きていく道を強いられる。
一方で偶然知り合った北野(竹中直人)という刑事との間には奇妙な友情が生まれるのだが・・・。

以前どっかで、香港ノワールは日本のヤクザ映画にかなり強い影響を受けてるらしーとゆーのは聞いてましたが。
もう、モロですね。コレ。日本を舞台にした香港ノワールでもあり、香港スターが主役のヤクザ映画でもある。ぐりは香港ノワールもヤクザ映画もとくに趣味じゃないけど、観ててやたら懐かしかったです。今にもどっかから岩下志麻姐さんとか任達華(サイモン・ヤム)とか出てきそーでさー。峰岸徹とか長門裕之の台詞まわしなんかそのまんまやもん。
まーしかしコレは撮影大変だったろーね。ホントに歌舞伎町とか大久保で撮影しちゃってるもん。かつて『不夜城』でもあれだけ困難を極めたとゆー問題のロケ地だけど、やっぱジャッキーが主役となると違うのかしらん?

ストーリーそのものはどっぷり真ッッ暗でさっぱり救いはないし、例によって女は完全に添え物状態だし、ひこくんはまたしてもタイヘンな目に遭ってばっかりだし、観ててかなりしんどい映画ではあります。けど一見の価値は確かにある。
クレジットを見てもわかる通り、この映画は香港資本でありつつもスタッフ・キャストは日本と香港(中国)側がちょうど半々、それでいてどちらが良いとか悪いとかいう単純構造ではなく、満足を知らない欲望の果てが行きつく地獄を、それぞれの立ち位置から明解に表現している。しかもそれがまったく説教くさくなく、非常に自然にストレートに響く物語になっているところがすごい。
結果的には中国本土での公開は断念されたらしいけど、最後までその予定でつくられていたことは観ればわかる。けどやっぱ無理だよね。なんちゅーかナマナマし過ぎるもん。ただ、大陸公開を意識したディテールは映画そのものの魅力としてちゃんと生きてると思います。

とはいえアクションもこってりたっぷりあるし、日本人キャストも意外なくらい健闘してたし、今の時代を象徴する映画として見逃すべきでない、一流の娯楽作品でもあると思います。
なにしろジャッキーすごいもん。ぐりはべつにジャッキーファンじゃないけど、この作品は確かに新境地だと思う(ちょろっとだけど濡れ場もあるぜ)。ひこくんはねえ・・・なんでそこまでやっちゃうかなあ?ってくらいの大熱演で、観るだに頭が下がりますですよー。御大と共演だったからなのかな?あの異常なくらいの気合いの入り方は?
徐静蕾は着物が似合いすぎ&日本語がウマ過ぎ。范冰冰(ファン・ビンビン)は役柄的にちょっと気の毒だったね。おいしいとこが全然なくて、完璧お飾り状態でさ。

この映画の直接の題材は90年代の歌舞伎町での中国系マフィアの抗争らしいですが。
当時ぐりは学生だったけど、連日報道を騒がせてたいくつもの暴力事件のことはなんとなく記憶には残っている。
今はあんなに派手な暴力犯罪がニュースになることはあまりないし、あれから日本の中国人たちの生活環境もいくらかは変わったんだろうと思う。けどあのころよりも今の方が、身近な中国人の数は飛躍的に増えた。どこのコンビニにもファストフード店にもファミレスにも必ず中国系の接客係がいる。街中どこにいても中国語が耳に入ってこない日はもうない。
中国人だけじゃない。気づけばぐりの生活圏はどっちを向いても外国人だらけだ。たとえばぐりの自宅の1ブロック圏内には、ベトナム人・ベンガル人・バングラデシュ人・ドイツ人・中国人が住んでいる。10数年前転居して来たときは外国人はぐりひとりだったのに。
でもなぜか、そのことをはっきりと自覚している日本人は意外に少ない気がする。どうしてなんだろう?

中国人といえば。
今日ぐりがこの映画を観た劇場で、真後ろの列が全員中国人だった。
もーーーーーーー、うるさくってうるさくってうーーーーーーーんざりしました。2分以上黙ってたら死ぬんか?ってくらい、ずーーーーーーーっと喋りっぱなし。勘弁してえー。よくそんなに喋ることあるよねえ。はあ。
あと、隣のおっさんがずーーーーーーーっと、ひたすらげっぷし続けてたのにもうんざり。あんなにいっぱい、続けてげっぷできるもんなんだ?って感心しちゃうくらい、最初から最後までげっぷしまくってました。クサかったあー。てか病気だよねあれ?病院行けよ!

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