『アルミン』
これまたレアなクロアチア映画。
アルミン(アルミン・オメロヴィッチ・ムヘディン)はアコーディオンが得意な男の子。学校では演劇部に所属している。あるときドイツ映画のオーディションを受けることになり、はるばるザグレブまで出かけていく。もちろんひとりではない。おとうさん(エミル・ハジハフィズベゴヴィッチ)といっしょだ。
このおとうさんがめちゃくちゃに過保護で、なにか持病があるらしいアルミンの世話を必死で焼きたがる。一方アルミンはちょうど思春期で、過干渉なおとうさんがウザくてしょうがない。ミョーにクールな生意気ボーヤと、絵に描いたような田舎者のおとうさんの3日間のふたり旅。
アルミンが無口なので自然とおとうさんばっかり喋ることになるし主人公もたぶんおとうさんの方なんだけど、このおとうさん役の俳優の容貌がおかしい。ジャック・ニコルソンを東欧風にしたようなものすごい強面で、およそ「息子思いのマイホームパパ」とゆータイプじゃない。この顔でこのキャラってとこで既にこの映画の勝利は半分決まっちゃってます。ズルい(笑)。しかも息子は背丈は父親に並ぶほど大きくて、もうそこまで構わなくてはならないほど幼くはない。笑える。
父子ふたりの心の揺れの描写が非常に丁寧で誠実で、とても胸のあたたまるいい映画。誰が観ても、親心もわかるし息子の態度にもどこか思い当たるところがあるんじゃないかと思う。
あとぐり的には、外国から来た監督をアテンドする金髪の現地人コーディネーターのキャラに、何やら含むところを感じました。美人だし仕事は早いし行動は的確だしおそらく職業的には優秀な人なんだろうけど、映画をつくろうとする「人」の気持ちの部分をいっさい解そうとしない、傲慢で冷淡な女性としてものすごくリアルに描写されているのだ。映画スタッフという地位を特権階級か何かと勘違いしてんだよね。誰に対しても常に上から目線とゆーか。こーゆー人、いるよね(笑)。
映画のラストの方で、ボスニア人=戦争の被害者みたいな扱いはされたくないと父子がいうシーンがあるのだが、↑の『時間と風』のレハ・エルデム監督も、自分は映画をつくりたいだけであってそこにいちいち政治的社会的意図を邪推されるのは不本意だといっていた。しょうがないっちゃしょうがないよね。けど気持ちはわかりますよ。
これまたレアなクロアチア映画。
アルミン(アルミン・オメロヴィッチ・ムヘディン)はアコーディオンが得意な男の子。学校では演劇部に所属している。あるときドイツ映画のオーディションを受けることになり、はるばるザグレブまで出かけていく。もちろんひとりではない。おとうさん(エミル・ハジハフィズベゴヴィッチ)といっしょだ。
このおとうさんがめちゃくちゃに過保護で、なにか持病があるらしいアルミンの世話を必死で焼きたがる。一方アルミンはちょうど思春期で、過干渉なおとうさんがウザくてしょうがない。ミョーにクールな生意気ボーヤと、絵に描いたような田舎者のおとうさんの3日間のふたり旅。
アルミンが無口なので自然とおとうさんばっかり喋ることになるし主人公もたぶんおとうさんの方なんだけど、このおとうさん役の俳優の容貌がおかしい。ジャック・ニコルソンを東欧風にしたようなものすごい強面で、およそ「息子思いのマイホームパパ」とゆータイプじゃない。この顔でこのキャラってとこで既にこの映画の勝利は半分決まっちゃってます。ズルい(笑)。しかも息子は背丈は父親に並ぶほど大きくて、もうそこまで構わなくてはならないほど幼くはない。笑える。
父子ふたりの心の揺れの描写が非常に丁寧で誠実で、とても胸のあたたまるいい映画。誰が観ても、親心もわかるし息子の態度にもどこか思い当たるところがあるんじゃないかと思う。
あとぐり的には、外国から来た監督をアテンドする金髪の現地人コーディネーターのキャラに、何やら含むところを感じました。美人だし仕事は早いし行動は的確だしおそらく職業的には優秀な人なんだろうけど、映画をつくろうとする「人」の気持ちの部分をいっさい解そうとしない、傲慢で冷淡な女性としてものすごくリアルに描写されているのだ。映画スタッフという地位を特権階級か何かと勘違いしてんだよね。誰に対しても常に上から目線とゆーか。こーゆー人、いるよね(笑)。
映画のラストの方で、ボスニア人=戦争の被害者みたいな扱いはされたくないと父子がいうシーンがあるのだが、↑の『時間と風』のレハ・エルデム監督も、自分は映画をつくりたいだけであってそこにいちいち政治的社会的意図を邪推されるのは不本意だといっていた。しょうがないっちゃしょうがないよね。けど気持ちはわかりますよ。