百島百話 メルヘンと禅 百会倶楽部 百々物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

独楽吟をよむ時

2013年11月29日 | 千伝。
法事も無事終えました。

寒くなりました。

昨日は、息子と大喧嘩しながら、冬タイヤに交換。

未来社会において、車が無人運転走行になるのならば、運転免許も必要無いし、長距離のバス会社も壊滅状況になるのでは?

今日は、初雪が降りました。

スマホも、2年間使うと調子が悪くて、そろそろ買い替え時期かな。

市役所に行くと、大勢の人が屯していました。

ふと、見上げると、福井市名誉市民の面々のお写真が飾られていました。



白川静、大武幸夫、奥梅尾、天谷直弘、藤田良雄、雨田外次郎(光平)、そして、南部陽一郎。

我が家の遠縁となる方もいます。

戦後、活躍された錚々たる郷土の誇りとなる人物列伝です。

それよりも・・ぼく個人が興味を抱く人物は、もっと古い時代です。

江戸時代末期の幕末に、福井に橘曙覧という歌人が暮らしていました。

「たのしみは・・」で始まり、「・・時」で終わる独特の和歌「独楽吟」を残しています。

例えば・・。

たのしみは 錢なくなりて わびをるに 人の來(きた)りて 錢くれし時

たのしみは いやなる人の 來たりしが 長くもをらで かへりける時

たのしみは 心をおかぬ 友どちと 笑ひかたりて 腹をよるとき

たのしみは 雪ふるよさり 酒の糟 あぶりて食(くひ)て 火にあたる時

たのしみは ふと見てほしく おもふ物辛く はかりて 手にいれしとき

たのしみは 朝おきいでゝ 昨日まで無(なか)りし花の 咲ける見る時

たのしみは 百日(ももか)ひねれど 成らぬ歌のふとおもしろく 出(いで)きぬる時

・・可笑しくて、面白いです。

橘曙覧・・名声を求めず、清貧で、ユニークで、感嘆すべき人物です。

あなたが見た風景を眺めながら、過ごす日々が、嬉しいです。

楽しみは、独楽吟をよむ時です。