OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ローラ・ニーロは私の女神♪

2008-01-02 15:26:02 | Laura Nyro

お正月2日目、本日は年始まわり♪

そして夜は映画鑑賞で劇場へ♪ 「エイリアン対プレデター」の続篇でも観ようと思います。

また今年は拙プログも幅広く、愛聴盤を取上げたい所存から、まず本日は――

More Than A New Discovery / Laura Nyro (Verve Folkways)

ローラ・ニーロは女性シンガーソングライターとして偉大なひとりですが、その歩みは決して順風ではなかったし、まだまだこれからという時に癌で亡くなるという、美人薄命……。

とにかく残された楽曲は全てが私好みという素晴らしさです。それはアメリカンポビュラー、ゴスペル、R&B、ジャズ、クラシック、その他諸々をゴッタ煮にして美味しいところだけをすくいとったようなメロディ♪ さらに深遠にして本音と理想が味わい深い歌詞、それを歌いあげるボーカルの力量! 最高です。

ただ、そういう繊細で自分にも厳しい姿勢が、彼女の活動を地味にしていたのも、また事実でした……。それでも彼女が書いた楽曲は、多くのミュージシャンに愛され、沢山のヒット曲となって、世界に流れているのです。

さて、このアルバムは彼女が19歳だった1967年に発売されたデビューアルバムで、収められた楽曲は全てが15歳頃からストックされていたというのですから、驚きです。これは実際に聴けば、納得されるでしょう。

彼女はイタリア系のユダヤ人で、両親ともに音楽関係の仕事をしていたところから、優れたソングライターの才能を持つ娘を音楽出版の関係者に売り込んでいたという話もありますが、最初に契約したのはジャズの分野では名門レーベルのヴァーヴが当時、新たにスタートさせたポビュラーフォークの専門レーベル「フォークウェイズ」でした。

録音は1966年秋頃で、伴奏メンバーはスタン・フリー(p)、ルー・マロウ(b)、ビル・ラヴォーニャ(ds)、ジェイ・パーリナー(g)、バッキー・ピザレリ(g)、トゥーツ・シールマン(hmc) が推定されています。ちなみにこのメンツは、当時のクリス・コナーの伴奏グループでもありますから、そのジャズ&ポビュラー感覚は言わずがな――

A-1 Good By Joe
A-2 Billy's Blues
A-3 And When I Die
A-4 Stoney End
A-5 Lazy Susan
A-6 Hands Of The Man
B-1 Wedding Bell Blues
B-2 Buy And Sell
B-3 He's A Runner
B-4 Blowing Away
B-5 I Never Meant to Hury You
B-6 California Shoeshine Boys

――結論から言うと、リアルタイムでは全く売れなかったそうです。しかし楽曲の素晴らしさは業界で評判となり、例えば「Wedding Bell Blues」はフィフス・ディメンション、「Stoney End」はバーブラ・ストライサンド、「And When I Die」はBS&Tにカバーされて大ヒット! もちろん他のミュージシャンによる録音も多数ありますし、このアルバムの楽曲は全て、カバーバージョンが存在しています。

ちなみに私はフィフス・ディメンションの「Wedding Bell Blues」で、そのお洒落な皮肉っぽいメロディの虜となり、ローラ・ニーロに出会ったのです。

もちろんローラ・ニーロ自身のデビューシングルも「Wedding Bell Blues」でしたが、これが全くの不発……。しかも1967年6月に開催されたモンタレー・ポップフェスティバルに出演した彼女には強烈なブーイング! 確かにジミヘンやジャニス、ザ・フーが絶大な歓迎を受けたことからして、彼女の地味で深遠な世界は???だったかもしれませんが……。

この出来事により、彼女は以降2年間、人前で歌うことが無かったと言われています。

肝心の楽曲については、まずジャジーで静謐、そして暖かい歌いまわしが絶品の「Billy's Blues」が最高! 軽妙なメロディと歌詞、フックの利いたメロディが素敵な「Wedding Bell Blues」はもちろん、十代にして「死」の意味合いを歌った「And When I Die」の歌詞には絶句させられます。

ということで、書きたいことは尽きないのですが、結局は売れなかったこのアルバムが多くのカバーヒット曲の宝庫となり、ローラ・ニーロも再起して翌年にはコロムビアと契約♪ 素晴らしい傑作盤を連発して時代を築くのです。

また、このアルバムもジャケットデザインや曲順を変更し、タイトルも「ファースト・ソングス」として再発されました。

それは所謂シンガー・ソングライターのブームと重なりますが、その代表というキャロル・キングにしても、このアルバムから大きな影響を受けていることは否定出来ません。

そして我国では吉田美奈子! 初期の彼女の楽曲や歌いまわしなんか、ローラ・ニーロそのまんまで、私は大好き♪ もちろん山下達郎さえもです。

ちなみにローラ・ニーロは、アメリカではアル・クーパーやトッド・ラングレンと似たような資質があって、3人とも常に似たような曲ばかり書いていますから、私の好みもムベなるかなです。

とにかく何度聴いてもジンワリと心が温まり、気分が高揚し、ホロリと泣ける名盤です。どうやら最近、紙ジャケット仕様でリマスターCDが出ているようですから、この機会にぜひ! 私も買おう!

歌詞カードがあれば、その歌の内容にも感動すること必至ですよ。

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