■黒くてニクイ女の子 / Fleetwood Mac (Blue Horizon / ソニー)
大義名分もあるし、もちろん法律的な裏付けもしっかりとあるんですが、ここ数日の私の仕事は鬼のように、非道です。
相手は自業自得、しかし私のやっていることは、やはり正義じゃないよなぁ……。
と恥ずかしながら青春物語のような自嘲に満ちている私の気分は、ぶる~~す……。
ですから、本日は朝から、こんなん聴いてしまったです。
ご存じ、サンタナのラテンロックな演奏が世界中で大ヒットした「Black Magic Woman」、そのオリジナルバージョンなんですが、なんとフリートウッド・マックの日本盤シングルには曲タイトルが、日本語で小さく「黒くてニクイ女の子」と入っているんですねぇ。
もしかしたら、初回盤は邦題が大きくデザインされたジャケットになっていたのかもしれませんし、当然ながらサンタナのバージョンが大ヒットした事による再発ジャケットが、本日掲載の私有盤かもしれません。
まあ、それはそれとして、フリートウッド・マックは1975年以降のポップス路線での大ブレイクが、あまりにも強烈な印象ですが、1967年頃の結成時には英国産ブルースのブーム、つまりブルースロックの代表的なバンドのひとつとして注目された存在でした。
当時のメンバーはピーター・グリーン(g,vo)、ジェレミー・スペンサー(g,vo)、ジョン・マクヴィー(b)、ミック・フリートウッド(ds) という4人組が定説になっていますが、実際は流動的だったようで、ボブ・ブラニング(b)、クリスティン・パーフェクト(key,vo)、ジョニー・アーモンド(ts,fl) 等々も参加していたようです。
ちなみにピーター・グリーンもジョン・マクヴィーも、そしてミック・フリートウッドもジョン・メイオールのブルースブレイカーズで修業を積んだ後に独立した形ですから、そのブルースロック魂は本物!
特にピーター・グリーンは既に神様扱いだったエリック・クラプトンの後釜に、自ら名乗りを上げて加入したという強者!?! こういうエピソードは情報が遠かった当時の日本では、ある種の神秘的な雰囲気で語られていましたですね。
しかし実際、ピーター・グリーンのギターは、その澄んだ音色と味わい深いフレーズの連なりが、明らかにエリック・クラプトンとは異なっていながら、勝るとも劣らないブルースフィーリングは唯一無二! 聴くほどにシビレるばかりです。
で、肝心のオリジナル「Black Magic Woman」は、サンタナのバージョンに比べると濃厚な妖しさは当然ながら不足しているものの、ドンツカでダサダサのドラミングが逆にカッコ良いというか、それがあってこそ冴えわたるピーター・グリーンのギターが泣きまくり♪♪~♪
実は告白すると、私はサンタナのバージョンが気に入ってから、このオリジナルバージョンでフリートウッド・マックとピーター・グリーンのギターに邂逅したのです。そして前述のプレースプレイカーズ時代のエビーソードや偉大なギタリストとしての諸々を追々に知らされていくのですが、確かにここでの演奏後半で楽しめるシャップルなノリはブルースロックがド真ん中!
ということで、ピーター・グリーンも私の憧れのギタリストのひとりとなりました。
しかし本人はご存じのとおり、精神的な要因と言われていますが、全盛期にグループを脱退して、長い隠遁生活に入ってしまうのです。このあたりはフリートウッド・マックが以降に音楽的な変遷を重ねていく事と無縁ではないようです。
しかし個人的には、やはりブルースロックをやっていた時代のフリートウッド・マックが大好きで、本日のような「ぶる~すな気分」の時にはジャストミートなんですねぇ……。
ちょいと今日は、気分もディープということで、失礼致します。