■夢みるシャンソン人形 / Twinkle (London / キングレコード)
1960年代中頃、英国モッズ族のアイドルとして人気を集めたのが本日ご紹介のトゥインクルだったんですが、実は彼女はシンガーソングライターでもあった事が後々の我国で周知された時、やはり天の邪鬼なサイケおやじは、彼女のアイドルソングが愛おしいわけです。
特に掲載シングル盤に収録の「夢見るシャンソン人形」は、フランス・ギャルのオリジナルヒットとして昭和40(1965)年から日本でもスタンダード化した洋楽ポップスですから、その英語バージョン「A Lonely Singing Doll」がヒットしても、何らの不思議もありません。
しかもフランス・ギャルのバージョンに比べると、なかなかソウル度が高い感じですし、それが如何にもイギリス的なモータウンサウンド、あるいはノーザンビートのポップス的解釈であるとすれば、サイケおやじの好みのツボにはジャストミートしているんですねぇ~♪
ちなみにトゥインクルはもちろん芸名であり、16歳だった1964年のデビューヒット「すてきなテリー/ Terry」が自作曲であった事は、吃驚と言っていいほど、可愛さ余って憎さ百倍のルックスが眩しいかぎり♪♪~♪
ただし現実的には所謂「一発屋」であり、翌年には急速に影が薄くなっていったようです。
ところが時が流れ、1970年代中頃になると、彼女をアイドルとして崇めていた少年少女の中からプロのミュージシャンが大勢表舞台に登場し、堂々とトゥインクルが好き!
なぁ~んていう愛の告白をしていたんですから、いやはやなんとも、例えばエルトン・ジョンは本気で彼女のカムバックを画策していたという噂もありました。
また、彼女のレコーディングセッションには、スタジオミュージシャン時代のジミー・ペイジ(g) が相当に参加している事から、ゼップマニアの蒐集対象にされていた実情も、現在ではそれなりにCD復刻で音源が纏められていますから安心でしょう。
気になる彼女の音楽性は、率直にガールポップな部分と裏側に潜む妙に退廃的な雰囲気の二律背反的魅力がありますので、アレンジの良し悪しが好き嫌いの分かれ目となるかもしれません。
この「夢みるシャンソン人形」にしても、実は歌が出上がりすぎている感があって、個人的にはもっと稚拙に歌って欲しかった……。
なぁ~んていう理不尽な贅沢を望んでいるのです。
ということで、なんとなくトゥインクルのレコードを出してしまったサイケおやじは、今月も厳しい状況に変わりは無く、一層のハードボイルドが求められそうで、弱音モードに入りそうです。
それでも悲壮感に酔っているわけじゃ~ないのが、救いでしょうか。
ですから、せめて日々のレコード鑑賞ぐらいは気楽にやらせていただきますね♪