OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

伊東きよ子の芝居心も歌心

2013-10-09 13:17:45 | 歌謡曲

まもなく朝 / 伊東きよ子 (CBSソニー)

作詞家の綴る世界に「具象」が強ければ、それを表現する歌手に「芝居っ気」が求められるのは必然であり、その意味で伊東きよ子は素晴らしい!

そんなふうに思い続けているサイケおやじではありますが、しかし彼女のアクの強い歌唱表現やクセのあるボーカルスタイルには十人十色の好き嫌いがある事も、また事実でしょう。

そこで本日掲載のシングル盤A面曲「まもなく朝」は、そうした賛否両論(?)を広く包括しつつも、なかなか下世話な昭和歌謡曲保守本流の名作なんですねぇ~♪

なにしろ千家和也の作詞には、好きな男との一夜の逢瀬の後の別れのせつなさが、なかなかネチッとした女の心情視点で描かれていますから、これを普通に提示された曲メロだけで歌っていたら、イモっぽさはど~しようもないわけで、だからこそ伊東きよ子ならではの「芝居っ気」歌唱が冴えまくり♪♪~♪

しかも筒美京平の作編曲がこれまた素晴らしく、極言すればバート・バカラックがスワンプロックをやってしまったが如きメロディ展開にフィリーソウルの隠し味とでも申しましょうか、実にフックの効いた歌謡ソウルの新形態と思うばかりで、もちろんそれは発売された昭和47(1972)年の洋楽流行を巧みに活かした仕上がりでしょう。

実は入れてもらっているおやじバンドでも、既に演目化しているほど!

そこまで素敵な昭和フィーリングとご理解願えれば、幸いです。

ということで、伊東きよ子には、こういう芝居っぼい場面情景的な歌が他にもありますので、これからもちょいちょいご詳細させていただく所存です。

ただし、既に述べたとおり、彼女のボーカルスタイルには、ある種のクセが強いので、残念ながら万人向けではないかもしれません。

そこんとことは、よろしくです。

コメント (9)
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