■グッバイガール / 南沙織 (CBSソニー)
世の中、人其々の価値観が異なる事は絶対の真実です。
例えば本日掲載した南沙織のシングル盤は、ちょうど彼女が引退した昭和53(1978)年秋に発売された、所謂ラスト作なんですが、これがなかなかレアな実相を示していました。
まず、何んと言っても、このジャケ写!
おそらくはご亭主の篠山紀信が撮影したと思しき、ちょっぴりドギマギさせられる彼女のセクシーショットが良い感じ♪♪~♪
サイケおやじは、全くそれが一番の魅力に惹かれ、このブツをゲットしたのが真相と告白しなければならないわけですが、しかし収められている肝心の楽曲「グッバイガール」についても触れないわけにはいきません。
ご存じのとおり、これはアメリカの優良ポップスグループとして人気絶大であったブレッドの中心メンバーであるデヴィッド・ゲイツが前年、同名映画の主題歌としてソロ名義で出した自作自演の大ヒット曲だったんですが、南沙織は、それにあえて中里綴の意訳詩(?)を附した日本語バージョンをA面に、そしてB面にはオリジナルの英語バージョンを入れるという拘りがニクイばかり♪♪~♪
しかも堂々のスタジオレコーディングバージョンなんですよっ!
と言うのも、実はこの「グッバイガール」の英語バージョンは同時期に発売された彼女のLP「シンプリシティー」に収録されているんですが、日本語バージョンは、シングルオンリーの企画でありました。
ちなみに彼女の引退直後に発売されたラストツアーのライプ盤「さよならシンシア」でも日本語歌詞による「グッバイガール」を聴くことが出来ますが、それはあくまでも「ライプバージョン」ですからっ!
殊更このシングル盤がコレクターズアイテム化するのは必然でありました。
ただし、それなりに売れていたので、冒頭に述べた事には反しますが、決して激レアなブツではありません。
ところが時が流れた現在、サイケおやじの旧友であるドイツ人からの要請によって、今頃このシングル盤をあらためて探索する仕儀になったのは、どうやら最近、件の友人がデヴィッド・ゲイツに目覚めたそうで、片っ端から関連作を漁っているんだそうですよっ!?!
もちろんデヴィッド・ゲイツはブレッドで広く大衆に知られる活動の他に、なかなか有能なソングライターとして業界に認められていましたから、さもありなんのレコードは蒐集の遣り甲斐も膨大なエネルギーを要するでしょうねぇ~♪
なにか非常に心温まるというか、同じ趣味を共通に持つ友の頼みとあらば、少しでも状態の良いブツを渡してあげたいと思っています。
ということで、相対性理論の証明ではありませんが、仕事に追われて時間が無いと嘆くのは、自分の仕事能力が落ちて、世の中の時の流れに追いつけないのが本当なのでしょう。
しかし瞬時、こういう嬉しいような、面映ゆいような趣味性の強い作業を決めてしまうと、どんな忙しい日常にも光が射してくるような気分になるんですから、それはありがたいですねぇ~♪
そして最後になりましたが、やっぱり南沙織が歌う洋楽ポップスの日本語バージョンには独得の良さがありますねよねぇ~♪ 一番有名なのはジャニス・イアンがオリジナルだった「哀しい妖精」でしょうが、この「グッパイガール」も捨て置けません。
それは彼女の歌における言葉の発音と節回しに、なんともナチュラルな洋楽フィーリングが滲んでいるからでしょうか。
そんなふうに思ってしまえば、南沙織の残してくれた音源全てが尚更に愛おしいのでした。