■夢のような愛 / Carly Simon (Elektra / ワーナーパイオニア)
目は口ほどに物を言う、とは説明不要の諺でありますが、実は逆もあるというのが、本日掲載のジャケ写からも、一目瞭然です。
だって、目線が隠れているのに、これが世に出た1974年当時の洋楽に親しんだ皆様であれば、そこに登場している女性が誰なのか!?
一発で分かるでしょう、その唇で!
まさにストーンズのミック・ジャガーやエアロスミスのスティーヴン・タイラーと兄妹みたいなイメージの彼女こそ、シンガーソングライターとして、また素敵なボーカリストとして、さらにその頃はジェームス・テイラーの妻でもあったカーリー・サイモン、その人であります。
もちろん彼女の場合、全盛期だった1970年代の諸作のジャケ写はスケスケファッション、ノーブラに乳首浮き出し、セミヌードやチラ見せイメージ等々、所謂着エロ系のショットが多かった事は、女としての自立云々よりは、セクシーな存在感を強調する狙いだったのかもしれませんが、ある程度は結果オーライだったと思います。
しかし同時に見過ごせないのが、結婚生活に入ったばかりの頃の佇まいで、もしかしたらヤングミセス系の路線だったのか、夫であるジェームス・テイラーとの夫婦としての努力であったのか、ちょっぴり気になるのですが……。
まあ、それはそれとして、肝心の収録A面曲「夢のような愛 / Haven't Got Time For The Pain」は人気アルバム「ホットケーキ」からのシングルカットでありながら、それが日本盤の場合の邦題が、件のアルバム初版では「悲しむ時はなく」になっているので要注意!
実はサイケおやじは、このシングル盤に接する以前に、問題(?)の「ホットケーキ」の日本盤LPを持っていたので、てっきりアルバム未収録曲か!?
と思い込んで、ハッとしてしまった過去が拭い去れません。
ただし次の瞬間、それは誤解だった事が納得されたものの、冷静になれなかたのは、偏にこの素敵なジャケ写のカーリー・サイモンに幻惑されたからです。
う~ん、なんて素晴らしいファッションセンス♪♪~♪
現代でも、立派に通用するにちがいありませんし、実際にこんな恰好の着こなしをしている若い日本女性も見かけますからねぇ~♪
閑話休題。
そしてここではピアノの弾き語りをメインに歌うカーリー・サイモンが、十八番の「節」を聞かせてくれるのは言うまでもありませんが、ポール・バックマスターのストリングス&オーケストラアレンジは、当時のエルトン・ジョンの諸作でもキモになっていた重厚さが良い感じ♪♪~♪
また、当然ながら、夫のジェームス・テイラー(g)、ジム・ケルトナー(ds)、ラルフ・マクドナルド(per) 等々の控えめなサポートも、ニクイところでしょうか。
ということで、最後になりましたが、カーリー・サイモンの楽曲共作者としてクレジットされる事も多いジェィコプ・ブラックマンは、おそらくアメリカの新聞を中心に映画評論をやっていた人物と同一なんでしょうか?
この「夢のような愛 / Haven't Got Time For The Pain」も共作になっていますが、個人的には今後の研究課題(?)にしている次第です。