■友だちならば c/w 明日への出発 / トワ・エ・モア (東芝)
1970年代初頭から流行った欧米からのシンガーソングライターの大ブームは、当然ながら我が国の芸能界にも影響を及ぼし、それまでのカレッジフォークや歌謡フォークとは似て非なる、ちょっぴりマイナーな活動を展開していた歌手やグループの台頭にも繋がったわけですが、どっこい!
やっぱり既に一般的な知名度を確立していた人気者達にとっては、至極当たり前の方針として、その頃に出されたレコードには、なかなかベタなブツが少なくありません。
例えば本日ご紹介のトワ・エ・モアのシングル盤は昭和47(1972)年2月に発売されたⅠ枚なんですが、そういう観点からすれば皆様ご推察のとおり、特にA面収録の「友だちならば」が、その歌詞の内容、そしてメロディの雰囲気共々に、ど~してもジェームス・テイラーやキャロル・キングでお馴染みの「きみの友だち / You've Got A Friend」を想起させられてしまうんですねぇ~~♪
もちろん、こちらは作詞:山上路夫&作編曲:川口真という堂々のクレジットがある以上、安易なパクリとはなっておらず、殊更曲メロやそれに付随する演奏パートの仕上がりは、なかなか見事なソフトロックなんですから、まさにこれぞっ! 職人技の冴えが楽しめますよ♪♪~♪
ちなみにトワ・エ・モアは、言うまでもないとは思いますか、生粋のフォークというよりも、むしろそれをも包括したポップス歌謡ユニットだったという認識がありますから、何も詮索する必要は無いでしょう。
ですから、同じソングライターコンビが提供したB面収録曲「明日への出発」が、思いっきりフレンドリーな前向きソングになっている事についても違和感が無く、しかも驚くなかれ、これは「トワ・エ・モア・ファミリー」名義の歌になっているとおり、少しずつ盛り上がっていくコーラスパートの人数の拡大率が、如何にも当時の理想として求められていた内輪的連帯の広がりを象徴しているような気がします。
そして、実は「トワ・エ・モア・ファミリー」とは、トワ・エ・モア解散後に芥川澄夫が結成したバンド名でもありますから、この時点で既にして考想があったとしたら、なかなか興味津々というところです。
最後になりましたが、如何にも冬の陽光の中で撮影されたジャケ写のイメージが、これまたなんともハートウォームな心地良さ♪♪~♪
こういう雰囲気もまた、その頃をサイケおやじに思い出させてくれるのでした。