■セクシカ c/w 悲しい道 / ナナ (ワーナーパイオニア)
しかし、やはり「ジャケ買い」となれば、サイケおやじは女性歌手のセクシーイメージショットが使われたレコードに魅せられてしまいます。
本日掲載のシングル盤も全くその1枚で、中古屋で邂逅した当初はそんなでもなかったんですが、それでも何かを感じ、手に取って見ていたら、店主が「それは二つ折りのもう一方がねぇ~」とか思わせぶりな誘いを言ってくるもんですから、レジで中身に拝謁してみれば、おぉ~~~っ!
それが下に掲載した、最高に素敵な光景であります♪♪~♪
もちろん、レコードの収録された楽曲は正直、二の次ってやつですよ、バチアタリでありますが。
でも、それじゃ~済まされないので、ちょっと書かせていただきますが、まず歌っている「ナナ」とは、もちろん木の実ナナでありまして、発売されたのは昭和46(1971)年だったんですが、そんなに売れていたとは言い難いようです。
ところが昭和50(1975)年になって、梓みちよが例の「リリー・マルレーン」の日本語バージョンを大ヒットさせてしまったもんですから、それ以前に同曲を「悲しい道」のタイトルで吹き込んでいた木の実ナナのバージョンも知られるようになったとかっ!?
ただし、その「悲しい道」は掲載盤ではB面扱いであり、それでも商魂逞しい件の中古屋の店主は、わざわざジャケ写を入れ替えて展示販売していたという有様が真相のようです。
まあ、それはそれでOKなんですけどねぇ~~♪
ちなみに木の実ナナの「リリー・マルレーン」、つまり「悲しい道」の訳詩は安井かずみ、アレンジは宮川泰が担当し、これがなかなか原曲が本来の味わいと思われるシャンソン(?)っぽいものよりは、ミュージカル系というか、歌い上げる感じの和製ポップスに仕上がっているのは流石と思います。
しかし、「リリー・マルレーン」は作詞:ハンス・ライプ&作曲:ノルベルト・シュルツェによって1938年頃に書かれた歌で、それが第二次世界大戦当時のドイツ軍兵士の間で大ヒットしたものの、そのオリジナルバージョンを歌っていたララ・アンデルセンにユダヤ人疑惑が浮上したという、全く根拠も脆弱な不条理的処置から、それは廃盤!?
直ぐにドイツ軍事政権によって新バージョンが作られ、それはラジオ放送によりイギリス兵の間でも人気が高かったという伝説もあるほどなんですが、とにかくこの事件(?)を契機にしたかのように、多くの女性歌手によって歌われる事になったのは確かであり、特にマレーネ・ディートリヒのバージョンは有名かと思います。
尤も彼女は当時、ドイツからアメリカに逃避し、ハリウッドでスタア女優になっていましたから、結局は連合国兵士への慰問活動の一環になっていたという、そんなこんなも「音楽は世界を癒す」なぁ~んていう格言(?)の証左なんでしょうかねぇ~~。
閑話休題。
さて、一方、ジャケ写が最高のイメージになっている「セクシカ」は作詞:山上路夫&作編曲:クニ河内が提供した、これがど~聴いても、歌詞の中味共々にセックスの真っ最中を歌っているとしか思えないという、いやはやなんともの楽曲でして……。
当然ながら木の実ナナのボーカルも雰囲気満点(?)のミディアムスローなメロディ展開にジャストミートな甘さがニクイばかり♪♪~♪
もう、これは皆様に実際に聴いていただくしかありません。
でも、これって当時、放送禁止とかにはならなかったんでしょうかねぇ~~。一応、歌詞は文学的な表現と言えないこともありませんが、それでも相当に露骨なところがありますから、とてもお茶の間じゃ~気まずくて、聴けないでしょう。
しかし、それもまた、昭和歌謡曲の素晴らしさだと思いますし、実際にその頃はエロいお色気ソングが山のように制作発売されていたのですからっ!
ということで、これはジャケ写に偽りなし♪♪~♪
不覚にもサイケおやじは冒頭で述べたとおり、「レコードの収録された楽曲は正直、二の次」なぁ~んていう思い上がりは恥じの上塗り、不遜の極みと心から反省させられた次第です。
うむ、未だ修行が足りませぬ……。